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フィールド日記

2016.10.23

「共生の森」のシイタケ豊作

 「共生の森」のシイタケが、これまで見たことがないほど、たくさん発生していました。10月12日に確認した時には皆無でしたから、わずか10日で写真の状況が作られたことになります。裾野市で作られた新種のシイタケ菌の成長する力に驚いてしまいました。


今日のことば

田の畔を宮沢賢治行くように首かたむけて青鷺は行く   藤本都

2016.10.16

たわわなグミの実とハラビロカマキリ

 共生の森に今まで見たことがないような、たわわに実をつけたグミの木を見つけました。長年樹木を見続けてきた森の専門家の方もこのような例は見たことがないそうです。

実の近くにハラビロカマキリが来ていました。実に集まる生き物をねらっているようです。共生の森は生物多様性の森として着実に育ちつつあります。


今日のことば

文学はもの言はぬ神の意志に言葉を与えることだ。   芹沢光治良

2016.10.12

コゲラ

 1時間目に中3松組で授業をしている時に生徒がコゲラ(日本最少のキツツキ)が巣作りをしているのを見つけました。体を中に入れ込む姿も観察できましたので、これは間違いなく採餌ではなく巣作りだと考えられます。

今日のことば
何時もなら必ず曲るこの角をも少し行かう夕焼けの富士   近藤昭三

2016.10.07

ナンバンギセル  ハチクマ

ナンバンギセルを確認しました。不二聖心では8月から咲き始めるナンバンギセルですが、10月に入っても花が見られるとは思いませんでした。

日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が10月4日に不二聖心に隣接するゴルフ場の近くで猛禽類のハチクマを確認なさいました。このハチクマは不二聖心の敷地内を通過している可能性も高いと思われます。
ウィキペディアより
今日のことば
古びたる僧院の庭に立つ毎にしばしの幸はわれを訪ふ 湯川秀樹

2016.10.05

セスジスズメ

 セスジスズメの幼虫を見つけました。この夏、京都でセスジスズメの幼虫をたくさん目にしたことを思い出します。『堤中納言物語』に登場する虫めづる姫君(宮崎駿は風の谷のナウシカの着想をこの姫君から得ました)は、恐ろしい姿の幼虫を集めてはそれが成虫になるのを楽しみしていたと言われます。彼女が愛でた幼虫の中にはこのセスジスズメも含まれていたかもしれません。

今日のことば
この姫君ののたまふこと、「人々の、花、蝶やとめづるこそ、はかなくあやしけれ。人は、まことあり、本地たづねたるこそ、心ばへをかしけれ」とて、よろづの虫の、恐ろしげなるを取り集めて、「これが、成らむさまを見む」とて、さまざまなる籠箱どもに入れさせたまふ。
『堤中納言物語』より

2016.10.02

ツマグロヒョウモン

 日本野鳥の会の滝道雄先生が、野鳥調査の際にツマグロヒョウモンの写真を撮ってくださいました。
ツマグロヒョウモンは温暖化によって生息域を北に広げているチョウで、かつて不二聖心では見られなかった種類です。
左がオスで右がメスです。雌雄を、このようにバランスよく撮った写真はこれまで不二聖心にはありませんでした。



今日のことば

陽は絶えず豪華に捨てている
夜になっても私達は拾うのに忙しい
人はすべていやしい生まれなので
樹のように豊かに休むことがない

谷川俊太郎

2016.09.26

野鳥の生息調査  ショウジョウトンボ

 日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が不二聖心に生息する野鳥の調査をしてくださいました。

今日、確認された野鳥は以下の通りです。
キセキレイ      1羽
ヒヨドリ      16羽
ハシボソガラス    2羽
メジロ        8羽
キジバト       3羽
ヤマガラ       2羽
ハシブトガラス    9羽
アオゲラ       1羽
シジュウカラ     6羽
コゲラ        4羽
ホオシロ       1羽
コジュケイ      1羽
ガビチョウ      1羽
ハクセキレイ     1羽
ウグイス       4羽
コサメビタキ     1羽
カワラヒワ      2羽
エナガ        3羽
セグロセキレイ    1羽
イカル        2羽
カケス        2羽
モズ         1羽
アマツバメ      1羽
ツバメ        3羽
ノスリ        1羽
合計        25種
モズが確認されたところに季節の移りが感じられます。
ショウジョウトンボの交尾行動も確認されたようです。これもまた秋ならではの風景です。
今日のことば
呼んでる口笛 もずの声 ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みつけた
サトウハチロー

2016.09.17

白いヒガンバナ

白いヒガンバナが今年も咲きました。
9月16日の岳麓新聞には次のような記事が載りました。

19日は「彼岸入り」。中北駿でヒガンバナが咲き始め、鮮やかな赤い花でひと足早く秋の訪れを告げている。このところ夏の猛暑も和らぎ、農家では稲刈りシーズンを迎えた。
ヒガンバナはヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。リコリス、マンジュシャゲとも呼ばれる。道端や田んぼの土手に群生し、9月中旬に赤い花をつけるが、まれに白いものも見られる。

不二聖心では2ヶ所で白いヒガンバナを見ることができます。
今日のことば
聴けとこそ千手(せんじゅ)のみ掌(て)の秋の風  中島月笠

2016.09.11

ムラサキシキブ

 ムラサキシキブの実が色づく季節となりました。ムラサキシキブの学名はCallicarpa japonicaです。

Callicarpa(カリカルパ)は、ギリシャ語のcallos(美しい)と carpos(果実)が一つになった言葉です。Japonicaは「日本の」という意味ですから、ムラサキシキブの学名は「日本の美しい実」という意味を持っていることになります。確かに、名前に負けない美しさを持っています。
今日のことば
かぶと虫欲しがり始め四歳が男の子へと向かうこの夏   桜井雅子

2016.09.08

フヨウ

 フヨウが次々に花を咲かせています。オクラの花やムクゲの花にフヨウの花はよく似ていますが、いずれもアオイ科に属しています。遺伝子による分類で「他人の空似」が次々に指摘されている植物分類学の世界ですが、似ていることの意味の大きさを改めて思います。


今日のことば
美しい花がある。花の美しさなどない。   小林秀雄