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フィールド日記

2011.06.10

ナガゼンマイハバチ

平成23年6月10日 金曜日

今日の朝日新聞の天声人語は次のような書き出しでした。

 虫好きの少年を通して命の尊さを描いた『クワガタクワジ物語』(中島みち著)に、主人公の太郎が縄文時代の子を思う場面がある。「シカかなんかの皮のふんどしをして、これとおんなじクワガタと、遊んでいたのかなあ」数億年前に現れた昆虫は、生き物の種の過半を占める。『虫の文化誌』(小西正泰著)の表現を借りれば、人類はずっとあとから「昆虫王国」のただなかに生まれてきた。

 「数億年前に現れた」時の姿のまま今も生き続けている昆虫が、不二聖心にもたくさん生息しています。
そのうちの一種、ナガゼンマイハバチの幼虫の 姿を今年も確認することができました。ゼンマイの葉に見事に
擬態しつつ、悠然と葉を食べ続けていました。ゼンマイの葉を食べるハバチには、他にゼンマイハ バチが
いますが、こちらの姿は発見できませんでした。もしかしたら二種の間に微妙な棲み分けがなされているのかもしれません。ハバチはハチの中でも最も原 始的な種類で、彼らが生きてきた時間の長さを思うだけでも、
畏怖の念に近い感情を抱きます。
今日の天声人語は次のような一節で終わっていました。

 支配者を気取る一つの種の都合で、動植物が振り回される時代はそれほど続くまい。
この夏、虫たちは放射能も知らずに飛び回る。合わす顔がない。