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フィールド日記

2013.02.22

帽子をかぶったミノゴケと帽子を脱いだミノゴケ

  2013.02.21 Friday

 駐車場の近くの斜面に楓の大木が何本かありますが、その中の一本の幹にノミゴケがびっしりついています。蒴(コケ植物の胞子のう)を包む蘚帽が蓑のように見えるところからミノゴケと名付けられましたが、やがてその帽子は脱がれる時が来ます。写真をよく見ると蘚帽がついている胞子体と既に脱ぎ捨てられている胞子体があることがわかります。

 

今日のことば

 人間を超えた存在を認識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐくみ強めていくことには、どのような意義があるのでしょうか。自然界を探検することは、貴重な子ども時代をすごすゆかいで楽しい方法のひとつにすぎないのでしょうか。それとも、もっとも深い何かがあるのでしょうか。
わたしはそのなかに、永続的で意義深い何かがあると信じています。地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。たとえ生活のなかで苦しみや心配ごとにあったとしても、かならずや、内面的な満足感と、生きていることへの新たなよろこびへと通ずる小道を見つけだすことができると信じます。
地球の美しさについて深く思いをめぐらせる人は、生命の終わりの瞬間まで、生き生きとした精神力をたもちつづけることができるでしょう。
鳥の渡り、潮の満ち干、春を待つ固い蕾のなかには、それ自体の美しさと同時に、象徴的な美と神秘がかくされています。自然がくりかえすリフレイン ――夜の次に朝がきて、冬が去れば春になるという確かさ――のなかには、かぎりなくわたしたちをいやしてくれるなにかがあるのです。

レイチェル・カーソン