フィールド日記
2011.11.06
テントウムシ
平成23年11月6日 日曜日
テントウムシもそろそろ越冬の準備に入る頃ですが、11月中はまだその姿を見ることができます。
上の写真のテントウムシはセイタカアワダチソウの 花を観察していて見つけました。
これは、種名もテントウムシです。この種は斑紋が多様であることで知られています。
下の写真は6月21日に築山で撮影した ものですが、同じ種とは思えないほどに翅の模様が異なります。
この模様の割合は地域差があると言われます。不二聖心のテントウムシの斑紋を調査したら、
面白い結果が得られるかもしれません。
今日のことば
ほんとうに、自分をすべてのものから
逆らいようもなく、そっとへだてる
暗さを知らない者は
賢くはないのだ。
不思議だ、霧の中を歩くのは!
人生とは孤独であることだ。
ヘルマン・ヘッセ
2011.11.05
アリジゴクの巣
平成23年11月5日 土曜日
ウスバカゲロウの幼虫(アリジゴク)の巣を2か所で発見しました。1か所は特別第3教室の下で、
もう1か所は葡萄園の跡地の一角です。ウスバカゲロウは夏に活動するものと思い込んでいましたので、
これには驚きました。
下の写真が巣の写真ですが、巣作りには物理学の法則が生かされています。
アリジゴクは砂を巣の外に投げたすことで穴を掘っていくのですが、その投 げる角度は約47度で、
物体を最も遠くに飛ばすことができる45度に極めて近いと言われています。
しかも砂の粒子の大きさに応じて投げる距離を調整してい るというのです。
これらのことを知ると穴の見え方がまったく違ってきます。
今日のことば
好きなもの というのは
たいせつ です
わたしのたいせつなものは
「生きていること」です
そのせいでしょうか わたしは
ふしあわせも 愛します
工藤直子
2011.11.04
ホオジロ
平成23年11月4日 金曜日
信じがたいことですが、今日もアブラゼミの声を聞きました。一時的なものではなく、
長い時間鳴き続けていました。かなりの人がその声を耳にしたはずです。
もう一つ、心に残る声を聞きました。ホオジロの声です。桜の木のてっぺんで、何度も何度も鳴いていました。
今日のことば
人間とは常に人間になりつつある存在だ
かつて教えられたその言葉が
しこりのように胸の奥に残っている
成人とは人になること もしそうなら
私たちは日々成人の日を生きている
完全な人間はどこにもいない
人間とは何かを知りつくしている者もいない
だからみな問いかけるのだ
人間とはいったい何かを
そしてみな答えているのだ その問いに
毎日のささやかな行動で
谷川俊太郎
2011.11.03
フェイジョア
平成23年11月3日 木曜日
秋のつどいが無事終わりました。それぞれの個性が十分に発揮されたとても良い秋のつどいでした。
多くのお客様からいただいた励ましとお褒めの言葉を胸に明日からも頑張りたいと思います。
お天気にも恵まれました。青空を背景にお茶畑の間の上を舞うアサギマダラを、
交通整理をしながら目にすることができました。夕方5時頃からマツムシが鳴きはじめたのにも驚きました。
広いお茶畑に響き渡るマツムシの澄んだ声に心が癒される思いでした。
さて、今日も食べられる不二の植物を紹介しましょう。高3の教室の近くに生えているフェイジョアの実が
今食べごろです。パイナップルのような味のする、南国のおいしい果物です。
今日のことば
君の温もりは
宇宙が燃えていた
遠い時代のなごり
君は宇宙
百億年の歴史が
今も身体に流れてる
光の声が
そら高くきこえる
君も星だよ
みんなみんな
COSМOSより
2011.11.03
フユイチゴ
平成23年11月2日 火曜日
フユイチゴの実が赤く色づき始めました。不二聖心では、裏道や林道でたくさんのフユイチゴを
目にすることができます。フユイチゴはキイチゴの仲間の中でもとりわけ美味で、
以前ワインと一緒に煮てジャムを作りましたが、たいへんおいしいジャムになりました。
今日のことば
路傍の石ころは石ころとしての使命をもち、野の草は草としての使命をもっている。
石ころ以外の何ものも石ころになる事は出来ない。草を除いては他のいかなるものといえども、草となり得ない。
だから、世の中のあらゆるものは、価値的に平等である。みんながみんな、それぞれに尊いのだ。
まどみちお
2011.11.01
クロコノマチョウ
平成23年11月1日 火曜日
「秋のつどい」のための椅子並べを12時30からして、講堂の外に出たら蝉が鳴いていました。
11月に蝉の声を聞いたことが今までにあっただろうかと思います。
この間の日曜日には、クロコノマチョウの写真を撮りました。クロコノマチョウは地球温暖化の影響で
生息域を北に広げているチョウです。かつて静岡にはいなかった南のチョウが10月末に飛んでいるという事実を
どのように受け止めるべきなのでしょうか。
今日のことば
コップの大きさ小ささが問題ではなくて、そのコップなりにいっぱいになっている、
それが自己実現ということだと思うのです。
渡辺和子
2011.10.31
ハタケシメジ
平成23年10月31日 月曜日
ハタケシメジの株を見つけました。秋のキノコの中でもとりわけおいしいと言われるキノコで
鍋物に最適だそうです。ハタケシメジの周りにはトゲハネバエなどたくさんの虫が集まってきていました。
人間にとっておいしいものは、他の生き物にとっても同様のようです。
今日のことば
イエスは、思い煩うことからは何も始まらないとさとしておられます。
自らの限界と内なる弱さとを受諾するようにと、わたしたちは招かれているのです。
ブラザー・ロジェ
2011.10.30
アキチョウジ
平成23年10月30日 日曜日
アメリカの東海岸で雪が降り非常事態宣言が出たというニュースをテレビで見ました。
この時期に雪が降るのは、1869年に観測を始めて以来、初めてのことだそうです。
世界的な気候変動との関連の有無が気になります。
森の中の暗がりにひっそりとアキチョウジの花が咲いているのを見つけました。
青色をした葯が印象的な花です。人が訪れることのない場所にこのような美しい花が咲き、
人知れず散っていくのは、何とも惜しい気がします。
県によっては絶滅危惧種に指定している希少種でもあります。
今日のことば
どんなに小さなものを愛してさえ、愛することさえ出来たら、私たちは孤独ではない。
谷川俊太郎
2011.10.30
コウヤボウキとクチナガガガンボ
平成23年10月29日 土曜日
林道でコウヤボウキの花が咲いているのを見つけました。Elephantomyia属クチナガガガンボの1種と
思われるガガンボが蜜を吸いに来ていました。コウヤボウキという名は、高野山でこの植物を用いて箒を
作っていたことから付けられた名前だそうです。
今日のことば
ほんとうに祈ることを望むならば、まず、聴くことを学ばねばなりません。
神は、沈黙のうちにある心に語られるからです。
マザー・テレサ
2011.10.28
ハリガネムシとカマキリ
平成23年10月28日 金曜日
本館の玄関の前でカマキリとカマキリの体から出てきたハリガネムシを見つけました。
ハリガネムシは水中に卵を産み、その卵をカゲロウなどの水生昆虫の幼虫が食べます。
やがて羽化した水生昆虫は陸上でカマキリに食べられます。そこでハリガ ネムシは宿主を水生昆虫から
カマキリに変えます。カマキリに寄生することで自分が生きるための栄養分を得ますが、
子孫を残すためにはまた水辺に帰らなくて はいけません。ハリガネムシは水中で産卵するために、
カマキリを操って水に入らせ、そこでかまきりの体から脱出して水中でまた産卵すると言われています。
写真のかまきりは本館前で誰かに踏まれてしまったようで、最後まで操りきることができなかったようです。
今日のことば
何の為に生まれて 何をして生きるのか
答えられないなんて そんなのは嫌だ。
今を生きることで 熱いこころ燃える
だから君は行くんだ 微笑んで。
やなせたかし