フィールド日記

2012.07.31

すすき野原の観察コース  コオニユリ  今日の富士山

  2012.07.31 Tuesday

「夏休み子供自然体験教室」のために不二農園の方々が、すばらしい観察コースを作ってく
ださいました。これでキャンプ場から牧草地まで歩くことのできる一本の観察コースができ
あがったことになります。少し歩いただけでさまざまな生き物を確認することができました。
特に直翅目の昆虫の多様性には目を見張るものがあります。その多くは、環境の変化や農薬
の使用などによって、日本の数多くの都市で減少傾向にある虫たちです。不二聖心の宝と言
っていいでしょう。


 

 東京都では既に絶滅したとされているコオニユリの開花も確認できました。

 

 
牧草地からは、まだ少し雪が残る夏の富士山を眺めることができました。不二聖心の富士
登山はいよいよ明日、出発です。

 

 
今日のことば

  京四月いとまなき身のゆきずりに花をしばしの幸と眺むる

                              湯川秀樹

2012.07.30

夏の雲  カタバミとヤマトシジミ

  2012.07.30 Monday

暑い日が続きます。今日も、いかにも夏らしい雲の姿を見ることができました。


 
茶畑の道にたくさんのカタバミが咲いています。不二農園の方の管理が良いために道に雑
草が生い茂ることがなく、カタバミのような丈の低い花もしっかりと光を浴びることができ
ます。カタバミを好むヤマトシジミが、たくさん訪花して蜜を吸っていました。


 
 

             今日のことば

 

考えるために必要なものは、それほど多くない。
言葉、静けさ、少しの光、そして時間。
柔らかい影が移ろい、想念は壁に染み込んでゆく。

                            港千尋

2012.07.29

ササグモの子育て

 

 2012.07.29 Sunday

今年もササグモの子育てが始まりました。裏の駐車場とすすき野原の二か所で、卵のう、も
しくは子グモを守る母グモを確認しましたが、標高の高いススキ野原の方が既に卵が孵化し
ていました。掲載した写真は、すすき野原の母グモを写したものです。よく見ると孵化した
子グモも写っているのがわかります。


1977年に寺田孝重・今西実・信濃和喜によって「茶園におけるクモ類相の研究」という興
味深い論文が書かれました。この論文の「まえがき」には、「今後、低毒・易分解性の農薬
開発もさることながら、農薬自身の散布量をできうる限り少なくし、これに替って自然界に
おいて害虫を抑制している天敵等を最大限利用した防除体系の確立が必要であると考えられ
る。」と述べられています。「害虫を抑制している天敵」の代表としてクモ類が調査対象と
なり、調査の結果をまとめた「茶園におけるクモ類相の研究」という論文が書かれました。
論文の中では茶園の優占種としてササグモが挙げられています。不二農園のお茶がおいしく
作られているのも、ササグモをはじめとするクモ類が害虫退治に一役買ってくれているから
かもしれません。

 
 

今日のことば

花火ひらく亡き友の顔友の声

古賀まり子

2012.07.28

エントモファガ・グリリ(昆虫病原菌)

 

 2012.07.28 Saturday

 写真のショウリョウバッタは茎につかまったまま宙に浮くようにして死んでいます。これ
はエントモファガ・グリリ(昆虫病原菌)の影響によるものです。この菌は、とりついた相
手をできるだけ高いところに登らせ、そこで息絶えさせると言われます。高度があればある
ほど菌の広がる範囲が広くなるわけです。夏の不二聖心では、このようなバッタの姿を数多
く観察することができます。何か神秘的なものすら感じさせる自然界の姿です。

 

 

今日のことば

木を植える
それは歌うこと
花と実りをもたらす風とともに

木を植える
それは耳をすますこと
よみがえる自然の無言の教えに

木を植える
それは智恵それは力
生きとし生けるものをむすぶ


谷川俊太郎

2012.07.27

シロオビトリノフンダマシ

 

 2012.07.27 Friday

 「共生の森」の住人がどんどん数を増やしつつあります。生徒が植えた柚子の木の葉の裏
にはシロオビトリノフンダマシが巧みに姿を隠していました。鳥の糞に擬態していると言わ
れるクモです。鳥の糞の白い部分(尿酸)まで似せる芸の細かさです。

 
 

             今日のことば

木を植える
それはつぐなうこと
わたしたちが根こそぎにしたものを

木を植える
それは夢見ること
子どもたちのすこやかな明日を

木を植える
それは祈ること
いのち宿る太古からの精霊に


谷川俊太郎

2012.07.26

牧草地の青空  アカハナカミキリ

  2012.07.26 Thursday

 今日の不二聖心は真夏の暑さをたっぷり味わえる一日でした。牧草地も晴れ渡り、緑と青
のコントラストが実に美しかったです。


 

 

 今日はアカハナカミキリによく出会う一日でした。下の2枚目の写真は牧草地横の林で撮
った写真で、3枚目の写真は校舎の裏の道で撮りました。アカハナカミキリには白い花に集
まる習性があります。
アカハナカミキリについては、1956年に西尾美明氏が地理的分布についての論文を書い
ています。その最後にある、興味深い一節を以下に引用します。

 

アカハナカミキリは、中部支那や北アフリカの山地には現在隔離分布の状態で棲息している
が、第四紀には現存する寒地性昆虫類の分布が遥かに南方まで及んでいたことが知られてい
るから、これらはその当時の残存群と推定される。

 


 

 
今日のことば

    わたしは、木を伐るのに忙しくて、斧を見るひまがなかった。

 
ある実業家の言葉

2012.07.25

中2自然教室  カジカ  ハエドクソウとコシボソハナアブ

  2012.07.25  Wednesday

 中学2年生は今日、自然教室から帰ってきました。聖心丹沢学舎の近くを流れる中津川で
「生き物調査コンテスト」を行いましたが、絶滅危惧種のカジカをつかまえた生徒もいまし
た。2枚目の写真は大喜びする生徒たちの写真です。清流のシンボルとの貴重な出会いでした。


  

 ハエドクソウが今年も裏道で咲き始めました。訪花しているのはコシボソハナアブです。
不二聖心では、他に雑木林でも校舎の裏の道でもハエドクソウが見られます。それぞれの場
所における送粉者の違いを調べたら面白いかもしれません。


 

                 今日のことば

生物多様性にとって人間の存在は不要、もしくは有害な存在に過ぎませんが、人間にとって
生物多様性はなくてはならない存在だということです。

                                 五箇公一

2012.07.23

雑木林の青空  ワラビとヒメコガネ

  2012.07.23  Monday

 昨日から高校1年生のキャンプが始まりました。今日は、これから中学2年生が自然教室に出発します。
ここ数日、曇りの日が続きましたが、ようやく青空が戻ってきました。


 

 雑木林の林縁のワラビをヒメコガネがむさぼるように食べていました。ビタミンを分解する酵素を含むシダ植物を好んで食べる生物は少なく、ワラビも茂り放題の状態ですが、いくつかの種類のコガネムシは好んでワラビを食べます。下の写真の右側が一般的なヒメコガネで構造色の美しい緑色をしています。左側はヒメコガネの個体変異と思われます。

 


今日のことば

自然にたいする知識や、私たちの生が深く自然に根ざしている感じを子供たちに伝えるためには、まず大人が自然を見直してみる必要があるだろう。個人個人のもっている、幅は広いけれども断片的な知識、体系的でない知識を、ひとつの統一的な自然観に整理し、位置づける必要があるのではないだろうか。もう一度、野や山を歩いて、自然の美しさ、すばらしさ、楽しさを再発見し、日本の自然、日本の風土に新鮮な眼をひらく必要があるだろう。

                                  日浦勇

2012.07.22

ムラサキシジミの幼虫とアブラムシ

 

 2012.07.22 Sunday
  クヌギの葉の上にムラサキシジミの幼虫を見つけました。ムラサキシジミの成虫はこれまでに何度も不二聖心で確認していていますが、幼虫は初めての発見となります。ムラサキシジミの幼虫は甘い蜜をアリに提供し、その見返りとしてアリに外敵から自分を守ってもらっています。幼虫についているのはアブラムシで、こちらも甘い蜜を出すことによってボディーガードのアリを引き寄せています。両者は協同して身を守っている可能性があるのです。

今日のことば

現代の人間たちは、大きなシステムに依存して生きる社会をつくりだした。ところがその巨大なシステムがいまでは文明の災禍を発生させるようになった。こうして私たちは、巨大システムを元に戻し、それに依存する社会を復旧させるのか、それとも人間が制御しうる社会、人間たちの等身大の関係が主導権を握れるような社会を再創造するのかを問わなければならなくなった。私は復興は後者の道だと考えている。

内山節  

2012.07.21

クサカゲロウの幼虫  コシロシタバ

  2012.07.21 Saturday

 今日は、お茶畑の中を通って雑木林の様子を見に行きました。「夏休み子供自然体験教室」で歩く予定のコースとほぼ同じコースです。
お茶畑でお茶の葉の先に何やら動く物体を見つけました。よく見ると、それはクサカゲロウの幼虫でした。ゴミを体につけて擬態していますが、写真には頭部と脚が写っています。
雑木林ではコシロシタバに今年初めて出会いました。8つの県で、絶滅危惧種か準絶滅危惧種に指定されている希少種です。一見地味な蛾ですが後翅の下には、美しい模様の前翅が隠れています。

 

 

今日のことば

太陽

そして



やまびこ

ああ 一ばん ふるいものばかりが
どうして いつも こんなに
一ばん あたらしいのだろう

                     まどみちお

2012.07.20

鹿の親子  鹿の食害

  2012.07.20 Friday

 今朝、聖心橋の手前のカーブを曲がったら、いきなり目の前に鹿の親子が現れました。
あわてて車の中からシャッターを押しましたが、鹿はすぐに姿を消してしまいました。
7月4日に植樹を行った「共生の森」では、すでに鹿の食害が発生しています。特にマユミの木の被害はひどく、ほとんど枝だけしか残っていません。現在、無毒の忌避剤の導入を検討しています。



 

今日のことば


自然を守る運動は、初めはその破壊に対する告発から始まり、次に自然を守るための規制を要求するようになる。だがその地点でとどまっていることも、また許されない。なぜなら自然を破壊するものは、具体的契機としては、開発や自然の改造であるとしても、その基礎には、私たちの近代から現代にかけての歴史と、その精神がよこたわっているからである。
だから私は人間の理性の力で森を守ろうとすることにも躊躇する。今日の人間の理性とは、現代社会の精神と分かちがたいものでしかない。
恐らく森は、人間たちの営みの確かさをとおしてしか守れないであろう。森とともに暮らす人々の営み、そしてそんな人々を支えていく私たちの営み。そのさまざまな営みが、永遠に循環し続けるように展開していく森の時空とともにあるとき、森は永遠である。

                                  内山節

2012.07.19

ヤマユリ  ニイニイゼミの羽化

  2012.07.19 Thursday

 校舎の裏の道でヤマユリが咲き始めました。不二聖心にはたくさんのヤマユリが自生し、夏の自然に豊かな彩りを添えています。
ヤマユリのすぐ横では、ニイニイゼミが羽化していました。昨日の「夏休み子供自然体験教室」生徒スタッフ事前研修でも一人の生徒がニイニイゼミの抜け殻を見つけました。ニイニイゼミはおそらく夏の不二聖心で見られる、最も個体数の多いセミです。



 

 

今日のことば

 

 ある日のこと、わたくしは幾人かの子どもたちと、麦のよくのびた田んぼ道を話しながら
歩いていました。すると一人の子どもが、ちょろちょろと麦畑のなかへ走っていきました。
何をしにいったのだろうかと思って残っている子どもたちにきくと、ひばりの巣を見にいっ
たのだそうです。その子の見つけておいたひばりの巣が、その麦畑のなかにあるのだそうでした。
その子どもはまもなく帰ってきました。そして、
「あったか」
ときく子どもたちに、
「あった」と嬉しそうに答えていました。
そのうちに頭の上へ低く一羽のひばりがおりてきました。それをみてさっきの男の子は、
「あれはおれのひばりだ」
とお友だちに話していました。これは、
「あのひばりがおれの見つけておいた巣の親鳥だ」
という意味なのですが、それをその子はいかにもあたりまえのようにいうのですから、私は
すっかりびっくりしてしまいました。
この時期になると、田舎の子どもたちは、だれでも一つや二つの「自分のひばりの巣」を
持っていないものはありませんでした。そして一度だれかが見つけた巣は、もう誰も手をだ
すことはできないのです。それが子どもたちのなかまのきまりなのです。子どもたちのなか
までは、そういうきまりがしっかりと守られているのです。「あれは誰ちゃんの巣」という
ことを、誰も誰もが知っているのです。

       

                                 斎藤喜博

2012.07.18

ツノトンボ  夏休み子供自然体験教室生徒スタッフ事前研修

  2012.07.18 Wednesday

 今日は「夏休み子供自然体験教室」の生徒スタッフの事前研修を行いました。すすき野原を歩いていたら、絶滅危惧種のツノトンボに出会いました。写真の後ろに写っているのはナワシロイチゴの実です。暑い午後の研修でしたが、野イチゴで喉の渇きを癒しながら生徒たちは研修に励んでいました。

 

 
 

                     今日のことば

あの丸木橋をわたると
だれもいそがない 村がある
まめのつるに まめのはな
こうしのつのに とまる雲
そのままで そのままで
かげぼうしになる 村のはなし
                 岸田衿子

2012.07.17

タケニグサの花とミツバチ

  2012.07.17 Tuesday

 タケニグサの花が裏の駐車場で咲き始めました。目立つ花ではありませんが、思いのほか、多くの命を養っている花です。今日はセイヨウミツバチが賑やかに羽音を立てていました。


 
 

 
今日のことば

 実際に生きている人間の直感の方が、科学的知を超えて物事の本質に迫る瞬間がある。

                                高木仁三郎

2012.07.16

カヤキリ

 

 2012.07.16 Monday

 不二聖心女子学院主催の「夏休み子供自然体験教室」の活動場所に予定されている第1牧草地でカヤキリの幼虫の写真を撮りました。カヤキリは日本最大のキリギリス科の昆虫で、全国各地で生息数が減少しています。幼虫がなぜこのように体を真っ直ぐに伸ばしているのか、理由はわかりません。
夏休み子供自然体験教室では、成虫となったカヤキリが野趣にあふれた鳴き声を聞かせてくれることを期待しています。

 

今日のことば

 朝日新聞社の新刊『すりへらない心をつくるシンプルな習慣』(心屋仁之助著)に、「嫌
な出来事のあとに『おかげで』をつけてみる」という助言があった。あの失敗のおかげで今
がある、という風に。
著者いわく「チャンスはピンチの顔をしてやってくる」。その時は辛くても、何かの肥やし
になったと後で思える体験は多い。すべては癒やせないにせよ、心の古傷に前向きな意味を
与え、一歩を踏み出したい。
「天声人語」(2012.07.16)より

2012.07.15

エサキモンキツノカメムシ

 

 2012.07.15 Sunday
「共生の森」に向かう坂道の途中で、背中のハート模様が特徴的なエサキモンキツノカメムシの写真を撮りました。エサキモンキツノカメムシという名前は昆虫学者の江崎悌三にちなんでつけられました。このカメムシは6月の下旬になるとミズキの葉の裏に30個~60個の卵を産み、メスはその卵を自分のからだの下において保護します。卵が孵ってからもからも親はしばらく幼虫のそばを離れません。つまりこのカメムシは子育てをするカメムシなのです。

 

 
今日のことば

実生活を生き抜くことで、生を濃密なものにしていけばよい。  加藤治郎

2012.07.14

コマツナギ  ネジバナとハナバチ

  2012.07.14 Saturday

 コマツナギが花を咲かせ始めました。山形県で絶滅危惧Ⅱ類に指定されているのをはじめとして各地で数を減らしつつある植物です。花の一つ一つはとても小さいですが、その大きさにぴったりあった双翅目の昆虫が訪花していました。

こちらはネジバナです。ネジバナはラン科の植物で、小さな花の一つ一つがランの花の特徴を備えています。こちらにはハナバチがやってきていました。
どんな小さな花であってもそれに合った送粉者がいることに驚きます。

 

今日のことば

わたしも
いちまいの葉にすぎないけれど
あつい血の樹液をもつ
にんげんの歴史の幹から分かれた小枝に
不安げにしがみついた
おさない葉っぱにすぎないけれど
わたしは呼ばれる
わたしは呼ばれる
わたしだけの名で 朝に夕に

だからわたし 考えなければならない
誰のまねでもない
葉脈の走らせ方を 刻みのいれ方を
せいいっぱい緑をかがやかせて
うつくしく散る法を
名づけられた葉なのだから
考えなければならない
どんなに風が強くとも

               「名づけられた葉」(新川和江)より

2012.07.13

中学1年理科の授業 夏の校庭の観察   ウスバキトンボ

  2012.07.13 Friday

 7月12日の中学1年生の理科の授業で小野加代子教諭の指導のもと、夏の校庭の観察が行われました。
春の観察との違いの発見をテーマに行われた授業では、ツユクサを発見したり蝉の鳴き声を聞いたりすることができました。気温は28.9℃、湿度69%で教室にいるよりも気持ちよく感じられました。


 

  「あっ、シカの足跡だよ。この跡をたどるとシカに遭えるかも」

   秋の観察ではどんな変化が見られるか楽しみです。

 昨夜は真夜中まで大雨警報が発令され続ける大荒れの天気となりました。裏の駐車場では今朝、雨にぬれた羽を乾かすウスバキトンボの姿が見られました。ウスバキトンボは世代交代を繰り返しながら北を目指し、9月頃には北海道までたどり着きます。最後は寒さで死んでしまうのですが、それがわかっていながら何故ひたすら北を目指すのかは謎です。

 

今日のことば

地球のこよなき美しさは、生命の輝きのなかにあり、それはすべての花びらに新しい思考を
生みおとす。われわれは、美しさに心を奪われている時にのみ、真に生きているのだ。他は
すべて幻想であり、忍耐に過ぎない。

                        リチャード・ジェフェリーズ

2012.07.12

ナナフシ  ナナフシ茶

  2012.07.12 Thursday


昨日は印象に残る出来事がいろいろあった一日でした。帰宅する時には坂道で子ダヌキに出会いました。子ダヌキは、車を見て一度は茶畑に隠れたものの、声をかけるとまた顔を出しました。再び木の中に隠れてからもしばらく鳴いていました。野生の子ダヌキの声を聞いたのは初めてです。
昼間、驚いたのは職員室の網戸についていたナナフシです。その大きさに職員室はちょっとした騒ぎになりました。

 

 5月4日には、まだクヌギの葉の上にちょこんと乗るほどの小ささでした。
 

 

               今日のことば

ナナフシは雑木林のまわりにいることが多く、コナラ、クヌギ、サクラ、ケヤキなどいろい
ろな木の葉を食べる。この細長い枝のような虫が歩くとグロテスクに見え、何か変わったも
のを食べると想像する人が多いせいか、葉しか食べないというと逆に驚かれるが、孤独を楽
しんで静かにくらしている。そういえばマレーシアではナナフシを飼って、その糞を乾かし、
熱湯をそそいで「お茶」にして飲むという話を聞いた。ナナフシ茶とは粋である。     

                       『昆虫ノート』(矢島稔)より

2012.07.11

セダカシャチホコ  スカシバ

  2012.07.11 Wednesday

  雑木林でセダカシャチホコの写真を撮りました。幼虫はクヌギの葉を食べ、自分の糞を投げるというユニークな習性を持っています。

 職員室の近くの中庭ではクチナシの葉を食べるスカシバの幼虫を見つけました。

 このように多くの昆虫はそれぞれの食草を持っていて、そこから生き物同士のさまざまなつながりが生まれていきます。

 

                今日のことば

  庭の菊をとりに出て

  ふと南の山を見ている。

  空は澄みわたって

  鳥ふたつ、つれそって

  林に帰ってゆく。

  こういうひとときにはなにか

  永遠の真理があると感じるが

  それがなにかは

  どうも言えんのだよ。

 

                    陶淵明「飲酒」(加島祥造訳)より

2012.07.10

「共生の森」の記事  ヒグラシ  サンショウ

  2012.07.10 Tuesday

 
  高1の総合学習で行っている森づくりについての記事が岳麓新聞に載りました。 

 
次の写真は今朝の「共生の森」の様子です。今日もヒグラシが支柱にとまっていました。
サンショウの写真の葉先が丸まっているのがわかるでしょうか。いつのまにかクモがサンショウの葉を利用して巣を作っていたのです。一つの環境の豊かさを判断する時、そこに生息するクモの種類の多様性も重要な指標になります。
 

 

  
今日のことば

     未来が其の胸中に在る者、之を青年と言う。

                              植木枝盛

2012.07.09

ヒメコバチ  キコガサタケ

  2012.07.9 Monday

  先週から不二聖心で大発生している虫の正体が専門家の協力によって明らかになりました。
どうやらコバエではなく、ヒメコバチ科(Eulophidae) の「フカイウスマユヒメコバチ」の近縁種であるようです。ヒメコバチは寄生蜂ですので、寄主もまたどこかで大量発生している可能性があります。下の画像は顕微鏡写真で体長は約2.5mmです。


 

キャンプ場の芝地に華奢なきのこが多数発生しています。キコガサタケというきのこです。

 

               

                     今日のことば

あなたのそばにいる貧しい人、弱い人、さみしい人を心から大切にしてあげてください。
いじわるな子、おやつを食べてしまった小さな弟、おこりんぼのおとなりのおばちゃん。
この人達に、腹を立てないで、やさしくほほえみを向けてください。
                               マザー・テレサ

2012.07.08

ムラサキカタバミ  コクワガタ

  2012.07.08 Sunday

 今日は「夏休み子供自然体験教室」で歩く予定のコースの下見をしてみました。先ずはお茶畑を通って雑木林へと向かいますが、お茶の木の周りにはたくさんのムラサキカタバミが咲いていました。
雑木林では今年初めてクワガタの姿を目にしました。コクワガタのオスでしたが、クワガタやカブトムシが見られるようになると、いよいよ夏本番という感じがします。


 
 


今日のことば

 この道を行けば、どうなるものか。迷わず行けよ、行けば分かるさ。
アントニオ猪木

2012.07.08

ムラサキカタバミ  コクワガタ

  2012.07.08 Sunday

 今日は「夏休み子供自然体験教室」で歩く予定のコースの下見をしてみました。先ずはお茶畑を通って雑木林へと向かいますが、お茶の木の周りにはたくさんのムラサキカタバミが咲いていました。
雑木林では今年初めてクワガタの姿を目にしました。コクワガタのオスでしたが、クワガタやカブトムシが見られるようになると、いよいよ夏本番という感じがします。


 
 


今日のことば

この道を行けば、どうなるものか。迷わず行けよ、行けば分かるさ。
                            アントニオ猪木

2012.07.07

ニイニイゼミの抜け殻  キタテハ(夏型)

  2012.07.7 Saturday

  昨日は「共生の森」でヒグラシの抜け殻を見つけましたが、今日はヤマブドウの支柱にニイニイゼミの抜け殻が付いているのを見つけました。ヒグラシの抜け殻と比較して透明度がなく殻全体を土が覆っています。昨年まで中学3年生の国語の教科書に載っていた「岩に爪たてて空蝉泥まみれ」(西東三鬼)の句の「空蝉」はニイニイゼミと考えて間違いないのではと思います。

 

「共生の森」でキタテハ(夏型)の写真を撮りました。6月10日にもキタテハ(夏型)を紹介しましたが、それよりも翅の模様の黒が濃いように感じます。 


 

               

              今日のことば

「見よ、この大地を! 三十九億年の地球の生命の歴史と巨大な太陽のエネルギーの下での
生命のドラマが目の前にある。まず現場に出て、目で見て、匂いを嗅いで、舐めて触って調
べろ! 現代人には二つのタイプがある。見えるものしか見ないタイプと、見えないものを
見ようと努力するタイプだ。きみは後者だ。現場が発しているかすかな情報から見えない全
体を読み取りなさい」

                    『三十光年の星たち』(宮本輝)より

2012.07.06

ヒグラシの羽化

  2012.07.6 Friday

「共生の森」に高校1年梅組4班の生徒が植えたスダジイの木でヒグラシが羽化していました。
他にも別に2匹、ヒグラシの羽化を確認しました。「共生の森」がヒグラシの鳴き声に満ちる日が間もなくやってくることでしょう。
羽化したてのヒグラシの透き通るような緑色に深い感動を覚えました。


   
 
 


今日のことば

生まれるに時があり、死ぬに時がある。泣くに時があり、笑うに時がある。神は全てのもの
を時に適ったものとして美しく造った。
                             「伝道の書」より

2012.07.05

クリ  ブルーベリー

  2012.07.5 Thursday

  いつの間にか栗の実が育ち始めていました。「栗花落」と書いて「つゆり」さんと読む名字の方がいらっしゃいますが、「つゆり」は「梅雨入り」を意味しています。栗の花が落ちる頃、梅雨が始まるというところから生まれた名字です。栗の花が落ちるのが梅雨入りの合図なら、栗の実ができ始めるのは梅雨明けが近いことを示していると言ってもいいかもしれません。
梅雨の晴れ間の「共生の森」ではブルーベリーの実が静かに輝きをはなっていました。

 

                今日のことば

「人間に出来ることなんて、そんなたいしたことじゃないんだよ。みんなは、木村はよく頑
張ったって言うけどさ、私じゃない、リンゴの木が頑張ったんだよ。これは謙遜なんかでは
ないよ。本気でそう思ってるの。だってさ、人間はどんなに頑張っても自分ではリンゴの花
のひとつも咲かせることが出来ないんだよ。手の先にだって、足の先にだって、リンゴの花
は咲かせられないのよ。そんなことは当たり前だって思うかもしれない。そう思う人は、そ
のことの本当の意味がわかっていないのな。畑を埋め尽くした満開の花を見て、私はつくづ
くそのことを思い知ったの。この花を咲かせたのは私ではない。リンゴの木なんだとな。主
人公は人間じゃなくてリンゴの木なんだってことが、骨身に染みてわかった。それがわから
なかったんだよ。自分がリンゴを作っていると思い込んでいたの。自分がリンゴの木を管理
しているんだとな。私に出来ることは、リンゴの手伝いでしかないんだよ。失敗に失敗を積
み重ねて、ようやくそのことがわかった。それがわかるまで、ほんとうに長い時間がかかっ
たな」 
                             『奇跡のリンゴ』より

2012.07.04

「共生の森」に植樹  ナナカマド  ザトウムシ

  2012.07.4 Wednesday

  
NPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々の協力を得て、高校1年生が「共生の森」に約50本の苗木を植樹しました。樹種も多様で、ナナカマドやブルーベリーなど、今まで不二聖心では見られなかった木もたくさん植えることができました。
生徒たちは木を植えながら、いろいろな生物を観察して楽しんでいました。写真に写っているクモのような生物はザトウムシでダニに寄生されている様子もよくわかります。


 
 
 

                今日のことば


やはり、何かにひざまずく心がないといけませんね。日本人は太古の昔から、人間なんて自
然のほんの一部だと、非常に謙虚だった。人間と自然が一体になった日本の自然観は、今後
ますます大事になっていくでしょう。だから日本が、この素晴らしい文化を世界に広めてい
くことこそが、大きな国際貢献になる。どしどし世界に発信していくべきだと思う。

                                 藤原正彦

2012.07.03

白髪太郎の繭 スカシダワラ

  2012.07.3 Tuesday

  
NPO法人「土に還る木・森づくりの会」副代表の小松豊さんから、6月29日の「不二聖心のフィールド日記」について、質問をいただきました。それは次のような内容でした。

先日「不二聖心フィールド日記」に白髭太郎が紹介されていましたが、小生が幼児期にシナンタロウという毛虫が栗の木やサルスベリの木に大量発生し、腸を取り出し、釣り糸に使った経験があります。白髭太郎とシナンタロウは同一の毛虫でしょうか。ご教示下さい。

シナンタロウが白髪太郎を指すことは間違いなく、これは貴重な情報をいただいたと感動しました。さらに詳しくうかがったところ、小松さんは白髪太郎から採り出した糸で実際にハヤやウグイを釣った経験がおありになるというのです。何という豊かな生活体験かと思います。
できれば小松さんに糸の採り方を習いたいと思って、白髪太郎を採りにいったところ、すべて繭を作り終えていました。この繭は中が透けて見えるところから「スカシダワラ」と呼ばれます。
たった1週間で自然界は全く姿を変えてしまっていました。


 

 

               今日のことば

         自然との共感は、完全な健康の証拠である。
                                                     ヘンリー・ソロー

2012.07.02

ハナアブ  ラミーカミキリ

  2012.07.02 Tuesday

  
クレオメの花に来ているハナアブの写真を撮りました。専門家の方に同定していただいたところ、ミナミヒメヒラタアブSphaerophoria indianaかホソヒメヒラタアブS. macrogasterの♀であることがわかりました。両者の♀は,斑紋や体形に個体変異と温度環境による変異があるため同定は困難で、概ね、体長7mmを超えるものをミナミヒメヒラタアブ、体長6mm以下のものをホソヒメヒラタアブとしているということです。

 今年もまたラミーカミキリを見かける季節となりました。あるカルタに「胸の模様が目玉のようなラミーカミキリ」という読み札がありました。たしかに目玉のように見える模様です。


 

 

               今日のことば

植物にせよ、小鳥にせよ、又昆虫にせよ、私は其の姿を見て其の名を口にし、其の名によっ
て其の姿を思い出せるようになりたい。それは彼等と一層親密な関係に入りたいが為である。
(中略)無知は無縁の兄弟である。愛する事によって一層よく理解し、理解する事によって
一層深く愛する事を学ぶのは、幸福の最も静かな又最も純なるものではあるまいか。 
                                                                           尾崎喜八

2012.07.01

「共生の森」のクレオメ

 

 2012.07.1 Sunday
いよいよ7月に入りましたが、今日も不二聖心ではモリアオガエルがよく鳴いていました。
  
誰も種を播いていないのに「共生の森」にクレオメの花が咲きました。生命力あふれるクレオメの蜜は虫にとっても魅力的らしく、さまざまな昆虫が訪花しています。


 
今日のことば

ある年の夏の終わり、楢の倒木の横を通り過ぎたとき、目の隅に何かがとまった。音を立て
ないようにゆっくりと向きをかえた。朽ちかけた木の襞に、ルリボシカミキリがすっとのっ
ていた。嘘だと思えた。しかしその青は息がとまるほど美しかった。(中略)こんな鮮やか
さがなぜこの世界に必要なのか。いや、おそらく私がすべきなのは、問いに答えることでは
なく、それを言祝ぐことなのかもしれない。
福岡伸一

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