フィールド日記

2019年03月

2019.03.29

マキノゴケ

裏道でマキノゴケが胞子体を伸ばしていました。日陰の湿った土や岩の上に生える苔類の仲間です。先端に黒い朔(さく)をつけて伸びる胞子体は、まるでマッチ棒のように見えます。朔の中には胞子が入っており、間もなく裂けて胞子を飛ばすと思われます。蘚類の胞子体は胞子を飛ばした後も比較的長く残りますが、苔類の胞子体は数日で朽ちてしまうことが多いです。苔類であるマキノゴケが、マッチ棒のような胞子体を伸ばす様子は今の時期しか見られない光景と言えます。

2019.03.26

ヒサカキ

校内でヒサカキが開花しています。独特な強い芳香があるため、校内の森を歩いていると、花を見つけるより先に、匂いでヒサカキが咲いていることがわかります。一般には雄株と雌株に分かれており、下の写真は雌株の雌花で、先端が3つに分かれた雌しべが見られます。

下の写真は雄株の雄花です。多数の雄しべが見られ、雌花に比べてやや大きめです。形も雌花が杯型なのに対し、雄花は鐘型が多いようです。

2019.03.22

ジャゴケ

ジャゴケが雌器托(しきたく)を伸ばしています。ジャゴケは苔類の仲間で、湿った地面によく見られます。葉状体の模様がヘビのうろこのように見えることが名前の由来です。


ジャゴケの雌器托は一見するとキノコのように見えます。しかし、傘の裏側からは黒い胞子体が見えており、ジャゴケの雌器托であることがわかります。

2019.03.19

コハコベ

お茶畑にコハコベが咲いています。畑や路傍に見られる最も普通な雑草の一つです。一般にハコベと呼んでいるものにはこのコハコベと近縁のミドリハコベがあります。両者は雄しべの数や種子に見られる突起によって区別されますが、判断に迷う個体もあるようです。今回は雄しべの数が3~5本と少ないものが多かったので、コハコベと判断しました。ミドリハコベは8~10本あるものが普通なようです。

下の写真は花を拡大したものです。花弁は5枚と数えます。一見して10枚に見えるのは1枚の花弁が2つに深く裂けているためです。

2019.03.17

3月の野鳥の調査

日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が3月の不二聖心の野鳥について調査をしてくださいました。調査の報告書が届きましたので、掲載いたします。

3月度の調査で確認された野鳥は下記の通りです。

1.ヤマガラ      7羽
2.キセキレイ     1羽
3.ヒヨドリ       17羽
4.ハシボソガラス    6羽
5.エナガ        2羽
6.カワラヒワ      4羽
7.メジロ      1羽
8.シジュウカラ     9羽
9.ハシブトガラス    16羽
10.コゲラ     3羽
11.ビンズイ    2羽
12.ツグミ     16羽
13.シロハラ    1羽
14.トビ       2羽
15.ホオジロ    2羽
16.アオゲラ    1羽
17.キジバト     5羽
18.アオジ      6羽
19.ジョウビタキ    2羽
20.カルガモ    2羽
21.シメ       1羽
22.コジュケイ    1羽

【特記事項】
1.ソメイヨシノの古木が有る所にツグミ11羽が見られた。里に来てからは単独行動をしていた冬鳥のツグミが北に帰るために、群れを作り始めているものと思われる。
2.「共生の森」近くでアオゲラが今シーズンに空けた巣と思われる穴を見つけた。アオゲラは枯れていない木の幹に巣穴を空けるのが一般的だが、この巣穴に使用された木は枯れている。このまま順調に巣作りと産卵が進めば、4月末から5月初旬にはヒナが見られる。
3.春の訪れを知らせる下記の花が咲き始めた。
コブシ、ホトケノザ、タチツボスミレ、ワラビ、フキノトウ、ヨモギが出始めた。
4.ヒメフタバランの花芽が膨らみ始めた。

2019.03.15

クモラン

 校内の梅の木にクモランが着生していました。葉緑素をもつ緑色の根が放射状に広がっており、独特な姿をしています。この姿を蜘蛛(くも)に見立てたことが名前の由来です。葉はもっていませんが、代わりに根が光合成をすることで葉の役割も担っています。着生ランは樹木から養分を奪っていると誤解されることもありますが、くっついて生活しているだけで直接養分を奪うことはありません。

 昨年に受粉してできた果実が裂開し、ラン科の特徴であるほこりのように細かい種子が見られました。

2019.03.12

ジンガサゴケ

 職員室前の植え込みでジンガサゴケが雌器托(しきたく)を伸ばし始めました。葉と茎の区別がない葉状体をもつ苔類(たいるい)の仲間です。和名は陣笠苔で雌器托の傘が陣笠の形に似ていることが由来です。しばらくすると、雌器托の傘の裏側に、黒い胞子体が見られるようになります。

2019.03.08

タマキクラゲ

 共生の森のクヌギの枯れ枝にタマキクラゲが発生していました。不二聖心では春によく見られるキノコです。肉質はゼラチン質でやわらかく、食用になるといわれています。

2019.03.05

イナズマハエトリ

 共生の森近くのクリの木の樹上にイナズマハエトリがいました。腹部背面にある稲妻のような模様が名前の由来のようです。ハエトリグモの仲間はいわゆるクモの巣をつくらず、歩き回って小さな虫などを捕らえています。


 そのため、ハエトリグモは大きな眼をもつことが特徴です。この大きな眼でしっかり獲物を見て捕らえます。

2019.03.01

タネツケバナ

 マリア館前の花壇には前回紹介したミチタネツケバナに交ざって在来種のタネツケバナも咲いています(写真の中央がタネツケバナ、左奥がミチタネツケバナ)。タチタネツケバナに比べ茎の上の方にも葉をつけ、果実は茎に対してやや開いた角度で立つことが特徴です。


 また、茎や葉に毛があることも本種とタチタネツケバナと見分けるポイントです。和名は種漬花で、イネの種を水につけて苗を育てる準備をする時期に咲くことが由来といわれています。