フィールド日記
2014.03.14
春のきのこ タマキクラゲ チャワンタケ
昨日の嵐で折れたクヌギの枝にタマキクラゲが発生していました。不二聖心のフィールドに春の訪れを告げるキノコです。
もう一つキノコを見つけました。チャワンタケの一種です。こちらは今の季節に初めて見かけるキノコでした。新しい春の使者かもしれません。
今日のことば
自分をしずかに愛してみたら
わかるようになってきた。
べつに私は特別な人間ではない
でも
この世にただひりしかいない人間だと。 キム・マクミラン
2014.03.11
雪で折れたクスノキの枝とフキノトウ
2月の大雪でクスノキの枝もかなり折れてしまい、それが地面に横たわっています。クスノキはもともと南の地方の樹木ですから雪に対する耐性は弱いのかもしれません。
その枝の脇からフキノトウが顔を出しているのを見つけました。雪の被害を乗り越えて生きる植物の姿です。
今日のことば
「ふきのたう」と言ひしが母の終(つい)の声 足立威宏
2014.03.07
河津桜と雪
雪の朝となりました。
雪をのせた河津桜の花の写真を撮りました。早咲きの河津桜でなければなかなか見ることのできない光景だと思います。河津桜の発見者である静岡県賀茂郡河津町田中の飯田勝美氏に感謝しなくてはなりません。
今日のことば
わかる人には言わなくてもわかる。
言わなきゃいけない人は、言ってもわからない。
高峰秀子
2014.03.06
梅と楠に見る生命の循環
体育館の脇の梅の木が今年もたくさんの花をつけました。
この木は成長の途中で一度倒れ、そのままの状態でさらに成長を続け、花を咲かせています。
幹の根元の一部は枯死し、そこに落ちた楠の種が芽生え、枯死した部分から養分を得て新たな命が育っています。
身近なところに生命の力強さや生命の循環を感じることができるのも不二聖心のフィールドの素晴らしさです。
今日のことば
木という字を一つ書きました
一本じゃかわいそうだからと思ってもう一本ならべると林という字になりました
淋しいという字をじっと見ていると二本の木がなぜ涙ぐんでいるのかよくわかる
ほんとに愛しはじめたときにだけ寂しさが訪れるのです
寺山修司
2014.03.03
ウグイスの初鳴き 三色スミレ
今日もウグイスの声で一日が始まりました。
今年は3月1日に初めてウグイスの声を聞きました。例年よりずいぶん遅いと感じます。ウグイスの声を録音していたら目の前の木にコゲラ(キツツキの仲間)を見つけました。動き方が独特ですので、慣れるとすぐにコゲラだとわかるようになります。
シスターが植えてくださった三色スミレは大雪にも負けることなく美しい花を咲かせています。
自然界全体が春の本格的な訪れの予兆を伝えているように感じます。
今日のことば
朝夕の寒き風を耐え忍び
庭先に咲きし三色スミレに
私は新たに思う 主によりて救われたことを
救われたことを
道行く人も足をとめて見る
けがれを知らない三色スミレに
私は新たに思う 主によりて愛されていることを
愛されていることを
望みにあふれる春のおとずれを
そっと知らせる三色スミレに
私は新たに思う 主によりて生かされてることを
生かされてることを
水野源三
2014.02.27
紅梅と白梅
数日前から梅の開花のニュースがさかんに報じられるようになりました。不二聖心ではかなり前から紅梅も白梅も咲き始めています。梅の句では服部嵐雪の「梅一輪一輪ほどの暖かさ」の句がよく知られていますが、今年は特別寒い冬でしたので、春の暖かさを心待ちにしています。
今日のことば
庭石の錆びたる上に枝垂れて咲きぬる梅の花のましろさ 若山牧水
2014.02.24
記録的な大雪の影響 カマキリの卵の位置
今朝の6時のニュースでも、記録的大雪から10日経っても影響が今も各地に残っていることが報じられていました。農業被害等の実態も明らかになりつつあります。
不二聖心では樹木の被害が深刻であったことが徐々にわかってきました。「共生の森」の近くでは、かつてウラギンシジミに越冬場所として利用されていたヤブニッケイの大木の枝が折れてしまいました。
大雪の冬はカマキリの産む卵の位置が高くなるという説があります。すすき野原では、見上げるほどの高さに産み付けられたカマキリの卵が見つかりました。
今日のことば
その場では神が助けてくれることもある、といふ、友人の風景画家の言葉を、私はよく思ひ出す。その場とは、画家が見つけて描こうとする、また向ひ合つて描きつつある、自然である。
川端康成
2014.02.19
キジ 雪でめくれた土 ヒサカキ
久し振りにキジの姿を見かけました。寒さの厳しい毎日ですが、冬の間も不二聖心のキジは元気に活動しているようです。
雪の影響で校舎の裏道の脇の土がめくれあがってしまいました。雪で重くなった木を根が支えきれなかったものと思われます。
他にも雪の影響がいろいろなところに残っていますが、折れた木で目につくのはヒサカキです。3月~4月頃たくさんの花をつけるヒサカキですが、折れた木をよく見るとたくさんの花芽がついているのがわかります。台風などでヒサカキが折れたという例は他にも報告されており、ヒサカキは災害に弱い木なのかもしれません。
今日のことば
花が上を向いて
咲いている
私は上を向いて
ねている
あたりまえのことだけれど
神様の深い愛を感じる
星野富弘
2014.02.17
記録的な大雪のなごり ツチグリ
大雪の週末が過ぎ今日からまた新しい1週間が始まりました。裏の駐車場にもまだかなりの雪が残っています。御殿場市在住の、ある先生のお父様は80年御殿場で暮らしてきて、こんな雪は初めてだとおっしゃったそうです。
雪の中からツチグリが顔を出していました。毎年、春先に発生し、このブログでもたびたびツチグリの記事を載せてきましたが、雪とツチグリの組み合わせは初めてのように思います。
今日のことば
朝日新聞の「歌壇」の載った高校3年生の歌
窓からの一年変わらぬ景色から色彩だけがゆっくり抜ける 村田優歌
雨空がヒールの音をかきけした私の息を溶かしていった 杉山珠恵
素敵でしょ?全身痣と筋肉痛勝敗抜きの頑張った証 舘ますみ
2014.02.13
ようやくジャコウアゲハの蛹が羽化
昨年の8月に不二聖心を会場として「夏休み子供自然体験教室」が行われました。その時に7月に蛹化したジャコウアゲハを展示しましたが、その蛹が昨日羽化しました。ジャコウアゲハの蛹の休眠期間は山地と平地で異なるという興味深いデータがあります。不二聖心産のジャコウアゲハは羽化までにかかった時間の長さから山地性の可能性が高いのではないかと思います。
お菊虫(ジャコウアゲハの蛹)の抜け殻です。
今日のことば
「一枚、二枚、三枚、四枚……九枚、やっぱり一枚足りない」
怪談「播州皿屋敷」で大切な皿を割ったと因縁をつけられたお菊は、責め殺されて古井戸に投げ込まれてしまう。そして幽霊となったお菊は、古井戸から夜な夜な現れては、恨めしそうに皿の枚数を数えるのである。
その後、お菊が投げ込まれた古井戸には、うしろ手に縛られた女性の姿をした不気味な虫が出現したという。この虫はお菊の怨念が姿を変えたものだと、人々は噂した。これが「お菊虫」である。
お菊の正体は、ジャコウアゲハというチョウのさなぎである。
稲垣栄洋