フィールド日記
2018.12.25
セイタカアワダチソウ
共生の森のセイタカアワダチソウが果実をつけています。北アメリカ原産の帰化植物で、明治時代に観賞用として輸入されたと言われています。和名は秋に咲く黄色い花の泡立つように咲く姿に由来するという説と、写真のような冠毛のある果実の姿に由来するという説があります。しかし、もともとアワダチソウは在来種のアキノキリンソウの別名なので、単純にアワダチソウ(アキノキリンソウ)と同じ仲間で草丈が高いからセイタカアワダチソウと名付けられたのかもしれません。
2018.12.21
キゴシハナアブ
共生の森でキゴシハナアブを見つけました。キゴシとは黄腰の意味で、腹部の上部が黄色いことが特徴です。ハナアブはハチのような色彩ですが、実際はハエの仲間とされており、人を刺すことはありません。成虫は花の蜜や花粉を食べています。
越冬をするためか、枯れ葉の上でじっとしていたのでじっくり写真を撮ることができました。「個眼(こがん、小さな眼)」が多数集まってできている「複眼(ふくがん)」には粉を散らしたように赤暗色の斑点があることが特徴です。
2018.12.18
センリョウ
聖心坂近くの林内にセンリョウが見られます。前回紹介したマンリョウとともに、正月の縁起物として知られています。万両(まんりょう)に対してやや実の数が少ないため千両(せんりょう)とされたと言われています。赤い実や名前だけを見ると近い仲間のようですが、マンリョウがサクラソウ科に対し、センリョウはセンリョウ科と、植物の仲間としては遠い関係にあります。
2018.12.14
マンリョウ
校内のマンリョウの果実が赤く色付いています。比較的日陰を好み、校内ではヒノキ林の林床や植木の陰でしばしば見られます。和名は万両(まんりょう)の意味で江戸時代から正月に赤い実を多数つける縁起物として知られているそうです。不二聖心ではこの赤い実を、クリスマスリースの飾りに使用しています。
2018.12.11
クロヤツシロラン
校内の竹林でクロヤツシロランと思われる果実を見つけました。クロヤツシロランは自ら光合成をせずに、完全に菌類から栄養をもらって生きている菌従属栄養植物です。花は黒っぽく地面から数cmの所で咲くのであまり目立ちませんが、花後に写真のように茎が急速に伸び、目立つようになります。
下の写真は裂開した果実です。ラン科の特徴であるホコリのように細かい種子が見られました。クロヤツシロランは静岡県では準絶滅危惧種とされています。今後も観察を続け、来年は花を確認したいと思います。
2018.12.07
チカラシバ
共生の森にチカラシバが群生しています。試験管を洗うブラシのような花穂が特徴です。また、しっかりと根を張り、引き抜くのに力がいることが和名の由来です。
2018.12.06
11月の野鳥の調査
日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が11月の不二聖心の野鳥について調査をしてくださいました。調査の報告書が届きましたので、掲載いたします。
11月度の調査で確認された野鳥は下記の通りです。
1.ヒヨドリ 38羽
2.ホオジロ 4羽
3.メジロ 7羽
4.ハシブトガラス 23羽
5.ヤマガラ 4羽
6.カケス 1羽
7.ハシボソガラス 2羽
8.モズ 1羽
9.シジュウカラ 4羽
10.ウグイス 4羽
11.トビ 3羽
12.カワラヒワ 1羽
13.アオジ 2羽
14.キジバト 4羽
15.コゲラ 1羽
16.エナガ 3羽
17.ジョウビタキ 2羽
18.ガビチョウ 3羽
19.ソウシチョウ 3羽
【特記事項】
1.夏に山地で子育てを終え、秋から春先にかけては平地でも見られる、漂鳥のカケスが確認された。
2.冬鳥のジョウビタキが確認された。裾野市では10月25日前後に初認されることが多い。危険を冒し海を渡り群れで日本の山地に飛来した時には皆仲良しだが、春先までを過ごす場所に来ると、激しい縄張り争いを繰り広げる。車のサイドミラーに映った自分の姿をライバルと勘違いし、糞をかけたり体当たりをする行動が見られる。カーブミラーに向かっても同じような行動をとる。
3.フユイチゴの赤い実を見るたびに、来年こそは白い花を見たいと思うのだが今年も見ることなく、赤い実を見る事になった。
2018.12.04
ヒメアカタテハ
グラウンドのフェンスにヒメアカタテハがとまっていました。幼虫はヨモギなどを食草とし、身近な場所でよく見られるチョウです。幼虫で越冬することが知られていますが、成虫で越冬することもあるようです。この個体は近づいても動かずにじっとしていました。
2018.11.30
ツルグミ
校内のヒノキ林の林縁にツルグミの花が咲いていました。和名はつる性のグミを意味し、4月ごろに赤く熟す果実は他のグミの仲間と同様に食用となります。
つる性と言っても、他の植物に巻き付いたりすることはなく、長い徒長枝を伸ばし寄りかかかるように生育している様子をよく見ます。