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フィールド日記

2013.09.15

ナンキンハゼ  長崎の夜景

 2013.09.15 Sunday

3泊4日の長崎祈りの会旅行に行ってきました。
長崎で最もよく目についた木はナンキンハゼでした。原爆の被害を受けた長崎に再び緑を取り戻すために強い生命力を持ったナンキンハゼが数多く植えられたのだというバスガイドさんの説明がありました。

 


 
 

3日目は国宝の大浦天主堂を見学したあとで班別の研修となりました。


 
充実した活動を終えて最後の夜を迎えましたが、この日も実に美しい長崎の夜景(世界三大夜景)を見ることができました。


 

今日のことば

おさな児の寝息安けし宿題の8の字半ば書きかけしまま

永井隆

2013.09.14

長崎祈りの会旅行  出島とキマダラカメムシ

2013.09.14 Saturday

 3泊4日の長崎祈りの会旅行に行ってきました。

爆心地に近い土地に建つ浦上天主堂での祈りからプログラムはスタートしました。信徒の方のたいへん貴重なお話をうかがう機会に恵まれましたが、講話の冒頭で、前もってお送りした事前学習の資料に対して、「このような準備をしてきた生徒ははじめてです。私は力が湧いてきます。」という評価をいただきました。事前からの生徒の真剣な取り組みの姿勢は長崎に来て次々に実を結び、生徒一人一人に大きな変化をもたらす、かけがえのない祈りの会旅行となりました。
原爆の被害について深く理解し、隠れキリシタンの信仰に思いをはせ、長崎の風土と歴史にふれた祈りの会旅行は、出島の見学と中町教会のミサで閉じられました。


 

出島には、「ケンペル・ツュンベリー記念碑」がありました。これは、商館医のシーボルトが同じく商館医として来日したケンペルとツュンベリーの偉業を顕彰して建てた記念碑です。

ツュンベリーは博物学の功績も大きく、キマダラカメムシの命名者としても知られています。キマダラカメムシは1770年代に出島で初めて発見されたカメムシで、貿易の品に付いて東南アジアなどの南方から日本にもたらされた可能性の高いカメムシですが、今では温暖化によって生息域を徐々に北に広げており、温暖化指標の昆虫としても知られるようになりました。そのキマダラカメムシの成虫と幼虫に「シーボルト里帰り植物」のコーナー(シーボルトがジャカルタを経由してオランダに送った植物の中から日韓交流400周年を記念して日本に里帰りさせた植物を見ることができるミニ植物園)で出会いました。元祖キマダラカメムシとの出会いに深い感動を覚えました。

今日のことば

おさな子は母の口ぐせそのままをこけし抱きしめ言いきかせおり

永井隆

2013.09.09

ベニバナボロギク  ナツアカネ

 2013.09.09 Monday

 9月6日にNPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々に「共生の森」の草刈をしていただきました。アレチノギクやヨウシュヤマゴボウが茂っていた風景が一変しました。心から感謝申し上げます。


 

  今年の「共生の森」付近はベニバナボロギクが目立つように感じます。植物の遷移の仕組みがどのように関係しているのか、興味深いです。

 

 ナツアカネの顔がすっかり赤くなっていました。赤とんぼの赤が濃さを増すとともに日本の秋は深まっていきます。

 明日から高校2年生の祈りの会旅行で長崎に行ってきます。生徒とともにたくさんのことを学んできたいと思っています。

今日のことば

 長崎には沢山の離島があります。そこには、小さな生活で満足している人がいます。そこでは宗教的に正しい生活をしている人が多いようです。例えば、「愛」はそのようなところに多いと言えるでしょう。
教会のことで離島に行ったことがあります。そこの神父に、地元の人と話したい、どこの家の人と話せばいいか、と尋ねました。その時そこの神父は、それでは家に行かないで畑で話しなさい、とおっしゃるのです。なぜかと言えば、あなたがその人の家に行けば、そこの人はあなたに出すコカ・コーラのことを心配しなければならない、と言うのです。
このようなつつましい生活をしている人たちに、正しい生活をしている人は多いです。

結城了悟  

2013.09.05

フウセンタケ科チャツムタケ属のキノコ

2013.09.05  Thursday

 プールの近くに謎のキノコが出現しました。切り株の上に発生した白い傘のキノコでしたが、何人もの生徒から質問されたので、専門家の方に同定を依頼してみました。残念ながら種の同定には至りませんでしたが、フウセンタケ科チャツムタケ属のキノコらしいということはわかりました。フウセンタケと言えば、国立科学博物館に収められている南方熊楠の素晴らしい、フウセンタケ属のキノコのスケッチを思い出します。

http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/art_review/20/big/07.html


 

今日のことば

すばらしいことが
あるもんだ
ノミが
ノミだったとは
ゾウでなかったとは

まどみちお

2013.09.03

クチナシとオオスカシバの幼虫

2013.09.03 Tuesday

 クチナシの葉にオオスカシバの幼虫がついていました。若齢幼虫と終齢幼虫がついている葉もあって、たいへんな勢いでクチナシの葉を食べています。オオスカシバの成虫はよくマリアガーデンでアベリアの蜜を吸っています。 
 

今日のことば

時間の使い方は、そのまま、いのちの使い方なのですよ。置かれたところで咲いてください。

渡辺和子  

2013.09.01

オオゲジ

 

2013.09.01 Sunday

久しぶりにオオゲジの姿を見かけました。日曜日の日本経済新聞に連載されている「都会のオアシス皇居」で、2012年11月25日にオオゲジが取り上げられました。その中に、皇居はオオゲジの貴重な生息場所であるという記述がありました。この少々不気味な姿の生き物も不二聖心の環境の良さを示していると考えることができます。

今日のことば

オオゲジ(「都会のオアシス皇居」より)

15対、30本の脚で素早く動くオオゲジ。国立科学博物館の調査で夜、皇居吹上御苑の大木を懐中電灯で照らすと幹に10匹前後が群がっていることがあるという。ゲジゲジとも呼ぶ通常のゲジに比べ、大きさは2倍ほど。体長5センチメートル程度が多いが。長い脚を伸ばすと約15センチメートルに及ぶこともある。
湿り気があり暗くて隠れやすい森や海辺の洞窟などを好み、小さな昆虫を捕食する。環境の変化にあまり強くないデリケートな面もあり、コンクリートに覆われた都市では見かけなくなった。皇居は都心に残された貴重な生息場所だ。
見た目は不気味だがおとなしい。1996~2000年度の第1期調査の報告を受けた天皇陛下と紀宮さまは、オオゲジのことをよくご存じだった。「嫌われがちな動物にも目を向けられていることに感銘を受けた」と調査に参加した石井清・獨協医科大教授は振り返る。

安藤淳  

2013.08.29

クズの花とウラギンシジミの幼虫

 2013.08.29 Thursday

猛暑の影響もあるのか、今年はクズの花の開花状況が例年以上に良いように感じます。不二聖心の校内でも東名高速沿いのクズの群落ではたくさんの花が咲いています。

 

クズの花を食べるウラギンシジミの幼虫もよく見かけます。擬態しているためになかなか見つけることのできない幼虫を次々に発見することができました。

今日のことば

多くの場合、「自分探し」は時間の無駄である。虚構の自分を探し歩くより、日々自分がなすべきこと、目の前にあることを一つ一つ丁寧にこなしていくなかに真の悟りがある。

斎藤兆史  

2013.08.26

キアゲハ  ゴミグモ

 2013.08.26  Monday

牧草地で吸蜜するキアゲハを見つけました。キアゲハの幼虫の食草であるセリ科の植物が豊富な不二聖心では、このような風景を時々目にすることができます。

東日本大震災の被災者をサポートする「きらきら星ネット」という団体が支援する福島の小学生に不二聖心の自然を案内しました。下の写真はその時に一緒に見たゴミグモの写真です。ゴミの中央に自分の身を隠すクモの擬態の見事さに小学生は感動の声をあげていました。

今日のことば

木を植えることは、私たちのこころの中にも木を植えることである。そして人類と地球上のすべての生き物の未来を保障することである。

宮脇昭  

2013.08.24

赤紫のゲンノショウコ  ササキリの成虫

 2013.08.24  Saturday

牧草地の脇の道に赤紫のゲンノショウコが咲いていました。ゲンノショウコは赤紫の花が西日本に多く、白い花が東日本に多いと言われますが、不二聖心では、両方の花を見ることができます。

 


 ササキリが成虫になりました。東北南部以南に生息する昆虫です。


 

動植物の地域ごとの生息状況の違いを知ると日本列島の広がりが見えてきます。

今日のことば

名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実一つ

故郷(ふるさと)の岸を 離れて
汝(なれ)はそも 波に幾月(いくつき)

「椰子の実」(島崎藤村)より

2013.08.23

ナンバンギセル  ツチイナゴ

 2013.08.23 Friday

すすき野原で次々にナンバンギセルが開花しています。ナンバンギセルはススキに寄生する植物として知られていますが、寄主はススキだけとは限りません。画像を見るとササの根の近くからナンバンギセルが生えていることがわかります。


 
ツチイナゴの幼虫も少しずつ大きくなってきました。ツチイナゴは「クリスマスのバッタ」とも言われます。クリスマスの頃でもまだ見られ、成虫で越冬するからです。その頃には周りの景色に合わせて茶色の体色に変わっています。ツチイナゴという名前の「ツチ(土)」は成虫の体色の茶色に由来します。

今日のことば

知らないことは罪である。知った時から責任が生じる。

山本美香