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フィールド日記

2011.07.06

高校3年生の短歌⑧・ツチアケビ・アジサイと子猿

平成23年7月6日 水曜日

高校3年生が詠んだ短歌を紹介します。

 かき氷みぞれ金時ブルーハワイこれからますます美味しい季節
予備校でどんなに帰り遅くても待っててくれる母に感謝
じめじめじめ洗濯物が乾かない母の機嫌も直らない
深夜2時突然課題を思い出し月明かりの中数学を解く
貯金箱100円入れてほくそ笑む頑張れ弟目指すは100万
さけられない母とのけんかどうしてもいつも後悔さっきの一言
「何が欲しい?」聞くと即答「iPhone!」と答える祖父はまだまだ若い
原宿は個性的な人ばかり田舎な私ついつい見ちゃう

不二聖心内におけるツチアケビの生息が平本政隆先生によって確認されました。ツチアケビは、
7つの県で絶滅危惧種に指定されています。また1種、不二聖心に生息する希少種の数が増えました。


朝、坂道を登ってくる時にサルと出会いました。写真のサルはまだ赤ちゃんのサルです。

2011.07.05

ニガイチゴの実・モリチャバネゴキブリ

平成23年7月5日 火曜日

 牧草地の脇にニガイチゴの実がたくさんなっていました。
背後に小さく写っている赤いものもすべてニガイチゴの実です。


モリチャバネゴキブリの写真を撮りました。名前の通り、人家の中ではなく森に生息するゴキブリです。

2011.07.03

オニシバリの実・ジャコウアゲハの幼虫・ゲホウグモの卵のう

平成23年7月3日 日曜日

 オニシバリの実を見つけました。針葉樹の林の暗がりの中で一際美しい輝きをはなっていました。
「鬼縛り」という恐ろしい名前の植物ですが、その実は実に可憐です。

 ジャコウアゲハの幼虫を見つけました。いつ見てもその特異な姿かたちに圧倒されてしまいます。

 卵のうについている小さな点のようなものが何かわかるでしょうか。蜘蛛の子どもです。雑木林 の縁で二つ、同じような卵のうを見つけることができました。ゲホウグモの卵のうと思われます。ゲホウグモは夜行性で目の細かい円網を張ります。昼間は木の こぶに擬態していますのでなかなか見つけることができまんが、
卵があるということは、間違いなく親もどこかに潜んでいるということです。

2011.07.03

オオシオカラトンボ・カツオゾウムシ

平成23年7月2日 土曜日

 いよいよ7月に入り、夏の生き物たちの姿がたくさん見られる時期に入ってきました。
夏に不二聖心の茶畑の池で最もよく見られるトンボはオオシオカラトンボです。写真のトンボはオスで、
メスの体色はくすんだ黄色です。

 イタドリの葉の上にカツオゾウムシがいました。体の形と表面の色が鰹節に似ているところから
カツオゾウムシと名付けられました。
 

2011.07.02

ムラサキツユクサ・ビヨウヤナギ・オジロアシナガゾウムシ

平成23年7月1日

 今、正門近くの花で一際目を引いているのがムラサキツユクサとビヨウヤナギです。ムラサキツユクサは
放射線の照射によって染色体の異常が起こりやすい植物で、放射線生物学の研究材料として用いられています。

 ビヨウヤナギは白居易の長恨歌に出てくる花として有名です。白居易は玄宗皇帝の妃、
楊貴妃の美しさをビヨウヤナギにたとえてその詩に詠んでいます。

 パンダカラーのオジロアシナガゾウムシを同時に3匹見つけました。
オジロアシナガゾウムシの食草はクズですが、今日見つけた3匹はすべてヤブマオの葉の上にいました。

2011.06.30

みこころの祝日の奉仕活動・ガクアジサイ・クマバチ・テングタケダマシ

平成23年6月30日

 今日は「みこころの祝日」でした。先ず御ミサをし、そのあとで全校生徒が奉仕活動をしました。
なかには炎天下、道路脇の草取りを2時間続けて行った生徒もいました。暑さで顔を真っ赤にしながら
一生懸命に作業をしていました。

 ひと仕事終えた生徒たちの達成感あふれる表情です。以前、不二聖心に勤めていらした先生で
「神様が見ていてくださればそれで十分」とよくおっ しゃっていた方がいました。
きっと神様は今日の生徒たちの行いを喜ばれることでしょう。生徒の表情を見ていると、
みこころの祝日に奉仕活動をして一日を過 ごすのは、みこころにかなう過ごし方だと改めて思います。

 奉仕活動の下見をするために朝7時過ぎに「温情の灯」の碑の近くに行き、あたりの様子を見て いたら、
ガクアジサイにクマバチがやってきました。クマバチもなかなか早起きです。外側の花びらのように見える部分は咢でクマバチは見向きもしません。虫 たちの動きを見ていると花の構造がよくわかります。

 テングタケダマシがここまで成長しました。昨日の姿からまたずいぶん変化しました。
一日の時間の経過を感じます。

2011.06.29

今朝の富士山・テングタケダマシ

平成23年6月29日

 朝から富士山のはっきり見える快晴の一日となりました。三島市では今年最高の35.3度を記録し、
御殿場市では6月の観測史上最高の32.7度を記録しました。生徒も暑さによく耐えて頑張っていました。

 テングタケダマシをまた見つけました。コケの生えた土の塊を押し上げて成長している様子がわかります。

2011.06.27

キンケハラナガツチバチ・エビイロカメムシ・カバキコマチグモ・ホタルブクロ

平成23年6月27日

 今日は久しぶりにすすき野原を歩いてみました。
まず見つけたのは、キンケハラナガツチバチのメスです。なかなか大型の個体です。コガネムシの幼虫に
寄生するという、極めてユニークな生態を持っているハチです。キンケハラナガツチバチがどのコガネムシに
寄生するのかはまだわかっていません。
ツチバチの興味深い生態については、集英社文庫の『ファーブル昆虫記』(奥本大三郎訳)の第2巻の
「コガネムシを狩るツチバチ」に非常にわかりやすく解説されています。

イネ科の植物の汁を吸うエビイロカメムシがススキの葉の上にいました。


ススキの葉を食べ物にしている種もいれば、巣の材として活用する種もいます。
下の写真はカバキコマチグモの巣です。ススキの葉を巧みに細工して巣を作っています。
中にはやがて母親となるメスが潜んでいますが、カバキコマチグモの母親は、最後は我が身を子どもに
食べさせてしまうという、驚くべき生態を持っています。神奈川県で雑木林の生物の観察を続ける菅野徹さんは、著書『町なかの 花ごよみ鳥ごよみ』の中で「カバキコマチグモは、ススキの原があれば、
どこにでもいる普通の種類だったが、この十年以上、私の調査区ではまったくいなく なってしまった。
絶滅したのだろうが、原因は不明。」とお書きになっています。幸い不二聖心では今もたくさんの
カバキコマチグモを見ることができます。


すすき野原には、ホタルブクロもたくさん咲いていました。校舎の近くのホタルブクロと比べると花が
一回り大きかったです。今年は不二聖心の図書館の近くでのホタルの目撃情報もあり、
子どもたちがこの花にホタルを入れて遊んだ時代がいっそう偲ばれます。
 

2011.06.26

バッタの羽化・ホタルガ・テングタケダマシ

平成23年6月25日 土曜日

 バッタの羽化の様子を早朝に撮影しました。羽化の時は、無防備な状態で危険に身をさらす時です。
ですから多くの昆虫は、早朝のまだ他の生き物が活 動する前の時間帯に羽化をします。このバッタも数分後には翅を整えて活動できる姿に変わっていました。短時間の観察ではありましたが、
バッタが羽化の時に羽を開くようにして乾かすことを初めて知りました。種の同定については、
専門家の方の意見をうかがおうと思っています。


裏の駐車場で今年初めてホタルガに出会いました。ホタルに似ていることからホタルガと名付けられた蛾です。
羽が伸びきっていないところを見るとこれも羽化直後かもしれません。

 校舎の裏の道でテングタケダマシを見つけました。「山と渓谷社」の『日本のきのこ』という図 鑑には、
テングタケダマシは「今のところ関西以西から知られている」という記述があります。
関西以西のきのこがなぜ不二聖心に生えているのか、これも専門 家の方に質問してみようと思っています。

 自然界にはわからないことがたくさんあります。しかし、その「わからなさ」が自然の魅力でもあります。

2011.06.24

ヒメコウゾ

平成23年6月23日 木曜日

 クワ科コウゾ属のヒメコウゾの実が赤く色づいていました。童謡「赤とんぼ」の歌詞に「山の畑の桑の実を小籠に摘んだはまぼろしか」という歌詞があ りますが、同じクワ科に属するヒメコウゾの実も桑の実と同じような甘い味がします。和紙の原料であるコウゾは、このヒメコウゾから品種改良されて作られたものです。
不二聖心では東名高速沿いの道でたくさんのヒメコウゾの実を目にすることができます。
日本古来の植物と現代文明の象徴が結びついた様子には何と も言い難いミスマッチの味わいがあります。