フィールド日記
2015.10.12
キチョウ シイタケ
夏の間、元気に飛びまわっていたキチョウがススキにとまってじっとしていました。そろそろ蝶の季節も終わりかもしれません。
昨年、高校1年生が植菌したクヌギの木からシイタケがたくさん出ていました。大雪で倒れたクヌギの木が豊かな恵みをもたらしてくれています。
今日のことば
墓碑銘は森林太郎書は不折石見古刹に落葉ふりそむ 弘津敦子
2015.10.07
間伐材を用いたベンチづくり
富士山の美しい朝でした。
今日は高校1年生が総合学習の時間に間伐材を用いたベンチづくりに挑戦しました。インパクトドリルの使い方の練習から組み立てまで、自分たちの力でベンチを6台作り上げました。
このようにして間伐材を有効利用することで、間伐材の需要が高まり適度な間伐の実施をうながして健康な森を作っていきます。
ベンチづくりの指導をしてくださったNPO法人「土に還る木・森づくりの会」の皆様に心からお礼申し上げます。
今日のことば
たとえ、どのような道を進もうとも、魂の果ては見つからないだろう。それほど魂は深いのだ。
ヘラクレイトス
2015.09.28
スーパームーン ナイト牧草地
今晩は、スーパームーンが見られました。通常より14パーセントほど大きく見える満月です。
スーパームーンを撮るために牧草地に行ったら、動物のかん高い声が聞こえました。あまり耳慣れない声に、はじめは空耳かと思いましたが、次々と声が響き渡り、すぐ近くに動物の気配が感じられました。声の主は鹿でした。秋によく鳴くという鹿の声にスーパームーンを写しながら耳を傾けました。
今日のことば
世の中よ道こそなけれ思い入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる 藤原俊成
2015.09.26
ムラサキシキブ キンモクセイ アオダイショウ
季節の進みのはやさに戸惑う日々です。
気づいたら校舎の近くのムラサキシキブの実は美しい紫に色づいていました。
そのすぐ近くでキンモクセイが豊かな香りをはなっていました。今週は校舎の中に活けられたキンモクセイの香りからも秋を感じることができました。
キンモクセイの近くではアオダイショウの子どもがひなたぼっこをしていました。今日の午後の蒸し暑いほどの気温の上昇はアオダイショウにとっては心地よいものだったのかもしれません。アオダイショウはシマヘビなどと違い性質のおとなしいヘビです。
今日のことば
沈黙はことばがなくても存在し得る。だが、沈黙なくしては、ことばは存在し得ない。もし、ことばに沈黙の背景がなければ、ことばはその深みを失ってしまうだろう。 マックス・ピカート
2015.09.22
野鳥の調査でオオタカを発見
「日本野鳥の会」東富士副代表の滝道雄さんと不二聖心の野鳥の調査をしました。
今日のことば
祈るべき天とおもえど天の病む 石牟礼道子
2015.09.17
三井物産の森
9月16日に高1の総合学習で講演会が行われました。講演者は、三井物産株式会社 環境・社会貢献部 社有林・環境基金室の大木貴嗣さんと對馬洋平さんでした。温情舎小学校の創立者である岩下清周が三井物産のパリ支店長を務めていたことからもわかるように、三井物産は世界中に支店を持つ歴史ある総合商社です。その一方で、三井物産は国内に広大な森を有する会社としても知られています。三井物産の社有林の総面積は日本の国土面積の0.1%に及びます。その社有林を生かした活動についてお話をしていただきました。
講演のテーマは「木づかい」ということでした。木を使うことが森を元気にするということを生徒たちは学びました。「木を切らないという森林破壊がある」という大木さんの言葉にはっとさせられました。戦後復興のために植えられた樹木は現在、ちょうど有効利用に適した樹齢に達しています。今切らなければ、木はさらに成長を続け、活用が難しくなります。あまりに太い木は、樹木を加工する機械に収まらなくなってしまうからです。
「木づかい」のためには、木を使いたいという気持ちを人々に抱かせるさまざまな工夫が必要となります。次の画像は三井物産の社有林のヒノキで作られた木の折り紙、「折り樹」です。
生徒たちは、この「折り樹」をいただいて歓声をあげていました。木の持つ良さをきっと実感したことと思います。
今回の講演を通して、「木づかい」の意味を認識した生徒たちは、来月、間伐材を用いたベンチづくりに挑戦する予定になっています。
今日のことば
木曽川の潮差しかはる朝曇り 坂元二男
2015.09.13
長崎より
高校2年生は長崎祈りの会旅行に行ってきました。
長崎には祈りの心を育む豊かな自然があります。
2日目には、遠藤周作の『沈黙』の舞台ともなった外海を訪ねました。「沈黙の碑」の向こうに真っ青な海が広がっていました。
3日目には、二十六殉教者像の前で祈りを捧げました。
二十六殉教者像のすぐ近くで、イソヒヨドリが鳴いていました。イソヒヨドリは主に海の近くで生活している鳥です。埋め立てられる前は、二十六聖人が殉教した場所のすぐ近くまで海が迫っていたという歴史をしのばせるイソヒヨドリの声でした。
夜は世界三大夜景を眺めながら一日を振り返り、さらに学びを深めました。
夜の振り返りでは、多くの生徒が祈りの会に参加できたことへの感謝の言葉を口にしていました。長崎はやはり素晴らしいところでした。
今日のことば
人間がこんなに哀しいのに主よ海があまりに碧いのです。 遠藤周作
2015.08.30
ツリガネニンジン
ツリガネニンジンが校内のあちらこちらで見られる季節となりました。若葉は「トトキ」と呼ばれ、昔からおいしい野草として重宝されてきましたが、今は何と言っても可憐な花が人気です。たくさんの花の中でもこの花が最も好きだという人を何人も知っています。
2015.08.23
クサギ
8月の晴れた日に茶畑の道から仰ぎ見る空の青は格別の美しさがあります。
8月の前半にはまだ咲いていなかったクサギの花が今は満開となり、黒いジャコウアゲハが飛んできては、クサギの白い花弁にとまり、美しい陰影を作り出しています。
今日のことば
冒険とは、
一日一日と、日を静かに過ごすことだ。
誰かがそう言ったのだ。プラハのカフカだったと思う。
人はそれぞれの場所にいて、
それぞれに、世に知られない
一人の冒険家のように生きねばならないと。
長田弘
2015.08.05
クロバネツリアブ
8月4日に今年2回目の夏休み子供自然体験教室が行われました。今回は約70名の参加でした。自然観察をしたあと、牧草地で「生き物探しコンテスト」をしました。あらかじめ15種の生物の写真が載っているシートを渡された小学生が、できるだけたくさんの種類の生物を採集することに挑戦するコンテストです。
そのシートには例えば、クルマバッタが含まれています。
例えばツマグロヒョウモンが含まれています。
例えばウスバキトンボが含まれています。
驚いたのは、シートに載っていない動植物を採集する小学生がたくさんいたことです。
ある小学生の女の子は、クロバネツリアブを採集して大切そうにケースに入れて持ち歩いていました。
これは大分県で準絶滅危惧種に指定されているツリアブの仲間です。
これで、全国各地で絶滅危惧種あるいは準絶滅危惧種に指定されていて不二聖心で見られる生物の種類は83種類となりました。
今日のことば
人が実際、その目で見たものに真実はありますから。 城山三郎