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フィールド日記

2017.02.05

ロシアからやってきたアカハラ

 中学校校舎の中庭にアカハラがいました。アカハラのようなツグミの仲間は地中の虫などを好むので地上にいる姿をよく目にします。アカハラはこの付近で昨年も確認されています。この鳥はサハリンなどから渡ってくる冬鳥ですが、もしかしたら昨年と同じ個体かもしれません。アカハラは古語では「しなひ」や「しなひとり」と呼ばれていました。平安時代に凡河内躬恒が編纂した和歌集『秘蔵抄』には「しなひとりおちくるいそのなく里にかくるおもへにゆくかたもなし」という和歌が収められています。「おちくる(落ちくる)」という表現はミミズなどを求めて地上に降り立つアカハラの姿を彷彿とさせます。

今日のことば
近年、アカハラが激減したという話をよく聞く。特に軽井沢での減少は著しく、数年前に中軽井沢で未明から耳を澄ませたが、たった一回聞いただけだった。半世紀前、降るようだったアカハラの大合唱は、今となっては夢物語である。
岡田泰明