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フィールド日記

2012.04.17

モミジイチゴとアワフキムシ  コマルハナバチ

  2012.04.17 Tuesday

校舎の裏の坂道でモミジイチゴの花が咲き始めました。葉がモミジに似ているところからモミジイチゴと名づけられたキイチゴの仲間です。モミジイチゴの枝にはアワフキムシがついていました。小さな命の営みは休むことなく続いています。

  

コマルハナバチが校舎内に入ってきました。受粉昆虫としても非常に重要な役割を果たす
ハチですが、セイヨウマルハナバチの侵入により徐々に数を減らしているとも言われます。

 


今日のことば

落ちて来たら
今度は
もっと高く
もっともっと高く
何度でも
打ち上げよう

美しい
願いごとのように
             黒田三郎

2012.04.16

桜の花びらとオビモンハナゾウムシ

  2012.04.16 Monday

 桜の木の下でゾウムシを見つけました。日本には約1000種のゾウムシがいると言われ、手頃な図鑑では調べられない種も少なくありません。このゾウムシも専門家の方に見ていただいてようやくオビモンハナゾウムシであることがわかりました。桜の木の下にいたことから、もしかしたら桜と特別な関係のあるゾウムシかもしれないと思っていましたが、専門家の方の回答には「ヤマザクラ、オウトウなどの実を加害する」とありました。植物と昆虫のつながりに着目することで自然はさらに奥深い姿を見せてくれます。

 

 

               今日のことば

 虹が出たとき、知らない人にも言いたくなります。自分だけで一人じめできない、そういうものが空に出ていると伝えたい、どうしたって欲得なしに伝えたいのです。虹をわけ合いたいのです。              

                                石垣りん

2012.04.15

ナツトウダイ

  2012.04.15 Sunday

お茶畑の近くの雑木林の林床は、この時期、ナツトウダイに覆われていきます。ナツトウダイは鹿児島県で絶滅危惧Ⅱ類、鳥取県と佐賀県で準絶滅危惧種に指定されていますが、不二聖心ではその希少性を忘れさせるほど、勢いよく育っていきます。茎を切るとすぐに白い液体が溢れ出すのも生命力の証でしょうか。花の時期にはたくさんの虫が蜜を求めてやってきて、あたりはちょっとした賑わいを見せます。


  
 

               今日のことば

We are spiritual beings, and we need spirit more than ever. We need to understand
that nature gave us birth and is our home and source of well-being, and that when
we die, we will return to it.
                                                                            David Suzuki

2012.04.14

シラユキゲシ

  2012.04.14 Saturday

 墓地の近くにシラユキゲシがたくさん咲いている場所を見つけました。雪の化身のような美しい花びらです。

  

 今日のことば

 私は「飢餓の国、エチオピアの子どもたちに井戸を」というキャンペーンのレポーターとして、二回エチオピアに行ったことがあるんですよ。その旅自体は私の人生において貴重な体験だったんですが、ジープみたいな取材車で各地を回っていたとき、私たちの車が壊れて運転手さんが必死に修理していたら、遠くから少女が裸足で水瓶を担いできて、ニコニコしながら私たちに貴重な水を分けてくれようとしたんですよ。
その子は裸足だったんですけど、「裸足で重い水瓶を運ぶこの子を不幸と思うべきなんだろうか」と思ったんです。この子に靴を履かせることが果たして幸せに繋がるのかどうか。
その子の高貴な笑顔を見たら、文明を与えることがイコール幸せではないんじゃないかって。どっちが立派な人間なんだ? ってね。 

                                阿川佐和子

2012.04.14

ビロウドツリアブ

  2012.04.13 Friday

  昨年亡くなった作家、北杜夫の『どくとるマンボウ昆虫記』(新潮文庫)には、小学校4年の時に腎臓を病んで食事が満足に採れなくなり、可愛そうに思った家族から『昆虫図譜』を買ってもらった話が出てきます。少し引用してみましょう。


何月か『昆虫図譜』と寝ていたおかげで、私は虫の名を覚えた。なにかを覚えるということはそれほど大したことではない。それでも、ようやく起きられるようになって縁側まで出てみたとき、私はその効果を知った。もう春であった。その春の陽光の中に、一匹の虻が宙からつりさげられたようにじっと浮んでいた。綿毛のかたまりのような可愛らしい虻である。一目見て私にはその名称がわかった。ビロウドツリアブ。彼女とはじめて出会った筈だのに、私はずっと以前からの旧知のような気がした。むこうではそんなふうに思わなかった
らしく、アッというまにどこかへ消えてしまった。しかし私にとっては、自分の住んでいる世界がいささかなりとも広くなったように感じられたのである。


ここに出でくるビロウドツリアブを今朝、キャンプ場で見かけました。綿毛のかたまりのような可愛らしいアブでした。

 

           今日のことば

人生のどこかで、ふと心を自分の内側に向けてみることだ。
そこに見つけたものから、少しずつ始めればいい。

                             加島洋造

2012.04.12

ジロボウエンゴサク

  2012.04.12 Thursday

  今日は授業中に窓を開けずにいられないほど暑い時間帯がありました。数日前までの寒さはどこへ行ってしまったのかといった感じです。クラブ活動も始まり、元気に活動する生徒の姿があちらこちらで見られました。
この数日で急に季節が進んだ感じがします。
職員室の近くの中庭にはジロボウエンゴサクが群生する場所があります。徐々に生息数を減らし、長野県では既に絶滅したとも言われるジロボウエンゴサクを毎年見られる喜びを今日も感じました。

 
 

               今日のことば

愚かさもまた、神からの恵みである。しかし、決してそれを誤用してはならない。

                          ヨハネ・パウロ二世

2012.04.12

スズキカバエ

  2012.04.11 Wednesday

  昨日、掲載した写真をもう一度掲載します。どうも見慣れないハエだと気になりましたので、専門家の方に見ていただいたところ、ちょっとした発見であったことがわかりました。
これはおそらく静岡県で(もしかしたら近隣の県も含めて)初めての確認のようです。カバエ科のスズキカバエという熱帯性の強い種で、もともと南方に生息する昆虫です。静岡県で見つかったということは、温暖化によって生息域を北に広げている可能性があると考えられます。この体長7ミリの小さなハエは私たちに何かを警告しているのかもしれません。

ハエを敬遠する人も多いかもしれませんが、カバエは衛生害虫でもなく吸血するわけでもなく、「森の住人」という意味の素敵な学名を持っています。

  
 

                今日のことば

高きを望め、あなた方の目はいつももっとも高きものを見ているように。あなたがたの一生は、高きものへの絶えざる努力であるように。
                            ヘルマナ・マイヤー

2012.04.10

イロハモミジの若葉と芽鱗と花

  2012.04.10 Tuesday

イロハモミジに新緑が美しい季節となりました。下の写真は今朝、キャンプ場で写したものです。2枚目の写真に写っている赤い芽のようなものは芽鱗で、葉の緑とのコントラストがとても美しいです。花も咲き始め、小さな虫が蜜を吸いに来ていました。

 

 


今日のことば

神の優しさの、
生きている表現でありなさい。
あなたのまなざしに神の優しさが、
あなたのほほえみに神の優しさが、
あなたの暖かいあいさつに神の優しさが表れますように。

                        マザー・テレサ

2012.04.09

今日の富士山  ゼンマイ

  2012.04.09 Monday

今日も桜と富士山の美しい朝でした。今日の高校朝礼で山本校長より、「さくら」の「さ」は山の神を表すと考える説があるというお話がありましたが、まさに神々しいほどに美しい桜の姿です。

 ゼンマイが雑木林のあちこちに生えています。少し伸びかけたゼンマイを見て「釣りキチ三平」の漫画の一場面を思い出しました。

 
 

 
今日のことば

私が進化論を地球上の生命の発達を説明するためにだされたもっとも倫理的な説として受け入れているのは事実です。しかし、私としては、進化の信仰と創造主としての神の信仰との間にまったく矛盾はありません。私が進化を信じているのは、それは神が地球上の生命を創り、また今も創りつづけている方法の一つであると思うからです。そしてその方法にはすばらしい配慮がなされているため、細部を学ぶほどに、創造主とその方法の両方への尊敬と畏敬の念が増しこそすれ、けっして減ずることはありません。

                           レイチェル・カーソン

2012.04.08

富士山と桜  ソメイヨシノとシャガ

  2012.04.08 Sunday

 今日はよく晴れてお花見日和の一日でした。校舎へと続く坂道では桜の向こうに富士山も見ることができました。聖心橋から写した写真をよく見ると、遠くまで桜並木が続いていることがわかります。写っている桜のほとんどはソメイヨシノです。

 

 正門のところにシャガの花がもう咲き始めていました。ソメイヨシノとシャガには重要な共通点があります。それは、ともに3倍体であるために正常な減数分裂ができず、結実しないということです。すべて同じ遺伝子をもったクローンということになります。ソメイヨシノもシャガも一斉に花開くのは同じ遺伝子を持っているせいではないかと考える人もいます。

 


今日のことば


突然の手紙には驚いたけど嬉しかった
何より君が僕を怨んでいなかったということが
これから此処で過ごす僕の毎日の大切な
よりどころになります ありがとう ありがとう

ナイロビで迎える三度目の四月が来て今更
千鳥ケ淵で昔君と見た夜桜が恋しくて
故郷ではなく東京の桜が恋しいということが
自分でもおかしい位です おかしい位です

三年の間あちらこちらを廻り
その感動を君と分けたいと思ったことが沢山ありました

ビクトリア湖の朝焼け 100万羽のフラミンゴが
一斉に翔び発つ時 暗くなる空や
キリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット
何より僕の患者たちの 瞳の美しさ

この偉大な自然の中で病いと向かい合えば
神様について ヒトについて 考えるものですね
やはり僕たちの国は残念だけれど何か
大切な処で道を間違えたようですね

去年のクリスマスは国境近くの村で過ごしました
こんな処にもサンタクロースはやって来ます
去年は僕でした
闇の中ではじける彼らの祈りと激しいリズム
南十字星 満点の星 そして天の川

診療所に集まる人々は病気だけれど 少なくとも心は僕より健康なのですよ
僕はやはり来てよかったと思っています
辛くないと言えば嘘になるけど しあわせです

あなたや日本を捨てた訳ではなく
僕は「現在(いま)」を生きることに思い上がりたくないのです

空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命(いのち)を生きたい
キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい

くれぐれも皆さんによろしく伝えて下さい
最后になりましたが あなたの幸福(しあわせ)を
心から遠くから いつも祈っています  おめでとう さようなら

                    「風に立つライオン」(さだまさし)より