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フィールド日記

2012.02.04

オオカナワラビ  今日の薩摩紅梅

  2012.02.04 Saturday

 裏道の林床にはたくさんの種類のシダが生えていますが、その中には、どこでもよく見られる種類のシダもあれば、絶滅危惧種にも指定されるような珍しい種類のシダもあります。下の写真は後者で、名前はオオカナワラビ。東京都・埼玉県・山梨県・長野県で絶滅危惧Ⅰ類に、福井県・岡山県で準絶滅危惧種に指定されています。

  

 今日は立春。築山の薩摩紅梅の蕾も徐々にふくらみを増してきました。


 

 

今日のことば

朝、眼をさまし、私はあなたにいつも想いを馳せます。
でも父よ、あなたのほうがいつも先に私を愛してくださる。

                                                          セーレン・キルケゴール

2012.02.03

築山の池の氷  フユシャク

  2012.02.3 Friday


御殿場で-8.7度、三島で-6.1度など、静岡県東部も今朝はたいへんな寒波に見舞われました。築山にも氷が張り、正午を過ぎても消えずに残っていました。2枚目の写真は氷の間に浮く、フユシャクの写真です。冬に活動するフユシャクも昨夜の寒さにはかなわなかったのかもしれません。


 

今日のことば 

長い人生にはなあ
どんなに避けようとしても
どうしても通らなければならぬ
道というものがあるんだな
そんなときはその道を
黙って歩くことだな
愚痴や弱音を吐かないでな
黙って歩くんだよ
ただ黙って
涙なんか見せちゃダメだぜ
そしてなあ
そのときなんだよ
人間としての
いのちの根が
ふかくなるのは


                                                                  相田みつを

2012.02.02

中学英語スピーチコンテスト The Daffodils(水仙)

  2012.02.2 Thursday

 今日は中学英語スピーチコンテストが行われました。中学生とは思えないような素晴らしい暗唱とオリジナル・スピーチをたくさん聴くことができました。

 個人の発表と団体の発表がありましたが、中学3年生は団体の暗唱でWilliam WordsworthのThe Daffodilsを暗唱しました。不二聖心でも今の季節、たくさんのThe Daffodils(水仙)が見られます。


 

今日のことば

私にとって木の「意味」は言語を超えたところにあります。いわば人間の考える意味を超えた「真」そして「美」として木は存在しています。それを散文的な表現で要約することに私はあまり関心がもてません。日々を暮らしていると、私は木の存在によって絶え間なく慰められ、励まされています。

谷川俊太郎

2012.02.01

マメヅタ

  2012.02.1 Wednesday

 今朝、中学校校舎の中庭でツグミの姿を見かけました。ツグミは、夏季はシベリアで繁殖し、冬に越冬のために日本にやってきます。ずいぶん遠方からのお客様ということになります。ツグミの姿が今年の冬も見られたということは、北方の自然環境が守られていることの証ととらえることができます。

 下の写真の植物はマメヅタと言いますが、「豆」でも「蔦」でもありません。立派なシダ植物です。2枚目の胞子葉の写真を見るとそれがよくわかります。静岡県東部では比較的よく見られる植物のように思いますが、新潟県と宮城県では絶滅危惧Ⅱ類、東京都、富山県、石川県では準絶滅危惧種に指定されています。
中国ではマメヅタのことを鏡面草と呼びます。一枚の葉を見て、豆をイメージするか、それとも鏡をイメージするか、そこにも民族性の違いのようなものが表れているような気がします。

    
 

今日のことば

カーテンを開いて 静かな木漏れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことはメッセージ

                          荒井由美

2012.01.31

クロハナビラタケ

  2012.01.31 Tuesday


今日の朝日新聞の静岡歌壇に不二聖心の生徒の作品が4首、掲載されました。その4首を転載します。

 古くても気になるものは気になりますテレビで言ってる
「やらさせていただきます」                 芹沢美咲
ふと空を見上げてみれば別世界力をくれる星のきらめき     勝又美咲
もし今日が最後の日だと言われたらあなたはどこで何をしますか 鈴木梨沙
バイバイと手を振り君がこちら向くはにかむ私も小さくバイバイ 大倉照美

 

 お茶畑の横の雑木林でクロハナビラタケを見つけました。クヌギの倒木の上に生えていました。倒木が土に還るために菌類は重要な役目を果たしています。

 

 


今日のことば

  魂に光をそそいでくれることばは、どんな宝石よりも貴重である。

                     ハズラト・イナーヤト・ハーン 

2012.01.30

ヒイロタケ

  2012.01.30 Monday

 栗畑では、昨日、紹介したクリオオアブラムシをはじめとして、さまざまな生物を観察することができますが、下の写真のヒイロタケのその一つです。残念ながらヒイロタケが生えている木はもはや樹木としての生命力を失いつつあります。腐朽菌の力によってやがて材はぼろぼろになっていくことでしょう。しかしこれも自然界にはなくてはならない現象であり、ヒイロタケは分解者としての大切な役割を果たしています。

 


今日のことば

ぼくは読書から生きるヒントをもらってきた。「勝ち」と「負け」の間にほんものの幸せはある。読書のなかから多様な生き方があることを学べば、どんなに辛い人生でも、負けと思わず、意味があると思うことはできるのだ。いい本のなかにはそのヒントが詰まっている。

鎌田實

2012.01.29

ヒラタアブ類の蛹とクリオオアブラムシ

  2012.01.29 Sunday

 校舎裏の栗の木についたクリオオアブラムシについて何度かフィールド日記でも紹介してきましたが、さらに3か所でクリオオアブラムシの卵が密集している場所を見付けました。今年は例年になく集団産卵場所が多いように感じます。今回は卵だけでなくヒラタアブ類の蛹も見つけることができました。幼虫の時に、産卵のために集まったクリオオアブラムシを食べ、クリオオアブラムシの卵の密集地の真ん中で蛹化したものと思われます。ヒラタアブはこのようにアブラムシを食べるので益虫としての扱いを受けています。


 
 

 今日のことば

 コノ本ハ深イケレド、コチラノ本ハ深クナイ。アサイ、デス。私が少女時代のすべてを過ごした学校の西洋人の修道女たちは、そういうふうに、いっていた。深イ、は賞讃のことばで、浅イ、はペケだった。深イカンガエヲモツ人ニナッテクダサイ。ことあるごとに、彼女たちはそうくりかえしていた。
深イ、がどういうことなのか、私にはながいこと理解できなかった。深い考え。深い本……。それは、真実、というのとも、すこしずれているようだった。修道女たちがこれもよく口にのぼらせた、真理、というのともちがった。なにが、どういうふうに、すぐれているとき、深い、という形容にふさわしくなるのだろう。学校を出てから、遊んでいても、本を読んでいても、ふと、深イ、という、私には意味がわからなかった彼女たちの判断の基準が胸に浮かんでは私を萎えさせた。それがわからないまま進むのは、まるで洞窟の扉をあけるための呪文を知らない泥棒たちのように、たよりないことだった。

須賀敦子

2012.01.28

ヤママユガの繭

 2012.01.28 Saturday

 お茶畑の近くの雑木林でヤママユガの繭を見つけました。ヤママユガは野生の蚕で天蚕とも呼ばれます。ヤママユガと聞いて、中学1年生で学習したヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」を思い出す人もいるでしょう。ヤママユガは雑木林のクヌギの葉を食べますので、雑木林が私たちの生活の身近にあったころは、ヤママユガもよく見られる生き物でした。(雑木林に植えられているクヌギやコナラが大昔から身近な樹木であったことは、クヌギやコナラの総称として「ははそ」という古語が残り、そこから「ははそはの」という枕詞が生まれたことからもわかります。)今は生活の場所の多くを奪われてしまったヤママユガですが、不二聖心ではまだその姿を身近に見ることができます。
天蚕は明治時代から皇居内でも飼育が続けられ、現在は美智子皇后様がその飼育を引き継いでいらっしゃいます。

 

 今日のことば

 子に告げぬ哀しみもあらむをははそはの母清やかに老い給ひけり 

                              美智子皇后様

2012.01.27

マラソン大会 トウゲシバ

  2012.01.27 Friday

 今日はマラソン大会が行われました。よく晴れた冬空の下、生徒たちは一生懸命に走り、完走後は達成感を味わいつつ母の会のお母様方の手作りのうどんとお汁粉をいただきました。
今年度の最高タイムは、15分46秒でした。

 

 不二聖心の林内でよく見られる植物の写真を撮りました。ワラビやゼンマイと同じシダ植物の仲間でトウゲシバといいます。「シダらしくないシダ」の代表と言えるでしょう。

 

今日のことば

Perhaps we don’t realize enough how hard it is to listen to one another. We are so busy with ourselves and with our affairs that we don’t hear others or listen to them. How much harder it is for us to hear God and to listen to him! He loves us, he speaks to us, mainly through his written word in the scriptures, in the voice of the Church, in his commandments, in other people, especially in prophets and the poor, in the events of life. Pay attention, try to hear him and say: “Speak, Lord, your servant listens.”

「サンデー・リタジー」より

2012.01.26

雪の富士 薩摩紅梅の蕾

  2012.01.26 Thursday


 ここ数日の寒波で富士山にさらに雪が積もりました。遠くからでも山肌の雪が厚みを増しているのがわかります。

 築山の薩摩紅梅の蕾が膨らんできました。春が近いことを感じます。

 

今日のことば

大阪国際に向けて調整してきましたが、帰国直前に痛めてしまいショックでした。 しかし、少し休めば良くなる程度の症状なので気持ちを切り替え、最後の選考会である名古屋に向けて頑張ります。私は諦めません。                               

                                野口みずき