フィールド日記
2018.09.07
ウド
共生の森でウドの花が咲き始めています。若芽は春の山菜として有名で、畑で栽培されることもあります。
大型の多年草で、下の写真のように花をつけた茎は2mを超すほど高く伸びていました。「ウドの大木」という言葉のウドはこの植物のことです。「ウドの大木」を辞書で調べると「〔ウドは茎が高く生長するが、食用にはならなくなり、また茎が柔らかくて用途がないことから〕体ばかり大きくて、何の役にも立たない人のたとえ。」(大辞林 第三版)とあります。しかし、これは訂正しなければなりません。大きく伸びたウドがつける花や蕾は食用になります。私は毎年この時期になると、ウドの蕾を穂ごと摘み取り、薄く衣をつけて天ぷらにしています。香りがよく、とても美味です。
2018.09.04
マダラアシゾウムシ
共生の森のクヌギには樹液を出しているものがあり、様々な昆虫が集まっています。先日はマダラアシゾウムシがいました。クヌギやコナラなどの新芽を食べますが、樹液に集まることもあるそうです。
2018.09.03
8月の野鳥の調査
日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が8月の不二聖心の野鳥について調査をしてくださいました。調査の報告書が届きましたので、掲載いたします。
2018.08.31
クズ
共生の森の近くでクズの花が咲いていました。クズは生命力旺盛なつる性植物で、他の植物を覆いつくしてしまうほどです。
万葉集の時代から秋の七草の1つに数えられ、とても身近な植物だったことがわかります。根からとれるデンプンを和菓子に利用したり、つるの繊維から布をつくったり、葉を家畜の飼料にしたりと、様々な用途に使われてきました。
2018.08.28
コチャガヤツリ
共生の森にコチャガヤツリが群生していました。カヤツリグサの仲間です。「花序(かじょ、花のつき方)」は線香花火のような面白い形をしています。よく似た近縁な種もいくつかありますが、花の特徴からコチャガヤツリと考えられます。
カヤツリグサの仲間は、一見するとイネやススキなどのイネ科の仲間のようにも見えますが、カヤツリグサ科という別の科に分類されています。見分けるポイントとして、多くのカヤツリグサ科の植物は下の写真のように茎の断面が三角形になっているという特徴があります。
2018.08.24
シンテッポウユリ
キャンパス内でシンテッポウユリが白い花を咲かせています。シンテッポウユリは台湾原産のタカサゴユリと在来種のテッポウユリとの交雑由来の種を指しています。園芸目的で育てられていたものが野生化したと言われています。花の外側は赤みを帯びるものから、白いものまで変異が見られるようです。
シンテッポウユリは野生のユリとしては最も目にする機会が多いかもしれません。道路のわきや空き地などいたるところに見られます。ヤマユリなど他のユリは種子から開花まで数年かかるのがふつうです。しかし本種は種子から1年以内に開花し、たくさんの種子をつくるため、急速に分布を広げているようです。
2018.08.21
クサギ
駐車場から共生の森へ行く道の途中にクサギが咲いていました。花は長い筒状の部分があり、長い口吻(こうふん)をもつアゲハチョウの仲間の大型のチョウが蜜を吸いに訪れているのをよく見ます。
クサギとは臭い木という意味で、葉をちぎったり傷つけたりすると、独特の臭いがすることに由来しています。臭いからクサギとは少しかわいそうな気もしますが、平安時代の本草書(薬物書)にもある歴史のある名前だそうです。個人的には、ピーナッツのような匂いで、それほど嫌な感じはしませんが、感じ方は人それぞれのようです。
2018.08.17
コガンピ
ヒノキ林の林縁に、コガンピが咲いていました。1m以下の小低木で、冬になると地上部は基部を残して枯れてしまいます。地域のよっては草原の減少に伴って数を減らしているようですが、不二聖心では林縁や草原の手入れがされているために、毎年見ることができています。
近縁のガンピやサクラガンピなどは高級和紙の原料として利用されてきましたが、コガンピの樹皮はもろく、和紙の原料としては使えないようです。植物では、有用な植物に似ているが役に立たない植物の名前にイヌをつける習慣があり、コガンピは別名イヌガンピと呼ばれています。
2018.08.14
アリノトウグサ
オークヒル沿いの斜面にアリノトウグサが生えています。和名は「蟻の塔草(ありのとうぐさ)」で全体を蟻塚に、花を蟻に見立てていると言われています。
下の写真は雌性期の花で、すでに雄しべと花弁は落ちて、羽毛状の雌しべの柱頭が目立ちます。雄しべ先熟は、雄しべと雌しべの成熟する時期をずらすことによって、自分の花粉で受粉しないようにする植物の工夫であると考えられています。