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フィールド日記

2014.11.29

「共生の森」の紅葉  シイタケ日記

  昨日、「共生の森」の様子を確認しました。周辺のカエデは紅葉していましたが、まだ緑の部分もかなり残っていました。校舎周辺のイロハモミジと比べると紅葉の時期が少し遅いようです。


「共生の森」のシイタケは徐々に数を増やしています。肉厚のシイタケがいくつも出ていました。

 なかには、直径が15cm近くあるものもありました。高校1年生は自分たちの植えた菌が立派なシイタケに成長したことに大喜びしていたそうです。




今日のことば

紅葉はアントシアンの増加です生物教師の薄い唇   こやまはつみ

2014.11.23

雪に覆われた富士山  チョウセンカマキリ

 昨日の朝、撮った富士山の写真です。今年初めて宝永火口の下側まで雪に覆われた富士山を見ることができました。

同じ日の朝にチョウセンカマキリと出会いました。富士山が雪に覆われるほど気温の低い季節になってもチョウセンカマキリはまだ活動を続けています。虫たちの中でもカマキリは最も遅い時期まで姿を見かける昆虫の一つです。


今日のことば

産卵に戻れる鮭の弱りしを眼光鋭き尾白鷲待つ     五十嵐容子

2014.11.19

晩秋のアリジゴク

 アリジゴクの巣を見つけました。作ったばかりのようなきれいな巣です。もう既に蟻の姿は見かけません。それでもアリジゴクは落とし穴を作り、獲物をじっと待っています。その理由が何なのかを考えてみたいと思います。



今日のことば

人生に終りのあるということの何故か明るし秋麗の朝    丹羽利一

2014.11.15

「共生の森」のシイタケついに発生

 2月の大雪で倒れたクヌギの木をシイタケの榾木(ほだぎ)として活用することを高校1年生の総合学習の時間に試みました。シイタケの収穫までに通常は1年ほど時間がかかるようですが、生徒が植えた菌は新しい菌で発生までの時間が短縮できることで知られています。シイタケの植菌から約半年、予定よりは少し遅れましたが、ここのところ次々にクヌギの木からシイタケが出てきています。


今日のことば

直視することがためらわれるような経験のなかにこそ、生の深みへといざなう重要な契機が潜んでいる。                                     若松英輔

2014.11.10

イロハモミジのいろいろ

 中庭のイロハモミジの葉の中には、そろそろ紅葉の終わりを迎えている葉もあります。


裏道のイロハモミジはまだ青々としています。

この裏道のイロハモミジは、葉が細いのが特徴です。これほど葉の細いイロハモミジはなかなか見ることがありません。もしかしたら、この形態の違いは紅葉の時期にも関係しているかもしれません。


今日のことば

不遜なる大志なつかし鰯雲   愛川弘文

2014.11.03

ニホンザル  イソギク

 昨日は、「秋のつどい」が行われました。たくさんのお客様にまじって、ニホンザルもやってきてくれました。


今年はイソギクが既にたくさんの花を咲かせています。本来は海岸沿いに生える植物で、下田の海岸などでは、潮風の吹き荒れる海辺の岩の上に咲いている姿をたくさん見ることができます。昨年はほとんど花をつけず心配しましたが、今年はしばらくの間、海辺に思いをはせつつ、イソギクを楽しむことができそうです。


今日のことば

寡婦となりパートで林檎捥ぐ友よ   田口昭子

2014.10.28

越冬態のいろいろ  ツチイナゴとヤマトシジミ

 「共生の森」でツチイナゴを見つけました。ツチイナゴは成虫で冬を越します。枯葉の中で目立たないように成虫になるにつれて体の色が緑色から茶色に変わっていきます。

ツチイナゴの近くにはヤマトシジミがいました。ヤマトシジミは幼虫で越冬しますので、画像の個体は冬を乗り越えることなく命を終えることになります。


今日のことば

本物の森へ入ろう。そこから受ける恩恵を、物心両面、ありがたくいただこう。そこで身につけた力は、やがて必ず森に還元されていく。                   浜田久美子

2014.10.19

2月の大雪で倒れたクヌギとクヌギとクヌギトゲマダラアブラムシ

2月の大雪で倒れたクヌギの切り株から再び芽が出て、ここまで大きく成長しました。


若い木は生命力があり、それに惹かれてたくさんの生き物が集まってきます。


上の画像に写っているのは、クヌギトゲマダラアブラムシとアブラムシの出す甘い汁をなめようと集まったアリです。クヌギトゲマダラアブラムシは名前の通り、クヌギだけに集まるアブラムシで、多くのアブラムシはこのように特定の植物との強い結びつきを持っています。
次の画像は成虫の拡大画像で翅があります。


次の画像は幼虫の画像です。


農業害虫として扱われることの多いアブラムシですが、生態系や生物多様性の理解には非常に役に立つ生物でもあります。


今日のことば

億兆の中の一匹秋刀魚焼く     野村親信

2014.10.15

間伐材を用いたベンチ作り

NPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々のご指導のもと、高校1年生が総合学習の時間に間伐材を用いたベンチ作りに挑戦しました。直前に講習を受けたインパクトドリルの使い方もしっかりマスターし長いネジを巧みに打ち込む姿が見られました。


間伐材が生まれ変わったベンチは、ペンキが乾き次第、中学校の中庭や寄宿舎の中庭や山の家の駐車場などに置かれることになっています。


今日のことば

帰りには素直となりし花野かな  吉野佳一

空青きゆゑを学びてより高し   中尾公一

2014.10.07

希少種ケラの幼虫

職員室で仕事をしている時に生徒から呼ばれ、廊下に出てみると、そこには「新種か見つかった」と興奮している3人の中学1年生がいました。大事そうに「新種」を包んだ紙を広げてみると、そこにはケラの幼虫がいました。やなせたかしの「手のひらを太陽に」に出てくる、あのケラです。残念ながら新種ではありませんでしたが、ケラは神奈川県と京都府が要注目種に指定している希少種です。昔に比べて本当に姿を見かけることが少なくなりました。ましてや幼虫などめったに見ることはできません。3人の生徒のおかげでたいへん貴重な体験をすることができました。


今日のことば

ぼくらはみんな 生きている
生きているから 歌うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから かなしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮(ちしお)
ミミズだって オケラだって
アメンボだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ

                 やなせたかし