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フィールド日記

2019.06.21

ヤマトシリアゲ

第二オークヒルでヤマトシリアゲを見つけました。シリアゲムシの仲間で、和名は腹部の先端を持ち上げた姿に由来しています。英語圏ではscorpionfly(スコーピオンフライ)と呼ばれ、こちらも腹部の先端を持ち上げた様子に着目し、その姿をサソリ(scorpion)に例えています。腹部の先端のはさみはオス同士のけんかや交尾時にメスをつかむのに使われるようです。また、シリアゲムシの仲間は交尾のときに、オスがメスに餌をプレゼントする婚姻贈呈(こんいんぞうてい)と呼ばれる行動をとることが知られています。

2019.06.18

ムネクリイロボタル

ヒノキ林の林縁でムネクリイロボタルを見つけました。名前の通り胸部が栗色の小型のホタルです。水辺に見られるゲンジボタルやヘイケボタルと違って、本種は林縁や林床などに見られます。小さな発光器もあり、持続的に光を放つことができるようです。

2019.06.14

ナルコユリ

校舎裏の斜面にナルコユリが咲いていました。葉腋(ようえき,葉の付け根の部分)から筒状の花が垂れ下がって咲くのが特徴です。和名はこの花の姿を鳴子(なるこ,田んぼに吊り下げて音で鳥を追い払う道具)に見立てています。

2019.06.12

5月の野鳥の調査

日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が5月の不二聖心の野鳥について調査をしてくださいました。調査の報告書が届きましたので、掲載いたします。

5月度の調査で確認された野鳥は下記の通りです。

1.ヤマガラ     5羽
2.キセキレイ    1羽
3.ヒヨドリ     13羽
4.ハシボソガラス   8羽
5.エナガ       5羽
6.カワラヒワ     6羽
7.メジロ      11羽
8.シジュウカラ    4羽
9.ハシブトガラス  15羽
10.コゲラ      5羽
11.アカハラ     3羽
12.アオゲラ     2羽
13.スズメ     1羽
14.ウグイス     7羽
15.ホオジロ     9羽
16.オオルリ    6羽
17.キビタキ      2羽
18.ツバメ        6羽
19.イカル      1羽
20.サンコウチョウ   1羽
21.コジュケイ   4羽
22.ガビチョウ    1羽

【特記事項】
1.朝サンコウチョウの囀りが駐車場で聞かれた。出勤時にサンコウチョウの囀りで出迎えてくれる学校はそうそう無いと思われる。
2.オオルリの巣からヒナが無事に巣立った。
3.エビネが開花した。
4.第二オークヒルのクヌギ林でギンランが開花した。

2019.06.11

トチバニンジン

ヒノキ林の林床にトチバニンジンが咲いていました。和名はトチノキに似た葉をもつ人参を意味します。ここでいう人参とは野菜のニンジン(セリ科)のことではなく、薬用植物として知られるオタネニンジン(ウコギ科、高麗人参や朝鮮人参とも呼ぶ)と近縁であることを示しています。トチバニンジンにも薬用成分が含まれており、生薬として用いられることもあるとのことです。

2019.06.07

アズマイバラ

正門から坂をあがって、聖心橋を過ぎたところの斜面にアズマイバラが咲いています。主幹は太くなく、垂れ下がるように咲くのが特徴です。園芸植物のバラと同じバラ科バラ属で、十数種ある日本のバラの野生種の1つです。


園芸種のバラは花びらが多数ある八重咲きのものが多いですが、野生のバラは基本的に5枚の花弁と多数のおしべをもっています。

2019.06.04

ハコネウツギ

共生の森やオークヒルにハコネウツギが咲いています。花は初め白ですが、しだいに赤く変化します。近縁種にニシキウツギがあり、こちらも名前の通り花が白から赤に変化します。


両者は葉の裏面の毛の量で区別でき、主脈上に毛が少ないものがハコネウツギで、密生するものがニシキウツギです。確かめたところ、毛は散生する程度でしたので、ハコネウツギと判断しました。

2019.05.31

フタリシズカ

クヌギ林の林縁にフタリシズカが咲いています。和名は能の「二人静」に由来し、花穂を静御前とその亡霊の舞姿に見立てたと言われています。実際には花穂は2本に限らず3本以上あることもよくあります。

2019.05.28

トゲアリ

ススキ野原の近くの立木の空洞でトゲアリを見つけました。名前の通り特徴的なトゲをもっています。女王アリが他種のアリの巣穴に侵入し、やがてその巣を乗っ取る一時的社会寄生を行うそうです。

2019.05.24

ヨウラクラン

着生ランであるヨウラクランが咲いています。着生とは文字通り、樹の幹や岩にくっついて生えていることを指します。単に生活の場として樹の幹や岩を利用しているだけで、養分を奪う寄生とは異なります。


茎の先端から伸びた花穂には小さい花が多数輪状についています。花は1mmほどで非常に小さいですが、拡大してみるとランの仲間らしい花の形をしています。