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フィールド日記

2012年06月

2012.06.09

イヌガラシ


 

 2012.06.09 Saturday

 森づくりの予定地に自然に生え始めた植物の中で、今たくさんの花を咲かせているのはアブラナ科のイヌガラシです。アブラナ科の植物を好む昆虫がじきにたくさん集まってくることでしょう。

 

今日のことば

けらけらとわらふな
ひまがあるなら
こっそりと神さまとはなしてをれ
叱られるのでもいい
ほめらるるのでもいい
とにかく神さまとのつきあひをたやすな
神の室へのとびらをさびつかせてはならぬ

                        八木重吉

2012.06.08

森づくり予定地とミズイロオナガシジミ

  2012.06.08 Friday

 今年度からスタートする学校の森づくりの予定地をNPO法人「土に還る木・森づくりの会」の理事の方に見ていただきました。土質がいいので植栽の時の腐葉土はいらないのではないかと言っていただき安心しました。
荒れ地を整備したことで、さまざまな生き物が森づくり予定地に集まりつつあります。
2枚目の写真は、森づくりの予定地で撮ったミズイロオナガシジミの写真です。


 

 

今日のことば

 泣きながらパンを食べた者でなければ、人生の本当の味はわからない。

                           ゲーテ

2012.06.07

栗の花とヒメアシナガコガネ

  2012.06.07 Thursday

 栗の花が咲き始めました。この花が咲くと梅雨が近いと感じます。栗の花に集まる虫の種類は実に多いのですが、その中でも目立つのがヒメアシナガコガネです。


 
 
 

今日のことば

 記憶とは何か。それは物質のレベルで保存されるものではなく、もっと上位のレベル、おそらく細胞と細胞の関係性によって構成される回路として存在する。記憶の再生はその回路に電気が流れたときに生じる。細胞の中味はたえず更新されるが細胞と細胞の連絡は保たれる。
とはいえ長い年月のうちにはその回路ですら変容していくはずである。暗い脳内に一瞬点灯するのが記憶なら、それは夜空に上り、ひととき形を作り、やがて残像となる打ち上げ花火に似ている。

                                 福岡伸一

2012.06.06

セキレイの幼鳥

  2012.06.06 Wednesday

 
昨日の昼からセキレイの幼鳥の姿を何度か見かけました。野鳥であるにもかかわらず、こちらに近づいてきて餌をねだるのには驚きました。ミミズを与えたところおいしそうに食べていました。そのかわいらしさには筆舌に尽くしがたいものがあります。

 我のことを母と思いてぴよと鳴く鶺鴒の子の愛おしきかな

 

                今日のことば

光は秒速30万キロ、1秒で地球を7周半、と誰もが習ってきた。太陽の光は8分17秒~19秒で地球に届く。この距離で光をもらい、地球に生命が栄えてきた。この星をほどよく温める絶妙の配置は奇跡と言えるらしい。

                       天声人語(2012.06.06)より

2012.06.05

ナワシロイチゴ

  2012.06.05 Tuesday

 すすき野原にナワシロイチゴの花がたくさん咲いています。苗代をつくる頃に咲くことから「ナワシロイチゴ」と名付けられましたが、今年の田植えはゴールデンウィークの頃に終わってしまっています。このずれは田植えの時期が徐々に早まってきたことから生まれました。植物の名前から人間の生活の変化を知ることができる一つの例です。
この花の実でおいしいジャムをつくることができます。

 


今日のことば

 ある時わたしの母親は、一粒のりんごの種をわたしに手渡してこう言いました。「それを割ってみて中になにがあるか見なさい」と。わたしはその種を手で開いてその中を見ました。母は聞きました。「何が見える?」と。「いや何も見えないのだけど」とわたしは答えました。お母さんはこう言いました。「その種の中にはね、大きな木一本がすでに入っているのですよ」と。

                           サティシュ・クマール

2012.06.04

セッコクとハナバチ

  2012.06.04 Monday

 ラン科のセッコクが花の盛りを迎えています。芳香を感じながら写真を撮っていると花の中から小さなハナバチが出てきました。セッコクの受粉にもってこいの大きさです。おそらくセッコクは、進化の過程で虫の大きさに合わせて自分の形を変えてきたものと思われます。

 

               今日のことば

命が生まれてきた根はみんな一緒。
どんな命も、愛するからこそ美しいと思うんです。

                             熊田千佳慕

2012.06.03

ルリタテハの幼虫


 

 2012.06.03 Sunday

 どこかにいるに違いないと思いながら、なかなか出会えなかったルリタテハの幼虫に第二牧草地で初めて出会うことができました。今日、確認したのは、サルトリイバラの葉を食べる2個体です。ルリ色の模様が美しい、あのルリタテハがどうして幼虫の時にはこのような姿をしているのか、考えてみれば実に不思議なことです。成虫は雑木林の樹液に集まります。
「夏休み子供自然体験教室」では美しい成虫の姿も見られたらと願っています。

 


今日のことば

いちばん大切なのは価値の相対主義に陥らないということです。すべての人がほんとうにわれわれ自身みずから真の価値というものを探求していくという、そのことがほんとうの意味での哲学だと思うのです。知に対する愛だと思うのです。                                           

                                 岩崎武雄

2012.06.03

コフキゾウムシ


 

 2012.06.02 Saturday
クズの葉の上にコフキゾウムシがいました。粉をふくゾウムシという意味で「コフキゾウムシ」と名付けられています。青っぽい体色に見えますが、粉をとってしまうと全く違った地味な色合いのゾウムシになってしまいます。クズの葉の上にいることが多いゾウムシですので、青い色が保護色になっているのかもしれません。

 


                                           今日のことば

愛することもまたいいことです。なぜなら愛は困難だからです。人間から人間への愛、これこそ私たちに課せられた最も困難なものであり、究極のものであり、最後の試練、他のすべての仕事はただそれのための準備にすぎないところの仕事であります。

                                      

                                                                                                 リルケ

2012.06.01

モリアオガエルのオスとメス  マダラヒロズコガの幼虫

  2012.06.01 Friday

 今日から6月です。今年はじめてレモン色をしたコマルハナバチのオス(ライポン)を見ました。

 昨日の夜、職員室の近くのドアにモリアオガエルがはりついていました。大きい方がメスで小さい方がオスです。体の大きさの違いがよくわかります。今日も一日中、モリアオガエルの声がよく聞こえていました。体色の違いや鳴き方の違いなど、モリアオガエルだけでも研究テーマがたくさん出てきそうです。

 5月16日に高校1年生と森づくりの予定地を見学に行った時に見つけた不思議な物体の正体がわかりました。マダラヒロズコガというチョウ目ヒロズコガ科の幼虫のミノでした。
2枚目の写真では、幼虫も少し顔を出しています。


 

               

               今日のことば

昆虫の生態を研究していた昆虫学者アンリ・ファーブルが
昆虫の中に見られるふしぎさに心打たれて
『わたしは神さまを信ずるだけでなく神さまを見ているのだよ』とその友人にいったといわれている。』
一本の草 一匹の虫にでも神様の英知を見るすばらしい知恵 心の眼をもつようにしたい。         

                                片山善次郎