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フィールド日記

2014年10月

2014.10.28

越冬態のいろいろ  ツチイナゴとヤマトシジミ

 「共生の森」でツチイナゴを見つけました。ツチイナゴは成虫で冬を越します。枯葉の中で目立たないように成虫になるにつれて体の色が緑色から茶色に変わっていきます。

ツチイナゴの近くにはヤマトシジミがいました。ヤマトシジミは幼虫で越冬しますので、画像の個体は冬を乗り越えることなく命を終えることになります。


今日のことば

本物の森へ入ろう。そこから受ける恩恵を、物心両面、ありがたくいただこう。そこで身につけた力は、やがて必ず森に還元されていく。                   浜田久美子

2014.10.19

2月の大雪で倒れたクヌギとクヌギとクヌギトゲマダラアブラムシ

2月の大雪で倒れたクヌギの切り株から再び芽が出て、ここまで大きく成長しました。


若い木は生命力があり、それに惹かれてたくさんの生き物が集まってきます。


上の画像に写っているのは、クヌギトゲマダラアブラムシとアブラムシの出す甘い汁をなめようと集まったアリです。クヌギトゲマダラアブラムシは名前の通り、クヌギだけに集まるアブラムシで、多くのアブラムシはこのように特定の植物との強い結びつきを持っています。
次の画像は成虫の拡大画像で翅があります。


次の画像は幼虫の画像です。


農業害虫として扱われることの多いアブラムシですが、生態系や生物多様性の理解には非常に役に立つ生物でもあります。


今日のことば

億兆の中の一匹秋刀魚焼く     野村親信

2014.10.15

間伐材を用いたベンチ作り

NPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々のご指導のもと、高校1年生が総合学習の時間に間伐材を用いたベンチ作りに挑戦しました。直前に講習を受けたインパクトドリルの使い方もしっかりマスターし長いネジを巧みに打ち込む姿が見られました。


間伐材が生まれ変わったベンチは、ペンキが乾き次第、中学校の中庭や寄宿舎の中庭や山の家の駐車場などに置かれることになっています。


今日のことば

帰りには素直となりし花野かな  吉野佳一

空青きゆゑを学びてより高し   中尾公一

2014.10.07

希少種ケラの幼虫

職員室で仕事をしている時に生徒から呼ばれ、廊下に出てみると、そこには「新種か見つかった」と興奮している3人の中学1年生がいました。大事そうに「新種」を包んだ紙を広げてみると、そこにはケラの幼虫がいました。やなせたかしの「手のひらを太陽に」に出てくる、あのケラです。残念ながら新種ではありませんでしたが、ケラは神奈川県と京都府が要注目種に指定している希少種です。昔に比べて本当に姿を見かけることが少なくなりました。ましてや幼虫などめったに見ることはできません。3人の生徒のおかげでたいへん貴重な体験をすることができました。


今日のことば

ぼくらはみんな 生きている
生きているから 歌うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから かなしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮(ちしお)
ミミズだって オケラだって
アメンボだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ

                 やなせたかし

2014.10.04

ハゼの紅葉と実

ウルシ科のハゼの紅葉が始まりました。ウルシ科の樹木はどれも紅葉が一際美しいです。

紅葉に比べて実は目立ちませんが、和ロウソクの材料になることで知られています。



不二聖心では、牧草地や東名高速沿いの道、温情の灯の碑の近くなど、いろいろなところでハゼの木を見ることができます。


今日のことば

誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが みつけた
ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みつけた
昔の昔の 風見の鳥の  ぼやけたとさかに
はぜの葉ひとつ はぜの葉あかくて 入日色
ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みつけた

                       サトウハチロー