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フィールド日記

2011.06.09

トベラとユキノシタとモリアオガエルの卵

平成23年6月8日 水曜日

 正門近くの今日の様子をご覧に入れましょう。
下の写真の花は、トベラです。正門の手前のトベラの木にたくさんの花がついています。トベラは、
枝葉を切ると悪臭を発するため、節分には魔除けとしてイワシの頭などとともに家の扉に飾られました。
そこから「扉の木」と言われるようになり、それが変化して「トベラ」となったようです。


次はユキノシタです。
今年もたくさんのユキノシタが正門近くの石垣のところに咲いています。今、不二聖心で見られる花のなかでも
特別な趣を感じさせる花です。花弁は5枚で、上の3枚は小さく下の2枚は大きいというのもユニークです。


昼食後に職員室で仕事をしていたら、中学3年生の生徒に「先生来てください」と呼ばれました。
あとをついていってみると、築山の池の近くの道にモリアオ ガエルの卵が落ちていました。
中3の生徒は何とかして卵を助けたい一心で職員室まで呼びに来てくれたようです。
木の枝に産み付けられた卵がどうして道の上 にあるのか。どうやら鳥に運ばれて食べられてしまったようです。
絶滅危惧種のモリアオガエルはこうして益々数を減らしていくのでしょう。
カエルにとっては 気の毒な出来事でしたが、生徒の優しい気持ちに触れることができたのはうれしいことでした。

2011.06.07

ジャコウアゲハ

平成23年6月7日 火曜日

 昼食後に職員室で仕事をしていたら「先生、来てください」と高校1年生に呼ばれました。
あとをついていったところ、講堂脇の道の上にジャコウアゲ ハがとまっていました。ジャコウアゲハは、
幼虫の食草であるウマノスズクサが激減しているために徐々に数を減らしつつあると言われているチョウです。
この貴重なチョウを今日はじっくり観察することができました。

 

 貴重な生物を生徒たちとともに観察する時間はかけがえのない時間です。
 


顔つきがユニークだという感想が生徒から聞かれましたので、正面からの撮影もしてみました。

2011.06.07

わたしの主張裾野市大会とアザミ

平成23年6月6日 月曜日

 6月5日(日)、裾野市民文化センターで第30回わたしの主張裾野市大会が行われました。本校からは、
中3渡会いくみさん、高1服部真歩さんが出 場しました。二人とも大舞台でも緊張することなく、
日常の経験や社会問題について、落ち着いて丁寧に発表することができました。
聞きに来て下さった奨学会役員の方々、保護者の皆様、ありがとうございました。


  今週は晴天の気持ちの良いスタートとなりました。生徒は中間試験に真剣に取り組んでいます。
自然界の花々も明るい光を受けて生き生きと輝いていました。

2011.06.05

柿の花とナキイナゴとコバネヒメギス

平成23年6月5日 日曜日

 今日は、「世界環境デー」でした。
不二聖心のフィールドでは、ヤマガラやウグイスが元気よく囀り、今年はじめてホトトギスの声も確認することができました。
キャンプ場の柿の花の下はマルハナバチの羽音でにぎわっていました。柿の花は、花の入り口から蜜のある
位置まで距離があるため、花の中にうまく潜り込め る特定のハチしかその蜜を吸うことができません。
秋の実がなった柿の木も風情がありますが、今の季節の花をたくさんつけた柿の木もすばらしいです。


キャンプ場を通ってススキ野原を横断してみましたが、ススキ野原を覆うようにあちこちで鳴いていたのが、
ナキイナゴです。もうこんなにもナキイナゴの声 が聞かれる季節になったのかと驚きました。ナキイナゴの場合、コオロギやスズムシのように翅と翅を擦り合わせて音を出すのではなく、後ろあしと前翅を擦り 合わせることで音を出します。不二聖心のススキ野原では、ナキイナゴが後ろあしを忙しくふるわせる様子もつぶさに
観察できます。


ススキ野原で今日目についたバッタ目の昆虫としては他にコバネヒメギスがいました。
かつてないほどたくさんのコバネヒメギスを目にしました。 

 少し歩いただけでこんなにもたくさんの生き物と出会える不二聖心の自然環境をこれからも大切にしていきたいと「世界環境デー」に強く思いました。

2011.06.04

オオイシアブとアシナガムシヒキ

平成23年6月4日 土曜日

人間に忌み嫌われているけれども実は人間の役に立っている、そういう生き物が自然界にはたくさんいます。
アブの仲間もその一つでしょう。
今日は不二聖心で今の時期に既に活動を始めているアブを紹介しましょう。
下の写真は、ハエ目ムシヒキアブ科のオオイシアブです。人間を刺したり体液を吸ったりするようなことはなく、農作物を荒らす虫を捕らえて体液を吸う益虫で す。京都府は、その存在が環境の自然度の高さを示す
環境指標生物としてオオイシアブを挙げています。顔面の中央に毛が生えているユニークな風貌が印象的です。「温情の灯」の碑の近くで撮影しました。

ムシヒキアブ科のアブをもう一種。アシナガムシヒキです。お茶畑の横の雑木林で撮影しました。獲物の体液を
吸いながら長い前肢を片方だけ挙げている姿をよく見かけます。まるで「やぁ」と挨拶をしているようです。

2011.06.03

畠山重篤さんとハナイカダ

平成23年6月3日 金曜日

6月1日の宗教朝礼で加納健介先生が、ご自身と気仙沼との関わりの話を通して、「受けるより与えるほうが
幸いである」という聖書のみことばについて 語ってくださいました。その中で5月12日に読売新聞に掲載された畠山重篤さんの文章が紹介されていました。畠山さんは気仙沼で牡蠣の養殖業をしつつ、森と海とのつながりの重要さについて伝える活動をなさってきた方です。「それでも海しかない」と題された文章の一節を次に引用します。

 我が舞根地区は52世帯中、44世帯が流されてしまった。最近のアンケートによると殆どの人が
舞根湾の見える高台にもどりたい、海辺に小舟を浮かべ、小漁をしたり、アワビやウニを採る生活に戻りたい
という。これだけ海に蹂躙されながら、海に怨みをもつ人はいない。私もその一人だ。

畠山さんは、5月の末には再び筏を海に浮かべ牡蠣の養殖を再開したいとお書きになっていました。
今週から6月に入りました。きっと気仙沼の海には畠山さんの筏がすでに浮かべられていることでしょう。

牡蠣の養殖に不可欠なのは、その稚貝を育てるための筏ですが、筏を名前に持つ植物が日本に一つだけあります。「ハナイカダ」です。葉の上に実をつける姿を 古人は筏に見立て「ハナイカダ」と名づけました。
5月5日に「不二聖心のフィールド日記」で紹介した不二聖心のハナイカダは皆見事に結実し、
いっそう筏らしくなった姿を見せています。

2011.06.02

高校3年生の短歌⑤とミヤマカワトンボ

平成23年6月2日 木曜日

先週詠まれた高校3年生の短歌を紹介します。体育大会の歌と試験に向けての歌が多く詠まれました。

大回旋流した涙は忘れない大切なのは友との絆
もう一度やりたいと思う体育祭ありがとみんな楽しかったよ
ドキドキと高鳴る心を落ちつかせ私の目の前みんなかぼちゃ
ありがとう勝っても負けてもこれだけはみんなに言おう私の気持ち
泣いた顔笑った顔や怒る顔いろんな顔が体育大会
最後だからはりきったのと笑う母ちょっとしょっぱいたまご焼き
競技がね終わるたびに涙する生涯最後の体育大会
ヨーイドン皆の心が一つになって空を見上げて綱を引く
体育大会終わったけれどどうしても来年まだあるそんな気がする
飛鳥時代強気の外交聖徳太子今の政治家も見ならいなさい
テスト前焦るあなたを目の前に私の焦りもさらに増してく
受験生悩みはいろいろあるけれど今にきっと良い思い出に
さぁやるぞ唇かみしめペン握り横目にちらちらご褒美のチョコ
次こそは次は次はと言いながら気づけば3回残りのテスト

昨日から6月に入りましたが、先月から今年もミヤマカワトンボの姿が不二聖心で見られるように
なってきました。「ミヤマ」は漢字で書くと「深山」と なり、このトンボは一般的に渓流に生息すると
言われています。ミヤマカワトンボがいるということは、不二聖心の近くに渓流に近い環境があることを
示してい ます。

2011.05.30

マイマイカブリ

平成23年5月30日 月曜日

高校1年生の教室に向かう階段にマイマイカブリがいました。
マイマイカブリはオサムシの仲間で、首の部分が長くなっていることが特徴です。餌であるカタツムリの殻の中に十分に頭を入れるために、このような姿に進化 したものと考えられます。漫画家の手塚治虫は、オサムシが好きであったことから「治虫」というペンネームをつけたと言われていますが、オサムシの中でも
特にこのマイマイカブリが好きだったそうです。

2011.05.29

モリアオガエルの卵②とアシナガバチの営巣④

平成23年5月29日 日曜日

台風2号の接近により、強い雨の降り続く一日となりました。
今日は、不二聖心の自然の様子について、2点確認したいことがありました。一つはモリアオガエルの卵が増えているかどうかということでした。降り続く雨が モリアオガエルの産卵を促しているのではないかという予感がありました。雨の日には天敵であるヘビが活発に行動できないからです。
予感は当たりました。金曜日には1つしかなかった卵塊が今日は5つに増えていました。


もう一つ確認したかったことは、この大雨の中、巣作りの真最中のアシナガバチの母親たちはどうしているのかということでした。驚いたことに母バチはみな雨 に濡れながら巣を守り続けていました。外敵の少ない雨天時は自分も雨宿りしてもいいのではないかと思いましたが、実は母親たちには巣を離れない理由があり ました。
下の写真を見てください。母バチが巣に口をつけているのがわかります。このあとハチはのけぞるような
かっこうをしました。するとみるみるうちに口 からハチの頭ほどの水滴があふれ出てきたのです。
つまり母バチは巣にたまった水を吸い込み、それを外に吐き出すことで、卵と巣を雨水から守っていたのでし た。

2011.05.28

縄文時代のクワガタとベニボタル

平成23年5月28日 土曜日

5月25日の朝日新聞に「縄文クワガタよみがえる」という記事が載りました。次のような内容です。

 縄文時代晩期後半(2500年~2800年前)のノコギリクワガタが、奈良県御所市の秋津遺跡でほぼ
完全な形で見つかった。県立橿原考古学研究所(橿原市)が24日発表した。
大あごなど一部だけが見つかった例はあるが、完全に近い縄文時代のクワガタは全国初という。
大きく湾曲した大あごを持つ体長約6・4センチ、幅約1・5センチのオス。地中約2メートルの同時代の
木の根の下で見つかった。
左前脚以外はほぼ残っており、体毛や爪の先も判別できた。水や土で密閉されて酸素が絶たれ、
細菌が活動できず分解されなかったらしい。同じ地層からは同時代の土器や土偶の破片約1千点も見つかった。

ノコキリクワガタは、ほぼ日本全土に分布する昆虫で、甲虫目に属しています。
下の写真は2008年の夏に撮った不二聖心のノコギリクワガタの写真です。

不二聖心の土地からは黒曜石も出土しており、古くから人間の生活が営まれていた可能性があります。
不二聖心の地中深くから縄文の遺跡とともにノコキリクワガタが発見される可能性も皆無ではないでしょう。
ずいぶん昔の話だと思うかもしれませんが、気 が遠くなるほどの進化の過程を経て現在に至っている
ノコキリクワガタにとっては、2800年前というのは、ごく最近の時間とも言えるのです。
ノコキリクワ ガタが属する甲虫目というグループは4枚の翅のうちの2枚を丈夫な硬い翅にすることよって
環境への適応能力を高めてきました。2枚の丈夫な翅が順調な進化 の歩みを支えたとも言えます。
下の写真は「温情の灯」の近くで撮った、ベニボタル(甲虫の一種)が飛び立つ瞬間の写真です。
紅色の翅が甲虫目の由縁である 硬い2枚の翅です。