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フィールド日記

2016.01.21

薩摩紅梅

 築山の薩摩紅梅が今年も美しい花を咲かせています。「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」と漢詩にありますが、築山の薩摩紅梅は年を追うごとに大きくなり、花の美しさも増しているように感じられます。

今日のことば
自我を抑えて無差別智を働かせている時には真我があらわれる。私についていえば、数学の研究に没頭している時は、私は生きものは決して殺さないし、若草の芽もみな避けて踏まない。             岡潔

2016.01.17

冬の朝の雑木林

 駐車場の裏の雑木林の写真を撮りました。ここに含まれる「雑木」はクヌギとコナラです。

日本経済新聞に見附市に住む方の「櫟橡楢橅朴と枯れゐたり」という俳句が掲載されていました。
見附市が何県であるかがわからなくても、この句がある程度の地域を教えてくれます。この中に含まれる橅(ブナ)は北国か、ある程度標高の高い場所でしか育たないからです。ちなみに見附市は新潟県で、樹齢400年以上のブナの自然林があります。不二聖心の雑木林にはブナは生えていません。

今日のことば
生きていることが有難くならなければどうかしている。  吉田健一

2016.01.14

夜の鹿

 夜の暗い森の中から鹿の鳴き声が聞こえてきました。「近いな」と思いつつ、歩いていると、裏の駐車場のところで鹿が目の前に現れました。あわてて一枚、写真を撮りました。暗闇の中で光る鹿の目がはっきりとわかります。

今日のことば
落葉掃く昨日も今日も明日もまた  野尻徹治

2016.01.05

すすき野原の四ツ溝柿

すすき野原に、四ツ溝柿の木が生えています。

四ツ溝柿は、実に4つの溝が入っている柿で、静岡県から神奈川県にかけて自生している柿です。長泉町の特産物でもあり、「するがの柿」と呼ばれています。
不二聖心の「するがの柿」は、12月28日にはたわわに実をつけていましたが、今朝確認したら、実の数が激減していました。北国から渡ってきた鳥たちの格好の餌となったようです。
鳥たちにとっても、「するがの柿」はとてもおいしい柿のようです。
1月6日の木
12月28日の木

今日のことば
里古りて柿の木持たぬ家もなし   松尾芭蕉

2015.12.28

野鳥の調査  ジョウビタキ  イイギリ

日本野鳥の会の滝道雄さんと不二聖心の野鳥の調査をしました。

今日、確認できたのは、以下の19種です。
 ヒヨドリ
 ツグミ
 ハシブトガラス
 キジバト
 アオジ
 ホオジロ
 ハシボソガラス
   ウソ
 モズ
 カケス
  ヤマガラ
 ソウシチョウ
 シロハラ
 アカハラ
 イカル
 シジュウカラ
 メジロ
 ジョウビタキ
 コゲラ
 
今年は富士山麓への渡りが遅れているため、今日は見ることができないかと思っていたジョウビタキと調査の最後に出会うことができました。体色が若干薄いことから若い個体である可能性が高いと思われます。
ジョウビタキを確認した「共生の森」にもイイギリが2本、生えています。よく見ると左右の木の実の色が違うことがわかります。同じ場所に生えていても違いが生まれることを興味深く思います。
今日のことば
赤き衣に黒紋附を羽織りたる白髪翁のじようびたきかな  川村多実二

2015.12.25

聖心橋から見えるイイギリ

 東名高速沿いに生えているイイギリの写真を聖心橋の上から撮りました。
東名高速沿いでは他にも同じようなイイギリの実を見ることができます。鳥が好むことと発芽率が低くないことなどの条件がそろっているためと思われます。



今日のことば

どの道を行くかは、あなたがどこに行きたいかによります。  ルイス・キャロル

2015.12.14

ヤブムラサキの実とスイセンの花

 ヤブムラサキの実が鮮やかな紫からくすんだ色に変わりつつあります。

スイセンの花がもう咲き始めていました。今まで年内に花を見ることは少なかったように思います。
静かに一年の営みを終える植物もあれば、新年に向けて新たに花を咲かせる植物もあります。
今日のことば
谷を越え山を越えて空高く流れてゆく
白い一片の雲のように、私は独り悄然(しょうぜん)としてさまよっていた。
すると、全く突如として、眼の前に花の群れが、
黄金色に輝く夥(おびただ)しい水仙の花の群れが、現れた。
湖の岸辺に沿い、樹々の緑に映え、そよ風に
吹かれながら、ゆらゆらと揺れ動き、踊っていたのだ。
夜空にかかる天の川に浮かぶ
燦(きら)めく星の群れのように、水仙はきれめなく、
入江を縁どるかのように、はてしもなく、
蜿蜒(えんえん)と一本の線となって続いていた。
一目見ただけで、ゆうに一万本はあったと思う、
それが皆顔をあげ、嬉々として踊っていたのだ。
入江の小波(さざなみ)もそれに応じて踊ってはいたが、さすがの
燦めく小波でも、陽気さにかけては水仙には及ばなかった。
かくも歓喜に溢れた友だちに迎えられては、苟(いやしく)も
詩人たる者、陽気にならざるをえなかったのだ!
私は見た、眸(ひとみ)をこらして見た、だがこの情景がどれほど豊かな
恩恵を自分にもたらしたかは、その時には気づかなかった。
というのは、その後、空しい思い、寂しい思いに
襲われて、私が長椅子に愁然として身を横たえているとき、
孤独の祝福であるわが内なる眼には、しばしば、
突然この時の情景が鮮やかに蘇るからだ。
そして、私の心はただひたすら歓喜にうち慄(ふる)え、
水仙の群れと一緒になって踊り出すからだ。
ワーズワース

2015.12.10

あかつきの金星

 探査機「あかつき」が金星を回る軌道に入りました。前回の軌道投入失敗から5年をかけての再挑戦でした。
今朝は6時18分に図書館の上に見えた金星の写真を撮りました。明るさが増すとともに、アルギエバ、レグルス、アルクトゥールス、木星と次々に姿を消していく中で、金星だけは最後まで光り続けていました。この金星の周りを「あかつき」が回っています。




今日のことば

ひとつふたつ星の光や秋の暮    稚志

2015.12.04

紅葉と黄葉

 紅葉の風景が美しい一日でした。


高校1年生の廊下から見えるイロハモミジは既に葉を落としたシダレザクラの枝と良いコントラストをつくっていました。『枕草子』にも「桜の葉、椋の葉こそ、いとはやく落つれ」という一節があります。

校舎の裏のクヌギの葉は黄色く色づいていました。こちらは黄葉です。万葉人はクヌギのようなブナ科の落葉樹を総称して「ははそ」と呼びました。「ははそはの」は「母」に係る枕詞です。ブナ科の落葉樹は、枕詞に使われるほど、万葉人にとって身近な存在であり、そこに紅葉にはない黄葉の美しさを見出していました。



今日のことば

秋の夕日に照る山もみじ
濃いも薄いも数ある中に
松をいろどる楓や蔦は
山のふもとの裾模樣    高野辰之

2015.11.29

雪の富士山

 札幌では44センチ、旭川は30センチなど、北海道からの雪の便りに驚いた1週間でした。
不二聖心から見える富士山も宝永火口から上のあたりは、すっかり白くなりました。明後日からいよいよ12月。
本格的な冬に入ります。

今日のことば

雪便り信濃に残す母独り     有賀健