フィールド日記

2017.05.30

ガマズミとアシナガコガネ

 ガマズミの花に多数のアシナガコガネが来ていました。

秋になると無数の赤い実をつけるガマズミですが、あの実を見るためには
今の時期の、受粉昆虫たちの活躍が不可欠です。
今日のことば
生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする
生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ
吉野弘

2017.05.26

コジャノメ

 昼礼広場でコジャノメの写真を撮りました。コジャノメはヒメジャノメに酷似していますが、眼状紋の数で識別することができます。コジャノメは徳島県で絶滅危惧Ⅱ類、山形県と新潟県で準絶滅危惧種に指定されています。「不二聖心のフィールド日記」では初記録となります。また一つ、全国各地で絶滅危惧種に指定されている種が不二聖心で確認されました。

今日のことば
(ジャノメチョウ科の蝶の中には)シベリア型とマレー型の広大な分布圏の間に挟まれて、狭い分布圏をもつ蝶も多い。その中で、日本と対岸の朝鮮、中国東北部、アムールと、日本海を取り巻いたかたちの分布をする一群がまず抽出される。日本から台湾、華中、華南、さらにヒマラヤ山脈に延びる群もある。日本列島特産種もある。これらをそれぞれ、「アムール型、ヒマラヤ型、日本型」と呼ぶことにする。ヒメウラナミジャノメ、キマダラモドキ、クロヒカゲモドキはアムール型、ヒメジャノメ、コジャノメ、ヒメキマダラヒカゲはヒマラヤ型、ヤマキマダラヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ウラナミジャノメは日本型である。  
『海を渡る蝶』(日浦勇)より
 お知らせ
 今年も8月に小学4年生から6年生を対象として「夏休み子供自然体験教室」を不二聖心女子学院で開催します。参加を希望する方はホームページの申し込みフォームからお申し込みください。

2017.05.25

モリアオガエル

全国各地で絶滅危惧種に指定されているモリアオガエルの声が5月16日に不二聖心で初めて聞かれました。そして、今晩、初めてその姿を見ることができました。プールの脇の道を下っている途中でした。もしかしたら繁殖のために築山の池を目指しているのかもしれません。

今日のことば
迫害もペストも、日常のひとつひとつの具体的なことどもを、自分に毎日あたえられる道を、機会を、どんな小さなものでもこれをおろそかにせず、愛をこめて生きてゆくのにくらべると、比較的やさしい問題だということを、けっしてわすれてはならぬのだとおもう。  
須賀敦子
お知らせ
今年も8月に小学4年生から6年生を対象として「夏休み子供自然体験教室」を不二聖心女子学院で開催します。参加を希望する方はホームページの申し込みフォームからお申し込みください。

2017.05.24

ヒメウラナミジャノメ

ススキ野原でヒメウラナミジャノメの写真を撮りました。ジャノメチョウの仲間の中では最もよく不二聖心で見られるチョウです。不二聖心では年3回、発生しているものと思われます。冬になる前に孫の姿までを見ることができるはずです。

今日のことば
もつとも高い芸術はすべてそのやうに、人の魂の底にしみて、霊を目覚めさせるものでなければならないだろう。
東山魁夷

2017.05.22

5月の野鳥の調査 サンコウチョウの鳴き声を確認

 日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が5月20日に不二聖心の野鳥の調査をしてくださいました。

調査結果は下記の通りです。
 1.ヒヨドリ       18羽
 2.ヤマガラ        4羽
 3.ハシブトガラス     12羽
 4.エナガ        15羽
 5.メジロ        10羽
 6.スズメ         1羽
 7.キビタキ        5羽
 8.ツバメ         3羽
 9.ウグイス        9羽
10.ホオジロ        4羽
11.カワラヒワ       6羽
12.ハクセキレイ       1羽
13.イカル         2羽
14.カワウ         1羽
15.ハシボソガラス      3羽
16.シジュウカラ      4羽
17.オオルリ        1羽
18.コゲラ         1羽
19.キジバト        1羽
20.サンコウチョウ     1羽
21.ノスリ         1羽
22.コジュケイ       1羽
23.ガビチョウ       4羽
    合計        23種
 
特記事項:
 1.今年もサンコウチョウの地鳴きを聞く事が出来た。
   「ギュイ ギュイ」と3回鳴いた。
 2.ノスリの声が聞かれた。
 3.15羽のエナガは群れを作り行動していた。
 4.ジエビネの開花を確認した。
サンコウチョウの声が2年続けて確認されました。
次の画像は、富士山麓の野鳥の調査において滝道雄先生の先輩にあたる高橋節蔵先生が撮影した画像です。『探鳥山ある記 ~富士山ろくの野鳥~』から引用しました。不二聖心でもいつかこのような写真を撮ることができる日が来るかもしれません。
今日のことば
Wie es auch sei,das Leben,es ist gut!
何が何であれ、人生はいいものだ。    ゲーテ

2017.05.21

マルバウツギとツュンベリー

 裏道の沢の近くにマルバウツギが咲いています。マルバウツギは、卯月に咲くことから卯の花と名付けられた植物の一種です。5月21日は旧暦では4月26日で、まだ卯月です。ウツギとよく似ていますが、葉の形で識別することができます。リンネの弟子で1775年に長崎の商館医として来日したツュンベリーは箱根の植物を多数、採集調査しスウェーデンに持ち帰りました。その中にはウツギの仲間も多数、含まれていましたが、マルバウツギと名前の付けられた標本にはマルバウツギとウツギの両方が含まれていました。分類学の祖、リンネのお弟子さんもウツギの識別には苦労をしたようです。

今日のことば
卯の花のにおう垣根に
ほととぎす早も来啼きて
忍音もらす夏は来ぬ
文部省唱歌「夏は来ぬ」より


 お知らせ
 今年も8月に小学4年生から6年生を対象として「夏休み子供自然体験教室」を不二聖心女子学院で開催します。参加を希望する方はホームページの申し込みフォームからお申し込みください。

2017.05.17

森の健康診断とヤマアカガエル

 今日は愛知県の矢作川水系森林ボランティア協議会の方々の御指導のもと森の健康診断が行われました。生徒たちは学校林の中に入って、ヒノキの樹高と幹の太さを計り、木の混み具合が適正であるかどうかを科学的に診断しました。

日本の山林を守ることにつながる「森の健康診断」について体験を通して深く理解する時間となりました。この診断結果をもとに11月には実際に間伐を体験します。

林床には全国各地で絶滅危惧種に指定されているヤマアカガエルがいました。森が健康になることは、ヤマアカガエルなどの希少種を守ることにもつながっていきます。


今日のことば

トキなど目立つ生物は保護するのに、昆虫には目がいかない。しかしトキでもゴキブリでも、種としてのかけがえのなさには変わりはないんです。
丸山宗利

2017.05.07

ナツグミとジャコウアゲハ

共生の森でキビタキの美しい囀りが聞かれる季節になりました。
ナツグミの花が満開となり、むせかえるような芳香を放っています。花を求めてたくさんの虫がやってきていました。
中心に写っているのはジャコウアゲハです。



今日のことば

囀りやひとり住居(ずまい)に箸溜まり   岡本眸

2017.05.04

ゼンマイハバチ

 今年の連休は好天に恵まれ、富士山もほぼ毎日姿を見せています。


ゼンマイの若葉がゼンマイハバチに食べられていました。約1時間後に同じ場所を通過したら、葉は1枚も残っていませんでした。このようにして食べつくされたゼンマイは最初から成長し直します。ところが若葉が育つ頃にゼンマイハバチの第二世代に狙われ、また食べ尽くされてしまいます。これはゼンマイハバチの実に巧妙な生存戦略だと言われています。



今日のことば

 春から初夏にかけての季節を、ぼくは子どものころから好きだった。春から初夏にさしかかるころの野山のあの若々しさ、あのなんともいえない息づきとにぎわい。それは子どもの心にも心躍るものだった。しかし、このにぎわいの陰に受難もあることを、ぼくは知るようになった。
 山すその道ばたにはゼンマイの若葉が開きはじめている。くるりと巻いた芽がほどけて、まもなく若々しい葉が開く。うれしい春の光景である。けれども目を近づけてその葉を見ると、まだ柔らかい若葉には黒っぽい虫がついていて、若葉を食べているではないか!
 ゼンマイハバチ(葉蜂)と呼ばれる原始的な蜂の幼虫である。蜂のくせに巣もつくらず、親蜂はゼンマイの葉に直接卵を産みつけ、まもなく小さな幼虫がかえるのである。
 ゼンマイの葉のあちこちに産みつけられた卵からかえった幼虫は、何を合図にしているのか知らないが、みんな葉のてっぺんに集まってくる。そして、みんなでてっぺんからその葉を食い降りていくのである。幼虫の食欲は旺盛だ。二、三日もするうちに、その葉は全部食べつくされてしまう。すると幼虫たちは隣の葉のてっぺんに集まってから、また食べ降りていく。こうして二枚目の葉も食べつくされる。すると幼虫たちは、また隣の葉に移る。
 二週間もすると、この不運なゼンマイの株は、その数枚の葉を全部ハバチの幼虫に食べつくされてしまう。そして、十分に育ったハバチの幼虫は、思い思いに土にもぐってサナギになる。
 せっかく開いた若葉を食いつくされてしまったゼンマイは、なんとかして巻き返しをはからねばならない。胞子をつけてそれをまき散らし、自分の子孫を残さねば……。そこでゼンマイは、また新しい芽を伸ばす。根に蓄えた栄養を使って、ふたたび新芽をつくり、地上に伸ばしていく。二週間もするとみごと二回目の若葉が開く。
 ところがまさにそのころ、地中のサナギから親となったゼンマイハバチがかえってくる。そして、この若いゼンマイの葉に卵を産みつけるのだ。
 幸いにして最初の若葉に卵を産みつけられなかった株は、胞子を散らし終え、しっかりした葉を大きく広げている。こういうゼンマイのかたい葉にゼンマイハバチは卵を産まない。葉がかたくて産卵管の歯がたたないし、たとえ産んでも卵がかえらないのだ。だから最初の不運に見舞われて、二度目の若葉を開いた株がかっこうの攻撃目標になってしまう。ハバチは自分がつくりだした季節はずれのゼンマイの若葉で、二代目の子を育てあげる。これは今、東京医科歯科大の生体材料工学研究所にいる大塚公雄君が京大大学院時代に明らかにした、ゼンマイハバチの生存戦略なのである。
 ふつう、ハバチの仲間は一年に一回、春先だけ親が現れて植物の葉に卵を産む。卵は若葉にしか産まない。ハバチの卵は産みつけられた若葉から水を吸って孵化するからである。かたくなった夏や秋の葉ではそれができない。だからふつうのハバチは、一年に一回しか繁殖しない。ところがゼンマイハバチという種類は、一年に何回も卵を産み、何回も繁殖する。どうして、そんなことができるのか? 
 ゼンマイハバチが、ゼンマイという植物をこんなふうにして操作しているからである。
 自然は、われわれが思っているほどやさしくはないのだと、ぼくはあらためて感じた。「蜂とゼンマイの春」(日高敏隆)より

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