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フィールド日記

2012年10月

2012.10.01

生徒がコオロギの卵を持ってきてくれました

  2012.10.1 Monday

                                     
台風17号が接近中に不思議なことがありました。ハチ目ミフシハバチ科のルリチュウレンジが
ツツジの植え込みの上で乱舞していたのです。簡単には数えられないほどの瑠璃色のハチが宙を
舞うのを初めてみました。台風の接近と何か関係があったのか、気になります。


 
台風の被害を心配しましたが、蕎麦畑の花は今日もしっかり咲いていました。早朝にはその近く
をエンマコオロギが歩いていました。その姿を見て、先週、中学年生の生徒がエンマコオロギの
卵を持ってきてくれたことを思い出しました。


 

 
今日のことば

 中国の書店で日本人著者の書物が引き揚げられたことについて、僕は意見を述べる立場にはない。
それはあくまで中国国内の問題である。一人の著者としてきわめて残念には思うが、それについて
はどうすることもできない。僕に今ここではっきり言えるのは、そのような中国側の行動に対して、
どうか報復的行動をとらないでいただきたいということだけだ。もしそんなことをすれば、それは
我々の問題となって、我々自身に跳ね返ってくるだろう。逆に「我々は他国の文化に対し、たとえ
どのような事情があろうとしかるべき敬意を失うことはない」という静かな姿勢を示すことができれば、
それは我々にとって大事な達成となるはずだ。それはまさに安酒の酔いの対極に位置するものとなるだろう。
安酒の酔いはいつか覚める。しかし魂が行き来する道筋を塞いでしまってはならない。
その道筋を作るために、多くの人々が長い歳月をかけ、血の滲むような努力を重ねてきたのだ。
そしてそれはこれからも、何があろうと維持し続けなくてはならない大事な道筋なのだ。

                                 村上春樹