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フィールド日記

2013.04.25

ヤマギシモリノキモグリバエとスミソニアン博物館



2013.04.25 Thursday
高校1年生が間伐体験学習を行う校内の森の一角にアラカシとシラカシの交雑種と思われる樫の木が生えています。なぜかその木には他の樫の木以上にさまざまな生き物がやってきます。先日はヤマギシモリノキモグリバエを確認しました。ヤマギシモリノキモグリバエについて詳しく知るためには、1983年に出た上宮健吉博士の英文の著書を読むしかないと言われています。この本はアメリカで出版され、当時はスミソニアン博物館に購入を申し込むことができました。それから30年経った今でもスミソニアン博物館は上宮博士の著書を所蔵しているだろうかと思って問い合わせたところ、本は今もあることを教えてくださり、さらにその本のコピーを送ってくださるという返事が来ました。コピーを入れた荷物は今朝、スミソニアン博物館を出て日本に向かったそうです。上宮博士の著書が、不二聖心の生物相の一面をどのように照らしてくれるのか、今から楽しみにしています。

今日のことば

著者上宮健吉博士は本研究をほぼ2年も前に完成し、その出版刊行費の補助を申請するなど日本での出版に努力されたが、それは遂に実現されなかった。いうまでもなく、農業環境の生態構造の解明には分類学の進歩が不可欠であるが、巷には軽薄短小な出版物が氾濫している反面、こういう優れた基礎的研究成果の出版が困難になった日本の現状を、何とか改善できないものであろうか。

西島浩(上宮健吉博士の著書の書評より)