フィールド日記
2011.11.10
ハナカタバミ Oxalis
2011.11.10 木曜日
正門のところでハナカタバミの花が咲いています。この花はカタバミ属というグループに属し、
同じグループの花が世界中に800種以上分布しています。光に 反応する性質があり、
夜の間は花が閉じてしまいます。お茶畑にたくさん咲いているカタバミも同じような性質を持っています。
The flowers of the cuckooflower blooms at the front gate. The flowers belong to the group named Oxalis in which there are 800 kinds of species. They have a property in response to light, and the flowers are closed during the night. The wood sorrel (Japanese Oxalis) blooming in the green tea plantation of our school has a similar property.
今日のことば Today’s Words
Fifty years have passed. Peter is still one of my dearest friends. For the last 30 or so many years he has made the Orkney Islands his home. This summer I went to ask him for advice on the directions we should take with our woodland research. His words were simple, but I knew exactly what he meant. “Always look for the connections,” he said.
C.W.NICOL
2011.11.09
モリオカメコオロギ
2011.11.09 水曜日
お茶畑の中でモリオカメコオロギが鳴いていました。静かで美しい声でした。
日本には約1000年前から鳴く虫の声を味わう文化があります。不二聖心にはたくさんの鳴く虫が生息していて、そのような日本文化を大切にする心を培うことができます。
This morning I heard a voice of a small cricket in the field of Japanese green tea in Fuji Sacred Heart. It was a soft and beautiful voice. We Japanese have had a culture of loving voices of singing insects for about one thousand years. There are many kind of singing insects in Fuji Sacred Heart and we can cherish the culture.
今日のことば
どのように生きるかということよりも、ただ生きてこの世に存在しているということ自体が、
すでに驚くべき価値ある行為であるように思えてくる。
五木寛之
2011.11.08
オオヒラタシデムシ
平成23年11月8日 火曜日
お茶畑の楓の木の上をオオヒラタシデムシが歩いていました。「死んで出で来る虫」という意味で
「シデムシ」という名前が付けられたことからもわかるように、シデムシは生き物の死骸を食べる虫として
知られています。不二聖心には何種類かのシデムシが生息していて中には絶滅危惧種に属する
シデムシもいますが、最もよく見かけるのは、このオオヒラタシデムシです。
多くの人に好かれる虫ではありませんが、死骸を食べるという大切な役割を自然界の中で担っています。
今日のことば
学べば学ぶほど、
自分がどれだけ無知であるかを思い知らされる。
自分の無知に気付けば気付くほど、
よりいっそう学びたくなる。
アインシュタイン
2011.11.07
タンザワフキバッタ
平成23年11月7日 月曜日
今日も11月にしては暖かく、いろいろな生き物の姿が見られました。
下の写真のバッタは、タンザワフキバッタです。東名高速沿いの植込みでじっとしていました。
フキバッタの仲間は翅が小さくて飛ぶことができないため移動 能力が低く、種分化が進んでいます。
タンザワフキバッタの分布域も限定的で平塚市の博物館の資料を見ると、生息域が神奈川県西部に著しく
偏っていることが わかります。その分布域はおそらく途切れることなく富士山の裾野まで続いているのでしょう。
生物相の視点から見ると、静岡県東部は、静岡県西部よりも神奈 川県西部に近いと言える面が多々あるようです。
今日のことば
地球なみの文明を持った惑星は宇宙全体に二、三百万あるだろう。
しかしそうした星はその文明なるもののために循環が狂い極めて不安定となり、
宇宙時間でいえばほとんど一瞬に、地球時間でいえばせいぜい百年ほどで滅びてしまう。
ホーキング博士
2011.11.06
テントウムシ
平成23年11月6日 日曜日
テントウムシもそろそろ越冬の準備に入る頃ですが、11月中はまだその姿を見ることができます。
上の写真のテントウムシはセイタカアワダチソウの 花を観察していて見つけました。
これは、種名もテントウムシです。この種は斑紋が多様であることで知られています。
下の写真は6月21日に築山で撮影した ものですが、同じ種とは思えないほどに翅の模様が異なります。
この模様の割合は地域差があると言われます。不二聖心のテントウムシの斑紋を調査したら、
面白い結果が得られるかもしれません。
今日のことば
ほんとうに、自分をすべてのものから
逆らいようもなく、そっとへだてる
暗さを知らない者は
賢くはないのだ。
不思議だ、霧の中を歩くのは!
人生とは孤独であることだ。
ヘルマン・ヘッセ
2011.11.05
アリジゴクの巣
平成23年11月5日 土曜日
ウスバカゲロウの幼虫(アリジゴク)の巣を2か所で発見しました。1か所は特別第3教室の下で、
もう1か所は葡萄園の跡地の一角です。ウスバカゲロウは夏に活動するものと思い込んでいましたので、
これには驚きました。
下の写真が巣の写真ですが、巣作りには物理学の法則が生かされています。
アリジゴクは砂を巣の外に投げたすことで穴を掘っていくのですが、その投 げる角度は約47度で、
物体を最も遠くに飛ばすことができる45度に極めて近いと言われています。
しかも砂の粒子の大きさに応じて投げる距離を調整してい るというのです。
これらのことを知ると穴の見え方がまったく違ってきます。
今日のことば
好きなもの というのは
たいせつ です
わたしのたいせつなものは
「生きていること」です
そのせいでしょうか わたしは
ふしあわせも 愛します
工藤直子
2011.11.04
ホオジロ
平成23年11月4日 金曜日
信じがたいことですが、今日もアブラゼミの声を聞きました。一時的なものではなく、
長い時間鳴き続けていました。かなりの人がその声を耳にしたはずです。
もう一つ、心に残る声を聞きました。ホオジロの声です。桜の木のてっぺんで、何度も何度も鳴いていました。
今日のことば
人間とは常に人間になりつつある存在だ
かつて教えられたその言葉が
しこりのように胸の奥に残っている
成人とは人になること もしそうなら
私たちは日々成人の日を生きている
完全な人間はどこにもいない
人間とは何かを知りつくしている者もいない
だからみな問いかけるのだ
人間とはいったい何かを
そしてみな答えているのだ その問いに
毎日のささやかな行動で
谷川俊太郎
2011.11.03
フェイジョア
平成23年11月3日 木曜日
秋のつどいが無事終わりました。それぞれの個性が十分に発揮されたとても良い秋のつどいでした。
多くのお客様からいただいた励ましとお褒めの言葉を胸に明日からも頑張りたいと思います。
お天気にも恵まれました。青空を背景にお茶畑の間の上を舞うアサギマダラを、
交通整理をしながら目にすることができました。夕方5時頃からマツムシが鳴きはじめたのにも驚きました。
広いお茶畑に響き渡るマツムシの澄んだ声に心が癒される思いでした。
さて、今日も食べられる不二の植物を紹介しましょう。高3の教室の近くに生えているフェイジョアの実が
今食べごろです。パイナップルのような味のする、南国のおいしい果物です。
今日のことば
君の温もりは
宇宙が燃えていた
遠い時代のなごり
君は宇宙
百億年の歴史が
今も身体に流れてる
光の声が
そら高くきこえる
君も星だよ
みんなみんな
COSМOSより
2011.11.03
フユイチゴ
平成23年11月2日 火曜日
フユイチゴの実が赤く色づき始めました。不二聖心では、裏道や林道でたくさんのフユイチゴを
目にすることができます。フユイチゴはキイチゴの仲間の中でもとりわけ美味で、
以前ワインと一緒に煮てジャムを作りましたが、たいへんおいしいジャムになりました。
今日のことば
路傍の石ころは石ころとしての使命をもち、野の草は草としての使命をもっている。
石ころ以外の何ものも石ころになる事は出来ない。草を除いては他のいかなるものといえども、草となり得ない。
だから、世の中のあらゆるものは、価値的に平等である。みんながみんな、それぞれに尊いのだ。
まどみちお
2011.11.01
クロコノマチョウ
平成23年11月1日 火曜日
「秋のつどい」のための椅子並べを12時30からして、講堂の外に出たら蝉が鳴いていました。
11月に蝉の声を聞いたことが今までにあっただろうかと思います。
この間の日曜日には、クロコノマチョウの写真を撮りました。クロコノマチョウは地球温暖化の影響で
生息域を北に広げているチョウです。かつて静岡にはいなかった南のチョウが10月末に飛んでいるという事実を
どのように受け止めるべきなのでしょうか。
今日のことば
コップの大きさ小ささが問題ではなくて、そのコップなりにいっぱいになっている、
それが自己実現ということだと思うのです。
渡辺和子