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フィールド日記

2016.02.14

ネコノメソウと不二聖心の地質

 不二聖心には希少種のネコノメソウがたくさん自生しています。ネコノメソウの仲間は湿気のある場所に生育します。裏道の沢と反対側の斜面は冬場は乾燥が進む場所ですが、不二聖心の場合、今も元気にネコノメソウが成長を続けています。

その理由は愛鷹山系からの地下水の水脈が崖の中に通っていて地表にも湧水が湧出してきていることによります。四季を通じてネコノメソウが好む湿気が維持されているのです。保坂貞治先生のお作りになった不二聖心の地形図を見るとそのことがよくわかります。

上の画像のaからbへの直線部分の断面図が次の画像です。

こげ茶色の部分が水を通しにくい地層ですので、その上に水がたまり地表にも湧出することになります。

今日のことば
五歳を弱音吐かざる妹の仮設の屋根に雪は降り積む   若島安子

2016.02.13

四つ溝柿

 すすき野原に自生する四つ溝柿の写真です。四つ溝柿は神奈川県から静岡県にかけてのみ自生する渋柿で、渋抜きをすると独特の甘味があり、長泉町の特産にもなっています。この写真は1月5日に撮りました。

次の画像が現在の様子です。


全く柿が残っていません。今年は既に100羽以上確認されているツグミなどの渡り鳥が食べてしまったようです。特産の柿をおいしいと感じるのは人間だけではないようです。

今日のことば
人間のねうちは身分によって定まるものではない、各自その生きる道に奉ずる心、おのれのためではなく生きる道のために、身心をあげて奉る心、その心が人間のねうちを決定するのだ。                              
山本周五郎

2016.02.12

珍しいハネカクシを中学3年生が発見

 1月29日の理科の授業で行われた土壌生物の観察で、中学3年生が2ミリ程度の小さな生物を見つけて持ってきてくれました。

専門家に同定を依頼したとろ、ハネカクシの仲間で、クロズシリホソハネカクシもしくはその近縁種であることがわかりました。
このような小さな命に目を向け関心を持つ生徒はすばらしいと思います。

今日のことば
自分では何とも思わないことでも<、人から見ればとても幸福そうな、羨ましいことだったりするかもしれません。自分の幸福に驚く力とは、謙虚な心のことではないでしようか。
                                              末盛千枝子

2016.01.31

野鳥の調査 アカハラ

 今日は「日本野鳥の会」の滝道雄先生と不二聖心の野鳥の調査をしました。

野鳥の調査の難しさは鳴き声の聞き分けをすることにありますが、今の時期、ツグミの仲間(ツグミとアカハラとシロハラ)は声だけでは同定が難しい場合があります。今日はアカハラもシロハラも姿を見せてくれたおかげで、しっかりと確認ができました。特にアカハラは、千載一遇のチャンスが到来し、撮影にも成功しました。
確認できたのは以下の22種類です。
1キジバト(群れ)
2コゲラ(複数)
3カワラヒワ
4ハシブトガラス(複数)
5ヒヨドリ(複数)
6ヤマガラ(「ニーニー」と鳴いていました。) (複数)
7メジロ(山茶花の花にぶらさがって蜜を吸っていました。)(複数)
8ツグミ(複数)
9エナガ(10羽以上の群れを2ヶ所で確認しました。)
10ジョウビタキ(オス2羽)
11シジュウカラ(複数)
12モズ(メス)
13ホオジロ(複数)
14ソウシチョウ(複数)
15アカハラ(2羽)
16ハシボソガラス
17ルリビタキ(不二聖心で初めて確認されました。)
18ヒメアマツバメ(2羽)(不二聖心で初めて確認されました。)
19オオタカ
20トビ
21ウグイス
22シロハラ
今日のことば
問題を解決することよりも、問題を見いだすことにしたがって問題を提起することの方が肝心なのである。 アンリ・ベルクソン

2016.01.21

薩摩紅梅

 築山の薩摩紅梅が今年も美しい花を咲かせています。「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」と漢詩にありますが、築山の薩摩紅梅は年を追うごとに大きくなり、花の美しさも増しているように感じられます。

今日のことば
自我を抑えて無差別智を働かせている時には真我があらわれる。私についていえば、数学の研究に没頭している時は、私は生きものは決して殺さないし、若草の芽もみな避けて踏まない。             岡潔

2016.01.17

冬の朝の雑木林

 駐車場の裏の雑木林の写真を撮りました。ここに含まれる「雑木」はクヌギとコナラです。

日本経済新聞に見附市に住む方の「櫟橡楢橅朴と枯れゐたり」という俳句が掲載されていました。
見附市が何県であるかがわからなくても、この句がある程度の地域を教えてくれます。この中に含まれる橅(ブナ)は北国か、ある程度標高の高い場所でしか育たないからです。ちなみに見附市は新潟県で、樹齢400年以上のブナの自然林があります。不二聖心の雑木林にはブナは生えていません。

今日のことば
生きていることが有難くならなければどうかしている。  吉田健一

2016.01.14

夜の鹿

 夜の暗い森の中から鹿の鳴き声が聞こえてきました。「近いな」と思いつつ、歩いていると、裏の駐車場のところで鹿が目の前に現れました。あわてて一枚、写真を撮りました。暗闇の中で光る鹿の目がはっきりとわかります。

今日のことば
落葉掃く昨日も今日も明日もまた  野尻徹治

2016.01.05

すすき野原の四ツ溝柿

すすき野原に、四ツ溝柿の木が生えています。

四ツ溝柿は、実に4つの溝が入っている柿で、静岡県から神奈川県にかけて自生している柿です。長泉町の特産物でもあり、「するがの柿」と呼ばれています。
不二聖心の「するがの柿」は、12月28日にはたわわに実をつけていましたが、今朝確認したら、実の数が激減していました。北国から渡ってきた鳥たちの格好の餌となったようです。
鳥たちにとっても、「するがの柿」はとてもおいしい柿のようです。
1月6日の木
12月28日の木

今日のことば
里古りて柿の木持たぬ家もなし   松尾芭蕉

2015.12.28

野鳥の調査  ジョウビタキ  イイギリ

日本野鳥の会の滝道雄さんと不二聖心の野鳥の調査をしました。

今日、確認できたのは、以下の19種です。
 ヒヨドリ
 ツグミ
 ハシブトガラス
 キジバト
 アオジ
 ホオジロ
 ハシボソガラス
   ウソ
 モズ
 カケス
  ヤマガラ
 ソウシチョウ
 シロハラ
 アカハラ
 イカル
 シジュウカラ
 メジロ
 ジョウビタキ
 コゲラ
 
今年は富士山麓への渡りが遅れているため、今日は見ることができないかと思っていたジョウビタキと調査の最後に出会うことができました。体色が若干薄いことから若い個体である可能性が高いと思われます。
ジョウビタキを確認した「共生の森」にもイイギリが2本、生えています。よく見ると左右の木の実の色が違うことがわかります。同じ場所に生えていても違いが生まれることを興味深く思います。
今日のことば
赤き衣に黒紋附を羽織りたる白髪翁のじようびたきかな  川村多実二

2015.12.25

聖心橋から見えるイイギリ

 東名高速沿いに生えているイイギリの写真を聖心橋の上から撮りました。
東名高速沿いでは他にも同じようなイイギリの実を見ることができます。鳥が好むことと発芽率が低くないことなどの条件がそろっているためと思われます。



今日のことば

どの道を行くかは、あなたがどこに行きたいかによります。  ルイス・キャロル