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フィールド日記

2013.06.22

グレープフルーツとミカンハモグリガ



2013.06.22 Saturday
ついに富士山が世界遺産に登録されました。文化遺産としての登録とはなりましたが、文化と自然は深く結びついており、富士山麓の自然もいっそうの注目を集めるようになることが予想されます。富士山麓の自然のすばらしさの一つは、極寒の高地から比較的温暖な裾野までの生物の垂直分布の多様さにあり、富士山の裾野に位置する不二聖心では暖地性の動植物も数多く目にすることができます。
「共生の森」で採集したグレープフルーツの葉から「絵かき虫」のミカンハモグリガが羽化しました。柑橘類の多くは暖地性ですので、この蛾も暖地に多く生息します。ミカンの害虫として知られる蛾で、日本の他に、東南アジア、オーストラリア、南アフリカ、中東地域に生息しています。1993年にフロリダで発見された時には、研究者が世界中からミカンハモグリガを取り寄せ、DNA解析を試みることで侵入経路を明らかにしようとしたそうです。卵の直径は0.31ミリしかない小さな生き物ですが、その被害はミカン農家にとって死活問題となります。

今日のことば

富士が嶺(ね)の裾野の原のま広きは言(こと)に出しかねつただにゆきゆく

若山牧水