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フィールド日記

2012.01.01

コウヤボウキ

2012.01.01 Sunday
あけましておめでとうございます。
今年も不二聖心の自然のすばらしさをこの「フィールド日記」を通してお伝えしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 10月30日に撮影したコウヤボウキが結実している様子を観察しました。下の写真が10月30日に撮影したものですが、ここに写っているクチナガ ガガンボが受粉昆虫として活躍したことがうかがわれます。この近辺はコウヤボウキが少しずつ数を増やしていますが、そのために受粉昆虫の活躍は欠かせませ ん。希少種であるコウヤボウキは花の形が筒状をしており、受粉に関われる昆虫は限られています。ふだん注目されることも少ないガガンボが大切な役割を自然 界の中で果たしているのです。多くの生物は他の生物とのつながりよって支えられています。今年も生き物のつながりにしっかりと目を向けていきたいもので す。

 

 下の写真が結実したコウヤボウキの写真です。

 

 


今日のことば

生命は   吉野弘

生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不十分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべが仲立ちする
生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ

世界は多分
他者の総和
しかし
互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず
知らされもせず
ばらまかれている者同士
無関心でいられる間柄
ときに
うとましく思うことさえ許されている間柄
そのように
世界がゆるやかに構成されているのは
なぜ?

花が咲いている
すぐ近くまで
虻の姿をした他者が
光をまとって飛んできている

私も あるとき
誰かのための虻だったろう

あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない