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フィールド日記

2017.06.11

モリアオガエルの卵とカルガモ

 築山の池の縁のシダレザクラの葉裏に産みつけられたモリアオガエルが卵塊を見つけました。かなり乾燥していましたので、産卵してから数日の時間が経過しているものと思われます。


卵の観察をしている最中にカルガモが池に舞い下りました。いつも番(つがい)で行動しているカルガモですが、飛来したのは一羽だけでした。



今日のことば

六月を奇麗な風の吹くことよ   正岡子規

2017.06.08

ジャコウアゲハ

 ジャコウアゲハの写真を撮りました。ジャコウアゲハの幼虫はウマノスズクサを食べて育ちますが、不二聖心の林内にはこの植物がたくさん生えています。

ジャコウアゲハの蛹はあの有名なお菊虫です。
今日のことば
「一枚、二枚、三枚、四枚……九枚、やっぱり一枚足りない」
怪談「播州皿屋敷」で大切な皿を割ったと因縁をつけられたお菊は、責め殺されて古井戸に投げ込まれてしまう。そして幽霊となったお菊は、古井戸から夜な夜な現れては、恨めしそうに皿の枚数を数えるのである。
その後、お菊が投げ込まれた古井戸には、うしろ手に縛られた女性の姿をした不気味な虫が出現したという。この虫はお菊の怨念が姿を変えたものだと、人々は噂した。これが「お菊虫」である。
お菊の正体は、ジャコウアゲハというチョウのさなぎである。
稲垣栄洋

お知らせ
今年も8月に小学4年生から6年生を対象として「夏休み子供自然体験教室」を不二聖心女子学院で開催します。参加を希望する方はホームページの申し込みフォームからお申し込みください。

2017.06.05

オオシマザクラの実

お茶畑の中心に映画のロケにも使われたことがあるオオシマザクラの古木があります。今朝、そのオオシマザクラの実の写真を撮りました。既に熟した実もあればまだ若い実もあります。オオシマザクラとエドヒガンザクラを交配してできたのがソメイヨシノです。ソメイヨシノは接ぎ木等で増やしたものが全国に広がりましたので、すべてのソメイヨシノはクローンであり、自家不和合性という性質により結実することがありません。

今日のことば
ちる花はかずかぎりなしことごとく光りをひきて谷にゆくかも 上田三四二
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今年も8月に小学4年生から6年生を対象として「夏休み子供自然体験教室」を不二聖心女子学院で開催します。参加を希望する方はホームページの申し込みフォームからお申し込みください。

2017.06.04

クヌギの樹液の湧出

 6月3日に「共生の森」でクヌギの樹液の湧出を確認しました。既に樹液には甲虫も集まってきていました。カブトムシやクワガタムシがここにやってくる日が待たれます。

今日のことば
教師の仕事は、生きている子どもに生きた知恵を育てることです。そのためには、初々しい感動、新しい命のようなものが教師の側にないと、子どもを惹きつけられません。
大村はま

2017.06.03

モリアオガエルの卵  ヤブヤンマ

 よく晴れた一日でした。梅雨入り前の最後の快晴の週末となるかもしれません。

「共生の森」の近くの池でモリアオガエルが産卵をしました。今年の初記録です。
池を囲むネットにはヤブヤンマの抜け殻がついていました。今年もヤブヤンマの飛ぶ季節がやってきたようです。

昨年は同じ場所で6月4日にヤブヤンマの羽化を確認しています。

ヤブヤンマは言葉で形容するのが難しいほど美しい、深みのある青い目をしています。
今日のことば
ヤブヤンマーー名前は冴えないが、姿はとても美しいトンボである。特に、成熟した雄の青い目玉は、常夏の海を思わせるほど澄んでいる。体は大きいくせに木立に囲まれた小さな池が好きで、林ややぶの近くで一生を過ごすことから名前がつけられた。
杉村光俊

2017.05.30

ガマズミとアシナガコガネ

 ガマズミの花に多数のアシナガコガネが来ていました。

秋になると無数の赤い実をつけるガマズミですが、あの実を見るためには
今の時期の、受粉昆虫たちの活躍が不可欠です。
今日のことば
生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする
生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ
吉野弘

2017.05.26

コジャノメ

 昼礼広場でコジャノメの写真を撮りました。コジャノメはヒメジャノメに酷似していますが、眼状紋の数で識別することができます。コジャノメは徳島県で絶滅危惧Ⅱ類、山形県と新潟県で準絶滅危惧種に指定されています。「不二聖心のフィールド日記」では初記録となります。また一つ、全国各地で絶滅危惧種に指定されている種が不二聖心で確認されました。

今日のことば
(ジャノメチョウ科の蝶の中には)シベリア型とマレー型の広大な分布圏の間に挟まれて、狭い分布圏をもつ蝶も多い。その中で、日本と対岸の朝鮮、中国東北部、アムールと、日本海を取り巻いたかたちの分布をする一群がまず抽出される。日本から台湾、華中、華南、さらにヒマラヤ山脈に延びる群もある。日本列島特産種もある。これらをそれぞれ、「アムール型、ヒマラヤ型、日本型」と呼ぶことにする。ヒメウラナミジャノメ、キマダラモドキ、クロヒカゲモドキはアムール型、ヒメジャノメ、コジャノメ、ヒメキマダラヒカゲはヒマラヤ型、ヤマキマダラヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ウラナミジャノメは日本型である。  
『海を渡る蝶』(日浦勇)より
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2017.05.25

モリアオガエル

全国各地で絶滅危惧種に指定されているモリアオガエルの声が5月16日に不二聖心で初めて聞かれました。そして、今晩、初めてその姿を見ることができました。プールの脇の道を下っている途中でした。もしかしたら繁殖のために築山の池を目指しているのかもしれません。

今日のことば
迫害もペストも、日常のひとつひとつの具体的なことどもを、自分に毎日あたえられる道を、機会を、どんな小さなものでもこれをおろそかにせず、愛をこめて生きてゆくのにくらべると、比較的やさしい問題だということを、けっしてわすれてはならぬのだとおもう。  
須賀敦子
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2017.05.24

ヒメウラナミジャノメ

ススキ野原でヒメウラナミジャノメの写真を撮りました。ジャノメチョウの仲間の中では最もよく不二聖心で見られるチョウです。不二聖心では年3回、発生しているものと思われます。冬になる前に孫の姿までを見ることができるはずです。

今日のことば
もつとも高い芸術はすべてそのやうに、人の魂の底にしみて、霊を目覚めさせるものでなければならないだろう。
東山魁夷

2017.05.22

5月の野鳥の調査 サンコウチョウの鳴き声を確認

 日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が5月20日に不二聖心の野鳥の調査をしてくださいました。

調査結果は下記の通りです。
 1.ヒヨドリ       18羽
 2.ヤマガラ        4羽
 3.ハシブトガラス     12羽
 4.エナガ        15羽
 5.メジロ        10羽
 6.スズメ         1羽
 7.キビタキ        5羽
 8.ツバメ         3羽
 9.ウグイス        9羽
10.ホオジロ        4羽
11.カワラヒワ       6羽
12.ハクセキレイ       1羽
13.イカル         2羽
14.カワウ         1羽
15.ハシボソガラス      3羽
16.シジュウカラ      4羽
17.オオルリ        1羽
18.コゲラ         1羽
19.キジバト        1羽
20.サンコウチョウ     1羽
21.ノスリ         1羽
22.コジュケイ       1羽
23.ガビチョウ       4羽
    合計        23種
 
特記事項:
 1.今年もサンコウチョウの地鳴きを聞く事が出来た。
   「ギュイ ギュイ」と3回鳴いた。
 2.ノスリの声が聞かれた。
 3.15羽のエナガは群れを作り行動していた。
 4.ジエビネの開花を確認した。
サンコウチョウの声が2年続けて確認されました。
次の画像は、富士山麓の野鳥の調査において滝道雄先生の先輩にあたる高橋節蔵先生が撮影した画像です。『探鳥山ある記 ~富士山ろくの野鳥~』から引用しました。不二聖心でもいつかこのような写真を撮ることができる日が来るかもしれません。
今日のことば
Wie es auch sei,das Leben,es ist gut!
何が何であれ、人生はいいものだ。    ゲーテ