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フィールド日記

2019.04.19

サルトリイバラ

校内の林縁でサルトリイバラが咲いています。つる性で、茎はところどころにトゲがあり、ジグザグに伸びる特徴があります。和名は、猿捕り茨(サルトリイバラ)で、サルが絡まって捕らえられるという意味です。若芽は山菜として食用にされ、葉は餅を包むのに使われることもあります。

2019.04.16

スズメノヤリ

校内の芝地にスズメノヤリが咲いています。茎の先端の花の集まりが、大名行列で用いられた毛槍(けやり)に似ていることが和名の由来です。

1つの花で雌しべが成熟する時期と、雄しべが成熟する時期が分かれている雌雄異熟(しゆういじゅく)という特徴をもっています。下の写真の左は雌性期で、成熟した白い柱頭が見えます。右は雄性期で、柱頭はしおれて雄しべが成熟しています。自分の花粉で受粉してしまうことを避け、遺伝的な多様性を保つ工夫と考えられます。

2019.04.12

カキドオシ

キャンプ場の近くでカキドオシが咲いています。和名の垣通し(カキドオシ)は、垣根を越えて繁茂していく様子に由来しています。花は直立する茎につきますが、花後は横に伸びる匍匐枝(ほふくし)を出して広がっていきます。

花はシソ科らしい唇形花です。

2019.04.09

キランソウ

校内の道端や芝地でキランソウが咲いています。雑草として見過ごされやすいですが、よく見ると可愛らしい唇形花を多数つけています。


また、ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)という変わった別名をもっています。下の写真のように地面にへばり付くように生える様子や、薬草として利用され病気を治す(=地獄の釜の蓋が閉じる)ということが由来のようです。

2019.04.05

フデリンドウ

ススキ野原でフデリンドウが咲いています。青紫色のかわいらしい花ですが、小さく目立たないため、注意しないと見逃してしまいます。ススキ野原は不二農園の方々によって「茶草場」として管理され、毎年冬に草刈りが行われています。そのおかげでフデリンドウの生育に適した日当たりの良い草地が維持されています。

2019.04.02

スズキクサカゲロウ

ヒノキ林の林縁でスズキクサカゲロウを見つけました。幼虫も成虫もアブラムシなどを捕食しています。クサカゲロウの仲間は外見がとても似ているため見分けるのが難しいですが,頭部の斑紋によってある程度識別することができます。


下の写真は頭部を拡大したものです。複眼が虹色に輝いていて綺麗です。

2019.03.29

マキノゴケ

裏道でマキノゴケが胞子体を伸ばしていました。日陰の湿った土や岩の上に生える苔類の仲間です。先端に黒い朔(さく)をつけて伸びる胞子体は、まるでマッチ棒のように見えます。朔の中には胞子が入っており、間もなく裂けて胞子を飛ばすと思われます。蘚類の胞子体は胞子を飛ばした後も比較的長く残りますが、苔類の胞子体は数日で朽ちてしまうことが多いです。苔類であるマキノゴケが、マッチ棒のような胞子体を伸ばす様子は今の時期しか見られない光景と言えます。

2019.03.26

ヒサカキ

校内でヒサカキが開花しています。独特な強い芳香があるため、校内の森を歩いていると、花を見つけるより先に、匂いでヒサカキが咲いていることがわかります。一般には雄株と雌株に分かれており、下の写真は雌株の雌花で、先端が3つに分かれた雌しべが見られます。

下の写真は雄株の雄花です。多数の雄しべが見られ、雌花に比べてやや大きめです。形も雌花が杯型なのに対し、雄花は鐘型が多いようです。

2019.03.22

ジャゴケ

ジャゴケが雌器托(しきたく)を伸ばしています。ジャゴケは苔類の仲間で、湿った地面によく見られます。葉状体の模様がヘビのうろこのように見えることが名前の由来です。


ジャゴケの雌器托は一見するとキノコのように見えます。しかし、傘の裏側からは黒い胞子体が見えており、ジャゴケの雌器托であることがわかります。

2019.03.19

コハコベ

お茶畑にコハコベが咲いています。畑や路傍に見られる最も普通な雑草の一つです。一般にハコベと呼んでいるものにはこのコハコベと近縁のミドリハコベがあります。両者は雄しべの数や種子に見られる突起によって区別されますが、判断に迷う個体もあるようです。今回は雄しべの数が3~5本と少ないものが多かったので、コハコベと判断しました。ミドリハコベは8~10本あるものが普通なようです。

下の写真は花を拡大したものです。花弁は5枚と数えます。一見して10枚に見えるのは1枚の花弁が2つに深く裂けているためです。