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フィールド日記

2019.03.17

3月の野鳥の調査

日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が3月の不二聖心の野鳥について調査をしてくださいました。調査の報告書が届きましたので、掲載いたします。

3月度の調査で確認された野鳥は下記の通りです。

1.ヤマガラ      7羽
2.キセキレイ     1羽
3.ヒヨドリ       17羽
4.ハシボソガラス    6羽
5.エナガ        2羽
6.カワラヒワ      4羽
7.メジロ      1羽
8.シジュウカラ     9羽
9.ハシブトガラス    16羽
10.コゲラ     3羽
11.ビンズイ    2羽
12.ツグミ     16羽
13.シロハラ    1羽
14.トビ       2羽
15.ホオジロ    2羽
16.アオゲラ    1羽
17.キジバト     5羽
18.アオジ      6羽
19.ジョウビタキ    2羽
20.カルガモ    2羽
21.シメ       1羽
22.コジュケイ    1羽

【特記事項】
1.ソメイヨシノの古木が有る所にツグミ11羽が見られた。里に来てからは単独行動をしていた冬鳥のツグミが北に帰るために、群れを作り始めているものと思われる。
2.「共生の森」近くでアオゲラが今シーズンに空けた巣と思われる穴を見つけた。アオゲラは枯れていない木の幹に巣穴を空けるのが一般的だが、この巣穴に使用された木は枯れている。このまま順調に巣作りと産卵が進めば、4月末から5月初旬にはヒナが見られる。
3.春の訪れを知らせる下記の花が咲き始めた。
コブシ、ホトケノザ、タチツボスミレ、ワラビ、フキノトウ、ヨモギが出始めた。
4.ヒメフタバランの花芽が膨らみ始めた。

2019.03.15

クモラン

 校内の梅の木にクモランが着生していました。葉緑素をもつ緑色の根が放射状に広がっており、独特な姿をしています。この姿を蜘蛛(くも)に見立てたことが名前の由来です。葉はもっていませんが、代わりに根が光合成をすることで葉の役割も担っています。着生ランは樹木から養分を奪っていると誤解されることもありますが、くっついて生活しているだけで直接養分を奪うことはありません。

 昨年に受粉してできた果実が裂開し、ラン科の特徴であるほこりのように細かい種子が見られました。

2019.03.12

ジンガサゴケ

 職員室前の植え込みでジンガサゴケが雌器托(しきたく)を伸ばし始めました。葉と茎の区別がない葉状体をもつ苔類(たいるい)の仲間です。和名は陣笠苔で雌器托の傘が陣笠の形に似ていることが由来です。しばらくすると、雌器托の傘の裏側に、黒い胞子体が見られるようになります。

2019.03.08

タマキクラゲ

 共生の森のクヌギの枯れ枝にタマキクラゲが発生していました。不二聖心では春によく見られるキノコです。肉質はゼラチン質でやわらかく、食用になるといわれています。

2019.03.05

イナズマハエトリ

 共生の森近くのクリの木の樹上にイナズマハエトリがいました。腹部背面にある稲妻のような模様が名前の由来のようです。ハエトリグモの仲間はいわゆるクモの巣をつくらず、歩き回って小さな虫などを捕らえています。


 そのため、ハエトリグモは大きな眼をもつことが特徴です。この大きな眼でしっかり獲物を見て捕らえます。

2019.03.01

タネツケバナ

 マリア館前の花壇には前回紹介したミチタネツケバナに交ざって在来種のタネツケバナも咲いています(写真の中央がミネツケバナ、左奥がミチタネツケバナ)。ミチタネツケバナに比べ茎の上の方にも葉をつけ、果実は茎に対してやや開いた角度で立つことが特徴です。


 また、茎や葉に毛があることも本種とミチタネツケバナと見分けるポイントです。和名は種漬花で、イネの種を水につけて苗を育てる準備をする時期に咲くことが由来といわれています。

2019.02.26

ミチタネツケバナ

 マリア館近くの花壇にミチタネツケバナが咲いています。在来種のタネツケバナに似ていますが、ヨーロッパ原産の帰化植物で1992年に国内への定着が報告されました。葉は茎の下部に集まってつき、茎の途中にはあまり見られないことが特徴です。


 また、茎に毛が無く、葉の付け根に刺毛状の毛が散生することもタネツケバナと区別するときのポイントになります。

2019.02.24

2月の野鳥の調査

日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が2月の不二聖心の野鳥について調査をしてくださいました。調査の報告書が届きましたので、掲載いたします。

2月度の調査で確認された野鳥は下記の通りです。

1.ヒヨドリ     14羽
2.ホオジロ      3羽
3.メジロ      4羽
4.ハシブトガラス    26羽
5.ヤマガラ      2羽
6.トビ         2羽
7.ハシボソガラス    2羽
8.エナガ        7羽
9.シジュウカラ     9羽
10.ウグイス     1羽
11.ジョウビタキ     2羽
12.カワラヒワ     2羽
13.アオジ     6羽
14.キジバト   20羽
15.コゲラ     1羽
16.キセキレイ    2羽
17.シメ       3羽
18.ミソサザイ    1羽
19.ガビチョウ     1羽

【特記事項】
1.私たちは寒い寒いと言っていますが、生き物たちは着実に春を感じています。下記の野鳥は地鳴きと囀りの両方をするようになりました。
ホオジロ、シジュウカラ、ヤマガラ、ガビチョウ(外来種)
2.オニシバリの花が咲き、芳香を放っています。
3.「温情坂」の小川でミソサザイを初めて確認しました。不二聖心女子学院で確認できた野鳥は60種となりました。ミソサザイは標高700m程度から森林限界に近い所で繁殖を行い、冬期には一部が標高の低い所に下りて来ますが、標高200m近くまで下りてくるのは意外でした。小川のうす暗い地面を数十センチメートルから1メートル程度素早く移動していました。
4.第二オークヒルにある「牛の水飲み場」でトビがオオカナダモを引き抜こうとしている行動をみました。トビは雑食性ですがオオカナダモを食料にするとは考えにくく、巣材の一番内側に使用するものと推察されます。

2019.02.22

ツチイナゴ

 共生の森にツチイナゴが見られました。名前の通り土のような茶色をしています。九州以北に分布するバッタとしては唯一、成虫で越冬することで知られています。越冬中は草の根元などでじっとしているようですが、この日は比較的暖かかったので活動していたのかもしれません。

2019.02.19

ハクテンゴケ

 オークヒルのクヌギの樹幹にハクテンゴケが見られます。菌類と藻類の共生体である地衣類の仲間です。ウメノキゴケに似ていますが、偽盃点(ぎはいてん)と呼ばれる白い点があることが名前の由来です。また、粉芽(ふんが)と呼ばれる藻類の細胞に菌類の菌糸がからみついた構造をつくるのも特徴で、粉芽が飛んでいくことで新たな仲間を増やします。