フィールド日記
2018.07.13
ムナブトヒメスカシバ
共生の森でムナブトヒメスカシバを見つけました。黒地に黄色い帯の模様があり、ハチのようにも見えますが、スカシバガというガの仲間です。
2018.07.10
ネジバナ
古くなった木製のベンチにネジバナが咲いていました。花が茎にらせん状につき、ねじれて見えることが和名の由来です。花のねじれの向きは決まっていないようで左巻きや右巻き、ほとんどねじれないものなど変異があります。
ネジバナはランの仲間です。下の写真は花をアップで撮影したもので、小さくてもちゃんとランらしい左右対称な花のつくりをしています。ランの仲間には絶滅危惧種に指定されている希少な種も多いですが、ネジバナは最も身近に見られるランの仲間と言ってもよいのではないでしょうか。
芝生に交じって群生し、雑草のように扱われることもあるネジバナですが、いざ育てようと思うと意外に難しいことが知られています。それはランの仲間は菌根菌と呼ばれるカビやキノコの仲間と共生しており、菌根菌がいない環境に移されてしまうと弱って枯れてしまうからです。一枚目の写真のネジバナも、かわいそうだからと別の場所に植え替えてしまうとかえって弱ってしまう可能性があります。一見すると土もなく厳しい環境に見えるベンチの上も、ネジバナにとっては菌根菌に囲まれて、他にライバルとなる植物のいない快適な環境なのかもしれません。
2018.07.06
ハナイカダ
校舎の裏の斜面にあるハナイカダの果実が紫黒色に熟していました。葉の中央に花をつけるというユニークな特徴をもっています。ハナイカダという和名は、この特徴を筏(いかだ)に乗る人の姿に見立てたことが由来になっています。
2018.07.03
タシロラン
校内でタシロランの開花を確認しました。全体が白いのは葉緑体を持たないためです。タシロランは養分のすべてを光合成ではなく土壌中の菌類から得ています。
2018.07.02
6月の野鳥の調査
日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が6月の不二聖心の野鳥について調査をしてくださいました。調査の報告書が届きましたので、掲載いたします。
2018.06.29
キクグンバイ
ススキ野原でグンバイムシの一種を見つけました。形が相撲の行司がもつ軍配うちわに似ていることが名前の由来です。わずか2~3mmほどの大きさですが、繊細な網目模様の羽を持っており、英語ではこれをレース編みに見立ててlace bugと呼ばれているようです。
グンバイムシは針状の口で植物の汁を吸って生きています。上の写真はピントが合っていなくてわかりづらいですが、グンバイムシの後方の部分は吸汁されて白くなってしまった細胞で、前方の黒い部分は排泄物だと思われます。
下の写真のように横から見ると、立体的で複雑なつくりを持っていることがわかります。本種は野菊から吸汁していて、頭頂部にとげ状の突起があることからキクグンバイだと思います。
2018.06.26
ナワシロイチゴとアオガネヒメサルハムシ
ススキ野原にナワシロイチゴが咲いていました。「苗代(なわしろ)」とは稲の苗を育てる場所のことです。苗代で稲の苗を育てる時期に赤い果実ができることからナワシロイチゴと呼ばれたそうです。しかし、現在の稲作ではすでに田植えも済んでいるのでずいぶんと時期がずれてしまっています。ピンク色の花弁は直立し、雄しべや雌しべを包むように咲きます。
2018.06.22
ヘリグロテントウノミハムシ
校内に植えられたキンモクセイにヘリグロテントウノミハムシが見られます。キンモクセイなどの葉を食べる3~4mmの小さなハムシです。しかし、名前の通り一見すると小型のテントウムシのように見えます。
2018.06.19
サビマルクチゾウムシ
前回紹介したサルナシを観察しているときに、枝にとまっているサビマルクチゾウムシを見つけました。体は名前の通りサビを思わせる赤茶色の毛におおわれています。