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フィールド日記

2012.01.09

マリアガーデンのソシンロウバイ

  2012.01.09 Monday

 ソシンロウバイの花が次々に咲き始めています。
ロウバイは「蝋梅」と書き、「蝋」は花が蝋細工のように見えることを意味しています。花に光があたると、その部分だけが蝋燭に火を灯したように明るさを 増し、まるで自ら光を放っているかのように見えます。姿の美しさと香の芳しさをそなえた蝋梅は、他にはない魅力を持った花と言えるでしょう。
香に誘われてでしょうか。たくさんの双翅目の昆虫が花を訪れていました。

 


今日のことば

人間は常に人間になりつつある存在だ
かつて教えられたその言葉が
しこりのように胸の奥に残っている
成人とは人に成ること もしそうなら
私たちはみな日々成人の日を生きている
完全な人間はどこにもいない
人間は何かを知りつくしているものもいない
だからみな問いかけるのだ
人間とはいったい何かを
そしてみな答えているのだ その問いに
毎日のささやかな行動で

人は人を傷つける 人は人を慰める
人は人を怖れ 人は人を求める
子どもとおとなの区別がどこにあるのか
子どもは生まれ出たそのときから小さなおとな
おとなは一生大きな子ども

どんな美しい記念の晴着も
どんな華やかなお祝いの花束も
それだけではきみをおとなにはしてくれない
他人のうちに自分と同じ美しさをみとめ
自分のうちに他人と同じ醜さをみとめ
でき上がったどんな権威にもしばられず
流れ動く多数の意見にまどわされず
とらわれぬ子どもの魂で
いまあるものを組み直しつくりかえる
それこそがおとなの始まり
永遠に終わらないおとなへの出発点
人間が人間になりつづけるための
苦しみと喜びの方法論だ
                                                           谷川俊太郎