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フィールド日記

2011.09.18

ナカグロクチバ・カネタタキ

平成23年9月18日 日曜日

 今日はナカグロクチバの写真を撮ることができました。もともと南方系の蛾で、九州地方でよく見られて
いましたが、温暖化により急速に生息域を北に広げています。昨年は9月21日に撮影しました。
どうやら不二聖心にも完全に定着したようです。

 カネタタキのメスを見つけました。オスは昼も夜もチンチンチンとやさしい声で鳴いています。

 今日のことば

ものを欲しいとおもわなければ
こんなにもおだやかなこころになれるのか
うつろのように考えておったのに
このきもちをすこし味わってみると
ここから歩きだしてこそたしかだとおもわれる
なんとなく心のそこからはりあいのあるきもちである

                   八木重吉

2011.09.17

キマダラセセリ

平成23年9月17日 土曜日

 9月に入ってキマダラセセリの姿をよく見るようになったと感じます。翅の黄色と茶色のコントラストが
美しいセセリチョウです。6月から10月ぐらいまで目にすることができますが、9月に見られる新鮮な個体は、
第3化、つまり今シーズンの3世代目の可能性があります。  

 今日のことば

コノ本ハ深イケレド、コチラノ本ハ深クナイ。アサイ、デス。私が少女時代のすべてを過ごした学校の
西洋人の修道女たちは、そういうふうに、いっていた。深イ、は賞讃のことばで、浅イ、はペケだった。
深イカンガエヲモツ人ニナッテクダサイ。ことあるごとに、彼女たちはそうくりかえした。

                                        須賀敦子

2011.09.16

コウモリガ・アゲハチョウの幼虫

平成23年9月16日 金曜日

 下の写真は9月9日に写したものです。ススキの葉にぶら下がる蛾の写真ですが、コウモリガであることが
わかりました。なんともユニークなとまり方をしていますが、よくよく見てみるとはっとするほど羽の色合いと模様の美しい蛾です。不二聖心初記録です。

 校舎の裏のアゲハチョウの幼虫がだんだん大きくなってきました。

 
今日のことば

私が理想を持ち続けているのは、人間の性は結局、善であることをいつまでも信じているからです。
わたしは世界が荒廃しているのを見、わたしたちさえ も破滅させるかも知れない嵐の近づいている音を聞きます。
わたしは数百万の人々の苦しみを身に感じることができます。しかしそれでも尚かつ、天を仰ぐとき、
すべてはまた正常に帰り、この残虐も終わり、平和と静けさが再び世界を訪れるだろうと思います。

                             アンネ・フランク

2011.09.15

月下美人

平成23年9月15日 木曜日 

 修道院の道の脇で月下美人が咲きました。
上の写真は17時過ぎの花の様子で、下の写真は20時過ぎの写真です。今頃花は満開に近づいていることでしょう。
もともとコウモリが受粉の媒介者となっていた花ですから、蝙蝠の活動時間に合わせて花を咲かせているものと
思われます。他に類を見ない神秘的な美しさでした。

           今日のことば

読書は、人生の全てが、決して単純でないことを教えてくれました。
私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。
人と人との関係においても。国と国との関係においても。
                      
                       皇后美智子さま

2011.09.15

アミメアリの行列・白いヒガンバナ

平成23年9月14日 水曜日

 登校してきた中学1年生が、10メートル近くに及ぶアミメアリの行列を見つけて報告してくれました。
これほどの行列がどのようにしてできるのか、不思議でたまりません。

 白いヒガンバナが図書館の花壇とコンテナの裏に咲いています。なぜかこのあたりは皆、赤ではなく
白いヒガンバナです。先日、『しずおか歌枕紀行』(田中章義)という本を読んでいて、
「『秋だね』とつぶやく亡母(はは)のいるごとしバス待つふる里 曼珠沙華咲く」(相原明子 旧大仁町)
というヒガンバナの歌に出会いました。

 今日のことば

人と人とのあいだを
美しくみよう
わたしと人とのあいだをうつくしくみよう
つかれてはならない
                     八木重吉

2011.09.14

ホソヒラタアブとクズの花

平成23年9月13日 火曜日

 ホソヒラタアブがクズの花目指して飛んでくる瞬間の写真を撮りました。マメ科の花の多くは蝶形花と呼ばれ、受粉を助けてくれる虫を招くために、入り口に虫がとまれる場所をきちんと用意しています。

 今日のことば

主客、相対、対抗、二元をこえた不二のところ、絶対的な一を求めねばならない。

                                  中野孝次

2011.09.12

宮古市への支援物資梱包・オナガササキリ・トリノフンダマシ

平成23年9月12日 月曜日

今朝は、さわやかな秋空の下に、たなびく雲と美しい富士山の姿が見られました。

 放課後、温情の会委員会のメンバーが宮古市への支援物資を梱包しました。物資は明日、発送され、
カトリック宮古教会を通じて週末のふれあいバザーで活用されます。

 不二聖心のバッタ目(直翅目)の生物相はまだまだよくわかっていません。
今朝は、オナガササキリの写真を撮りました。長い産卵管が大きな特徴となっています。不二聖心初記録です。

 日本のいくつかの県で絶滅危惧種に指定されているシロオビトリノフンダマシを不二聖心では頻繁に見かける
ことができるのですが、トリノフンダマシについては、これまで一度も目撃することができていませんでした。
それが今朝、偶然目にすることがで きました。いったいどれだけの時間を経て、
鳥の糞とよく似た姿に変わっていったのでしょうか。進化の不思議を感じます。これも不二聖心初記録です。

 今日のことば

強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない。
                     レイモンド・チャンドラー

2011.09.11

ワレモコウ・アゲハチョウの幼虫

平成23年9月11日 日曜日

 吾亦紅が雑木林の脇の道に咲いていました。この花を見ると若山牧水の「吾木香すすきかるかや
秋くさのさびしききはみ君におくらむ」という名歌を思 い出します。ちなみに、若山牧水は静岡と
縁の深い歌人で、裾野の地にもたびたび足を運んでいます。
全集には温情舎を訪れた時のことを記した随筆も入りっています。

 校舎の裏でアゲハチョウの幼虫を見つけました。若齢幼虫は、鳥の糞に擬態しています。

 今日のことば

人間はひとくきの葦にすぎない。
自然のなかで最も弱いものである。
だが、それは考える葦である。
              パスカル

2011.09.10

ナンバンギセル

平成23年9月10日 土曜日

 今年もまたナンバンギセルが咲き始めました。ナンバンギセルはススキに寄生する植物として知られています。
万葉人は、この花の姿が物思いにふける 人間の姿を思わせるところから、この花を「思ひ草」と呼びました。
日本の各地で絶滅危惧種に指定されていますが、不二聖心ではたくさんのナンバンギセルを 見ることができます。
今年はススキ以外の植物に寄生するナンバンギセルも発見されています。
掘ってみたら思わぬ発見があるかもしれません。

 

                                                       今日のことば

地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、
孤独にさいなまれたりすることはけっしてないでしょう。たとえ生活のなかで苦しみや心配ごとに
であったとしても、かならずや、内面的な満足感と、生きてい ることへの新たなよろこびへ通ずる
小道を見つけだすことができると信じます。
                                                                   レイチェル・カーソン

2011.09.10

ナガコガネグモ・カンタン

平成23年9月9日 金曜日

 祈りの会が終わり、それぞれの実りを手に生徒たちは帰宅しました。
今日は残暑厳しい一日となり、各地で三十度を超えたようです。相変わらず蝉も声もにぎにぎしく、
夕方にはヒクラシも鳴いていました。
雑木林の横の道にはナガコガネグモが網を張り、その網にバッタがかかっていました。
ナガコガネグモは夏の終わりに成熟するクモですから、下の写真にも季節を感じることができます。

 不二聖心で初めてカンタンの姿を見かけました。カンタンについては、『秋に鳴く虫』(小林正明)の中に
次のような一節があります。 

 カンタンは古くから人々に親しまれてきた秋の虫だ。東京では毎年高尾山などでカンタンの声を聞く会が
開かれているほどである。人気の秘密は、秋の野原にどこからともなく響く幽玄で神秘的な声の美しさであろう。

 今日のことば

あなたが虚しく過ごした今日という日は、

きのう死んでいったものが、あれほど生きたいと願ったあした

趙昌仁