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フィールド日記

2015.06.17

ホタルブクロ

ホタルの季節がやってきました。不二聖心では一昨日、ホタルの生息が確認されました。小山町では6月21日にホタルサミットが行われるそうです。
ホタルの季節になると咲き始めるのがホタルブクロです。

昔の子供は、ホタルブクロの花にホタルを入れて遊んだそうです。


今日のことば

草木(そうもく)の喜ぶ梅雨を喜ばむ      富安風生

2015.06.14

共生の森のプラムと巨大シイタケ

 共生の森に2014年7月2日に昨年の高校1年生が植樹したプラムが見事な実をつけました。熟して色が変わるのが楽しみです。高校3年生は現代文の授業で室生犀星の「小景異情」を学習しますが、「小景異情 その六」に出てくる「あんず」はプラムと同じ仲間です。

昨年の高校1年生が植菌したシイタケは今も発生し続けています。大人の拳大の巨大シイタケも見つけることができました。


今日のことば

あんずよ
花着け
地ぞ早やに輝やけ
あんずよ花着け
あんずよ燃えよ
ああ あんずよ花着け

室生犀星

2015.06.10

森の健康診断

 矢作川水系森林ボランティア協議会の協力を得て、「森の健康診断」を実施しました。
生徒たちはリーダーの方々の指導のもと樹高や幹の直径を計り、樹木の育ち具合を把握した上で、木の混み具合を診断しました。9月には今日選んだ間伐すべき木を自分たちの知恵と力で切り倒すことになっています。




今日はホオジロがよく鳴いていました。足元にはヤマアカガエルがいました。貴重な種が生息している不二聖心の森は、生徒の力で少しずつ健康になっていくと思われます。

今日のことば

学ぶにしても教えるにしても、そこに「やりたいからやる」という自発性をともなわないと、ほんとうのよろこびが生まれない。                          神谷美恵子

2015.06.04

幻のアジサイ シチダンカ  墨田の花火

 理科室から本館に向かう通路の脇に幻のアジサイ、シチダンカが咲いています。シーボルトが「フローラ・ジャポニカ」に記載して以来、約130年間、幻のアジサイとなっていましたが、六甲山小学校の職員の荒木慶治さんによって1959年に六甲山で発見されました。

  花崗岩で有名な六甲山の土壌は酸性で、アジサイの栽培に適した土壌です。全国に広がる御影石のふるさとは、全国に広がるシチダンカのふるさとともなりました。

他に「墨田の花火」と呼ばれるガクアジサイも近くに咲いていました。花びらのように見える部分はガクの変形したもので、本当の花は中心にあります。

蜂たちは、もちろんそのことがわかっていて、本物の花を訪れていました。

今日のことば

みんなが町で暮したり
一日あそんでゐるときに
おまへはひとりであの石原の草を刈る
そのさびしさでおまへは音をつくるのだ
               宮沢賢治

2015.05.28

セッコク

 樹上性のランの一種であるセッコクが職員室の前に咲いています。セッコクは全国の十以上の県で絶滅危惧Ⅰ類に指定されています。これほど立派なセッコクは、富士山麓でも珍しいのではないかと思っています。

今日のことば

南方の戦場を知る燕来る      水谷泰隆

2015.05.17

野鳥の調査 シジュウカラ ウグイスの巣 キビタキ

 今日は、今年の「夏休み子供自然体験教室」の講師を務めて下さる、「日本野鳥の会」東富士支部副支部長の滝道雄先生と体験教室のコースの検討と野鳥の調査を行いました。確認できた鳥の種数は以下の25種類でした。

1キセキレイ
2シジュウカラ
 共生の森の巣箱の雛は巣立ったあとでした。巣箱の近くには巣立った雛に与える餌をくわえた親鳥がいました。
3キジバト
4ウグイス
 ウグイスの巣も見つけることができました。笹の葉を使って作った巣です。
中には別の巣材を使った別の巣が入っていて二重構造になっています。
5ヒヨドリ
6スズメ
7ツバメ
8ガビチョウ
 外国から輸入して人家で飼われていたのが逃げ出した籠脱け鳥です。
 ウグイスと同じ生息環境を好み、悪影響が心配されています。
9ハシブトガラス
 声が澄んでいるのが、ハシブトガラスです。
10ムクドリ
11カワラヒワ
  ビービーという鳴き方が印象的でした。
12メジロ
 カエデなどの木の枝にぶら下げて巣を作ります。
13ヤマガラ
 人によく馴れます。手にとまってヒマワリの種を食べることもあります。
14コジュケイ
 夫婦で行動していました。
15キビタキ
 キビタキは全国各地で希少種に指定されていますが、今日の調査では校内の広域にわたって観察されました。キビタキ用の巣箱をかけることで営巣の様子を観察できそうです。
16ホオジロ
 木のてっぺんで盛んに鳴いていました。
17トビ
18サンショウクイ
 ヒリリと鳴いていました。山椒の実を食べるとヒリヒリするところからサンショウクイ(山椒食い)と名付けられました。
19コゲラ
 日本最小のキツツキです。
20イカル
 法隆寺のある斑鳩の里は「イカルがいる里」という意味です。
21ホトトギス
 今年初めてのホトトギスの声でした。
22カワウ
 空高く飛んでいきました。
23ハクセキレイ
24ハシボソガラス
 声が濁っているのが、ハシボソガラスです。
25カルガモ
 プールで悠々と泳いでいました。

2015.05.12

モリアオガエルの卵

 5月8日に今年初めてのモリアオガエルの卵を築山の池で確認しました。2012年に5月4日の産卵記録がありますが、かなり早い時期の産卵であることは間違いありません。画像の卵は既に卵塊がかなり乾いてきています。

今日のことば
うつくしいものの話をしよう。いつからだろう。ふと気がつくと、うつくしいということばを、ためらわずに口にすることを、誰もしなくなった。そうしてわたしたちの会話は貧しくなった。うつくしいものをうつくしいと言おう。過ぎてゆく季節はうつくしいと。さらりと老いてゆく人の姿はうつくしいと。一体、ニュースと呼ばれる日々の破片が、わたしたちの歴史と言うようなものだろうか。あざやかな毎日こそ、わたしたちの価値だ。(長田弘)

2015.05.07

朴の花  巣箱の雛の声

 朴の花が咲いていました。大輪の白い花が朴葉の緑に映えて実に美しいです。

8月の「夏休み子供自然体験教室」で講師をお願いする、日本野鳥の会の方の協力で「共生の森」に巣箱をかけました。その巣箱に今朝、耳を近づけてみたら、中から雛の声が聞こえてきました。おそらくシジュウカラの雛だろうと思われます。

今日のことば

使命のほうがわれわれを探しているのであって、われわれのほうが使命を探しているのではない。
ハマーショルド

2015.04.30

ハゼノキの新緑

今日は不二聖心の広大なフィールドを使ってオリエンテーリング大会が行われ、生徒たちは新緑の中を駆け回りました。
樹木の数だけ、それぞれに異なる新緑の姿がありますが、今日のコースの中で、とりわけ特徴的なのはハゼノキです。
この緑の葉が秋には真っ赤に色づきます。


よく見ると花芽もついていました。


この花が結実してできた実は和ロウソクの原料となります。

今日のことば

誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが みつけた
ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みつけた
昔の昔の 風見の鳥の  ぼやけたとさかに
はぜの葉ひとつ はぜの葉あかくて 入日色
ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みつけた
        「小さい秋みつけた」より

2015.04.29

マイマイカブリ  牧草地の金星

 明日のオリエンテーリングの準備を放課後に行いました。下見の途中でたくさんの動植物を見ることができました。牧草地の近くのお茶畑でマイマイカブリを見つけました。マイマイカブリは、カタツムリの肉を食べるために首が長く進化した、オサムシの仲間です。手塚治虫は、このオサムシが好きで、自分のペンネームを「治虫」としました。

夜に同じ場所に行ったら、星々が美しく輝いていました。一際、強い光を放っているのが金星で、-4.1等星です。

村上さんという女性が、その頃神に召された。奈良女高師出身の旧華族で、京都で就職している間に病気になり、江古田に来た時はもう大分進んでいた。兄妹二人きりだが、兄はろくろく姿を見せたことがない。しかし、村上さんは寝たきりでいながら、晴れた晩には、赤い柄の手鏡に窓の外の星影を映し、大きな本の図と見くらべて、「信仰とお星さまだけあれば、ちっとも寂しくありません。召される日が来たら、この本と鏡をお棺に入れて下さいね」と言い言いしていた。
野尻抱影