フィールド日記
2011.07.17
ヤマユリ・オナガグモ
平成23年7月16日 土曜日
今日も暑い一日でした。全国90か所の観測点で猛暑日となったそうです。
不二聖心も快晴で美しい夏の富士山をながめることができました。
ヤマユリが咲きました。暑い夏に映える大ぶりの花が、不二聖心のあちらこちらで、
これから次々に開花していくことでしょう。
久しぶりにオナガグモに出会うことができました。
擬態している時にはなかなかその存在に気づくことのできないクモですが、たまたま卵のうを見つけたために、
親の存在にも気づくことができました。オナガグモはクモを食べるクモとして知られていま す。
写真①が針葉樹の葉に擬態している時の姿、写真②が動いている時の姿、写真③が卵のうです。
写真①
写真②
写真③
2011.07.16
コクラン・ノコギリカミキリ
平成23年7月15日 金曜日
今日も暑い一日でした。全国77の観測点で猛暑日となったそうです。
11の県で絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されているコクランの花をいつか撮影しようと思っている間に
花の盛りが過ぎてしまいました。かろうじて一枚撮ることができましたが、
コクラン独特の花の姿を充分に伝えることができず残念です。
撮影した場所は竹林の中で、先日ツチアケビを撮影した場所のすぐ近くです。
竹林は荒れ地としてとらえられることが多く、不二聖心でもほとんど人が入るこ とのない場所になっています。
しかし、そこに2種の希少種が生息しているわけです。「荒れ地」の定義の難しさを感じます。
コクランのすぐ近くでノコギリカミキリを見つけました。触覚がノコギリのようであるところから
ノコギリカミキリと名付けられました。これも荒れ地の珍客と言えるでしょう。
2011.07.15
合歓の花・ツマグロヒョウモン
平成23年7月14日 木曜日
今朝は7時にはもうホトトギスが元気よく鳴いていました。百人一首に「ほととぎす鳴きつる方をながむれば
ただありあけの月ぞ残れる」という歌がありますが、なるほど早起きの鳥だと実感します。
ちなみに午後のクラブ活動の時間までホトトギスの声は聞こえていました。
牧草地の合歓の花は、少し標高が高いせいか、なかなか咲きませんでしたが、ようやく花を咲かせました。
虚子の句を思い出します。
休らへば合歓の花散る木陰かな 高浜虚子
久しぶりに牧草地でツマグロヒョウモンのオスを見かけました。
温暖化の指標としてよく話題になるチョウで、かつては西の地方にのみ生息していたと言われていますが、
今では不二聖心でもごく普通に見られるチョウとなっています。
2011.07.13
ナワシロイチゴ・ニイニイゼミ・オナガバチ
平成23年7月13日 水曜日
連日、30度を超える真夏日が続いています。クラブ特別週間も3日目に入りました。
ナワシロイチゴの実がいつのまにか熟していました。この時期が苗代をつくる時期と重なるため
「ナワシロイチゴ」と名付けられたのですが、田植えの時期が変わってしまったため、
今では二つの時期が一致しなくなってしまいました。
ニイニイゼミの抜け殻を見つけました。ニイニイゼミの抜け殻は泥にまみれているため他の種との見分けが
容易につきます。中学3年生の教科書に載っている、西東三鬼の「岩に爪たてて空蝉泥まみれ」という句の
「空蝉」はニイニイゼミの抜け殻のことだと思われます。
廊下でオナガバチを見つけました。長い産卵管を持つハチです。
不二聖心の雑木林では実際に産卵の場面を観察することもできます。
2011.07.13
高校3年生の短歌⑨・アレチハナガサ
平成23年7月12日 火曜日
高校3年生の短歌を紹介します。
もうすぐで待ちに待った夏休みだけど今年は勝負の夏
夏祭り浴衣でひらひら華麗に変身特権だよね女の子だけ
休日はどうしてこんなにすぐ過ぎる時の流れが特急列車
疲れたらお話しましょう お供には甘いココアと焼きたてお菓子
節電を呼びかけ世間はエコモード 私はアイスで美味しく節電
しらぬ間に夢の世界にダイビング シャーペン落として現実世界へ
リルケさんせっかく手紙を書いたのに若き詩人は詩人にならず
毛むくじゃら分かるよ分かるよ私も暑い扇風機を独占我が家の愛犬
なでしこの華麗なサッカー美しい日本の女性はやっぱり強い
パスワード考えぬいて決めるけど使うころにはすっかり忘れる
クラブ活動週間も2日目に入り、夏休みが少しずつ近づいてきているのを感じます。
裏の駐車場では暑さのなかアレチハナガサが可憐な花を咲かせていました。南アメリカ原産の帰化植物で、
不二聖心でも毎年見かける花です。
2011.07.12
ウズグモ・トゲナナフシ
平成23年7月11日 月曜日
夕方、校舎内の戸締りを確認していたらヒグラシの声が遠くから聞こえてきました。
これからは毎日のようにヒグラシの声が聞けると思うとそれだけでうれしくなります。
ウズグモの仲間の巣が雑木林で目立つようになってきました。写真は昨日撮影したものです。
蜘蛛の巣の張り方も種類によって実にさまざまでそれだけ でも生物の多様性を感じることができます。
個体を採集して写真を撮り専門家に同定を依頼したところ次のような返事をいただきました。
トウキョウウズグモ属の一種で,カタハリウズグモ,ヤマウズグモ,エゾウズグモのいずれかのメスですが,
どれであるかは外雌器を見ないと特定できません.
一つの種を特定することの難しさを改めて感じました。
トゲナナフシが校舎の裏にいました。上の写真は見つけた時の姿で、下の写真はこちらの動きを察して
木の枝にすっかり擬態してしまった姿です。擬態もユニークですが生殖の仕方もユニークで、
トゲナナフシはすべての個体が雌で単為生殖をするという不思議な生き物です。
2011.07.10
モリアオガエル・カブトムシ・ハチモドキハナアブ・ルリジガバチ
平成23年7月10日 日曜日
今日も裾野市は快晴でした。
不二聖心の近くを流れる黄瀬川では小学生が川に飛び込んで遊ぶ姿も見られました。
生き物たちの動きもますます活発になってきています。
茶畑の池ではモリアオガエルの子どもが既に陸上にあがってきていました。
すでにモリアオガエルらしい立派な手をしています。
雑木林の樹液にもたくさんの虫が集まってきていました。その中からカブトムシのメスと
ハチモドキハナアブの写真を撮りました。ハチモドキハナアブを見るたびに擬態の神秘を感じます。
駐車場の裏のヤブガラシの花にはルリジガバチが来ていました。
ルリジガバチは幼虫の餌としてクモを狩ります。ヤブガラシの花の近くにはいろいろなクモが潜んでいます。
2011.07.09
オオバノトンボソウ
平成23年7月9日 土曜日
東海地方は昨日、梅雨が明けました。不二聖心では初めて蝉の声も聞かれました。
夕方6時過ぎにはホトトギスが鳴いていました。生き物の声で賑わう本格的な夏の到来です。
今日はラン科ツレサギソウ属のオオバノトンボソウの写真を撮りました。5つの県で絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されている希少種です。花の形がトンボに似ているところからトンボソウと名付けられたそうです。
昨年とは全く違った場所で花を咲かせていました。
2011.07.08
ヒヨドリバナ
平成23年7月8日 金曜日
ヒヨドリバナの花がもうすぐ咲きそうです。ヒヨドリバナは、夏の間、不二聖心のあちらこちらで
目にすることのできる植物です。ときどきジェミニウ イルスによって黄色く変色している葉をみかける
ことがありますが、今日見た葉は葉脈にそって切れ込みが入っていました。何者の仕業か不明です。
2011.07.07
グッピーの稚魚・アカメガシワの花
平成23年7月7日 木曜日
高校3年生が教室で飼育していたグッピーが稚魚を産みました。生徒たちも大喜びです。
不二聖心のあちらこちらで道が黄色に染まっているのを見かけます。アカメガシワの花が道路一面に落ちて
広がっているためです。写真の花は牧草地のアカメガシワで花は終わりかけています。
よく見るとクモが1匹隠れて訪花する虫を待ち伏せしているの がわかります。
この1匹のクモが、アカメガシワの花が多くの命を養っていることを証しています。