フィールド日記

2011.10.31

ハタケシメジ

平成23年10月31日 月曜日

 ハタケシメジの株を見つけました。秋のキノコの中でもとりわけおいしいと言われるキノコで
鍋物に最適だそうです。ハタケシメジの周りにはトゲハネバエなどたくさんの虫が集まってきていました。
人間にとっておいしいものは、他の生き物にとっても同様のようです。

             今日のことば

イエスは、思い煩うことからは何も始まらないとさとしておられます。
自らの限界と内なる弱さとを受諾するようにと、わたしたちは招かれているのです。
                          ブラザー・ロジェ

2011.10.30

アキチョウジ

平成23年10月30日 日曜日

 アメリカの東海岸で雪が降り非常事態宣言が出たというニュースをテレビで見ました。
この時期に雪が降るのは、1869年に観測を始めて以来、初めてのことだそうです。
世界的な気候変動との関連の有無が気になります。

 森の中の暗がりにひっそりとアキチョウジの花が咲いているのを見つけました。
青色をした葯が印象的な花です。人が訪れることのない場所にこのような美しい花が咲き、
人知れず散っていくのは、何とも惜しい気がします。
県によっては絶滅危惧種に指定している希少種でもあります。

今日のことば

どんなに小さなものを愛してさえ、愛することさえ出来たら、私たちは孤独ではない。

                           谷川俊太郎

2011.10.30

コウヤボウキとクチナガガガンボ

平成23年10月29日 土曜日

 林道でコウヤボウキの花が咲いているのを見つけました。Elephantomyia属クチナガガガンボの1種と
思われるガガンボが蜜を吸いに来ていました。コウヤボウキという名は、高野山でこの植物を用いて箒を
作っていたことから付けられた名前だそうです。

              今日のことば

ほんとうに祈ることを望むならば、まず、聴くことを学ばねばなりません。
神は、沈黙のうちにある心に語られるからです。
                             マザー・テレサ

2011.10.28

ハリガネムシとカマキリ

平成23年10月28日 金曜日

 本館の玄関の前でカマキリとカマキリの体から出てきたハリガネムシを見つけました。
ハリガネムシは水中に卵を産み、その卵をカゲロウなどの水生昆虫の幼虫が食べます。
やがて羽化した水生昆虫は陸上でカマキリに食べられます。そこでハリガ ネムシは宿主を水生昆虫から
カマキリに変えます。カマキリに寄生することで自分が生きるための栄養分を得ますが、
子孫を残すためにはまた水辺に帰らなくて はいけません。ハリガネムシは水中で産卵するために、
カマキリを操って水に入らせ、そこでかまきりの体から脱出して水中でまた産卵すると言われています。
写真のかまきりは本館前で誰かに踏まれてしまったようで、最後まで操りきることができなかったようです。  

 

      今日のことば
何の為に生まれて 何をして生きるのか
答えられないなんて そんなのは嫌だ。
今を生きることで 熱いこころ燃える
だから君は行くんだ 微笑んで。
             やなせたかし

2011.10.28

蛾をとらえたハナグモ

平成23年10月27日 木曜日

 放射冷却の影響でこの秋一番の冷え込みとなりましたが、日が昇ってからは雲一つない秋晴れの一日と
なりました。
朝の冷え込みは生き物の活動を鈍らせていましたが、そのような中で、
蛾をとらえたハナグモの姿を撮影することができました。アザミの花の陰に潜んでいて、
蜜を吸いに来た蛾に襲いかかったものと思われます。

 

   今日のことば

求めないーー
すると
心が静かになる

求めないーー
すると
ほんものをさがしている自分に
気づく

        加島祥造

2011.10.25

富士山の笠雲

平成23年10月25日 火曜日

 今日もカネタタキの声が聞こえる秋らしい一日でした。
下の写真は笠雲のかかる富士山の写真です。笠雲は静止して見えますが、このような雲が富士山の上にある時には
富士山上空には強風が吹き荒れていると言われます。
そう言えば、今日は机上のプリントが舞ってしまうくらいの強めの風が一日吹いていました。

  

                今日のことば

人間の品位というものは、その時に置かれた社会的立場よりも、
自己のよって立つ内なるものをしっかり持っている人におのずから備わるものなのだろう。        
                                 神谷美恵子

2011.10.24

ツチイナゴ - クリスマスのバッタ -

平成23年10月24日 月曜日

 カネタタキの声を今日も確認することができました。夜にはアオマツムシも鳴いていましたし、
まだまだ鳴く虫の声を楽しむことができそうです。
下の写真は、カネタタキやアオマツムシと同じ直翅目のツチイナゴです。8月14日のフィールド日記で紹介した
幼虫がこのような立派な姿になりました。ク リスマスの頃まで生き続けます。
秋から冬にかけても活動を続けることから、枯れ草にまぎれやすいような色をしていますが、
今日はセイタカアワダチソウの黄 色と緑の中で一際目立つ姿をしていました。

 

今日のことば

すばらしいことが
あるもんだ
ノミが
ノミだったとは

ゾウでなかったとは

              まどみちお

2011.10.23

クヌギのドングリ

平成23年10月23日 日曜日

不二聖心ではかつて炭焼きのためにクヌギの木がたくさん植えられました。その木が秋になるとたくさんの
実(ドングリ)をつけます。今年は10月20日前後からクヌギのドングリが落ち始めました。
このドングリを上手に土に埋めれば、新しい苗木を育てることができます。
不二聖心にはたくさんの種類のドングリが見られますが、発芽率が最も良いのはクヌギのようです。

 


今日のことば

Endurance of inescapable sorrow is something which has to be learned alone.

                                                    Peal S. Buck

2011.10.22

クツワムシ - 日本一大型の鳴く虫 -

平成23年10月22日 土曜日

 昨日の夜、昼礼広場で褐色型のクツワムシのメスが採集されました。
職員室で何人かの先生と観察しましたが、キリギリス科の中でも特に大型のクツワムシの姿をしっかりと
観察することができました。鳴き声で姿を見つけ出せるオスと違い、メスにはなかなか出会うことができません。
その意味でも今回の昼礼 広場での採集は貴重な発見ということになります。

 

               今日のことば

わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、きれいにすきとほつた風をたべ、
桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。

                               宮澤賢治

2011.10.22

アシナガアリ - 日本一スマートなアリ -

平成23年10月21日 金曜日

 朝、職員室までの道を歩いていて、アシナガアリに出会いました。日本に生息するアリの中でも、
とりわけ体型のスマートなアリと言われています。
不二聖心には実にたくさんの種類のアリが生息しており、それを調べるだけでも不二聖心の環境の多様性が
わかってきます。ちなみにアシナガアリは、林内や林縁の環境を好むと言われています。



今日のことば

成功した人びとは、失敗した人びとがやりたがらないことをやる。

                     E・М・グレイ

2011.10.20

アオドウガネ

平成23年10月20日 木曜日

 カネタタキやエンマコオロギの声が聞かれる秋らしい一日でした。
朝、図書館に行こうとして本館の前を横切った時に、ソテツの葉にアオドウガネがいるのを見つけ驚きました。
ソテツの葉の上というのも意外でしたが、それ より何より昨日の低温を経てなお温暖化指標の昆虫と言われる
アオドウガネがいたことに驚いたのです。アオドウガネはもともと静岡にはいなかった虫です。
それが温暖化とともに北上したと考えられているのですが、この時期まで見られるようになったのは
最近ではないのかと思います。

  今日のことば

わたしはダイヤモンドを首にかけるより、机をバラで飾りたい。

                     エマ・ゴールドマン

2011.10.20

クサギ

平成23年10月19日 水曜日

 クサギの実が萼に包まれている姿です。まもなく萼が開き、紺色に熟した美しい実が姿を現します。
温情舎の跡地には、クサギの群生地があり、さまざまな生き物をそこに招いています。


今日のことば

困難だから、やろとしないのではない。やろうとしないから、困難なのだ。  

                          セネカ

2011.10.19

シロスジベッコウハナアブ

シロスジベッコハナアブ

 平成23年10月19日 火曜日
早朝の駐車場でシロスジベッコウハナアブを見つけました。クロスズメバチの巣に寄生すると言われている
ハナアブです。クロスズメバチは地中に巣を作りま すが、その幼虫は珍味として知られています。
シロスジベッコウハナアブがいるということは、不二聖心のどこかにその珍味が潜んでいるということを
意味して います。

 


今日のことば

足のない人を見るまで、私は靴のないことを嘆いていた。

                    古代ペルシアのことわざ

2011.10.17

ニッポンマイマイ

平成23年10月17日 月曜日

 10月10日に採集したカタツムリの同定を専門家に依頼していたのですが、その同定結果が今日届きました。
ニッポンマイマイだということです。ニッポンマイマイは日本で最初に学名がつけられたカタツムリです。

 

今日のことば

自分のためだけに生きようとしたときは、ほんとうの意味で自分のいのちを生かしているのではない。

                               星野富弘

2011.10.16

お茶畑の池周辺の生き物たち -- オタマジャクシ・キボシカミキリ・ポポー --

平成23年10月16日 日曜日

 昨日の嵐が嘘のような気持のよい秋晴れとなりました。
お茶畑の池ではオタマジャクシがたくさん浮かんでいました。もう脚が生え始めています。
何ガエルのオタマジャクシか、調べてみようと思います。

 池の縁に生えているイチジクの木にはキボシカミキリがいて、木の幹をかじっていました。
キボシカミキリはイチジクの木を食害するカミキリです。
不二聖心のキボシカミキリは何代にもわたってこの木で世代交代を繰り返しています。

 池の近くのポポーの木は先日の台風で大きな被害を受けました。残り少ない実を理科の平本先生が
ネットで保護していたところ、先週ネットの中に実が落ちました。職員室で観察していたところ、
部屋中にポポーの香が広がりました。

 

                       今日のことば

 まだ、今すぐみなさんにできることがあります。まず自分の意識レベルを上げるような勉強をして下さい。
いい芸術に触れることをお勧めします。特に優れた文学を読みよく考えて下さい。
あなたの周囲の人の意識レベルを上げるような会話をして下さい。
私の生涯の残り時間は少なくなりました。神経も若い頃のように活発には働きません。
これからますます悪くなるでしょう。私の人生の終わりに際して、これから地球に生きる生物に、
これから生まれて来るものたちに幸せに暮らしてほしいと祈らずにはいられません。
まして私たちが木を切り倒し、地面を砂漠化し、たくさんの高レベル放射性物質を残してこの世を去る
などということはとても悲しいことです。私は病気でほとんど寝たきりですので、
病床で本を書くことしかできません。元気な皆さん、どうか力を貸して下さい。

                               『いのちと環境』(柳澤桂子)より

2011.10.16

お茶の花・オオスズメバチ・オオヒメノカサ

平成23年10月15日 土曜日

 しばらく前からお茶の花が咲き続けています。不二聖心の農園ではおそらく何十万という数のお茶の花が
咲くのだと思います。その一つ一つが何らかの生命を養っています。下の写真は朝7時過ぎに撮影しました。
まださすがに訪れる生き物は少なかったで すが、オオスズメバチだけは活発に活動していました。



 中学2年生が本館と寄宿の間の中庭で見つけてくれたキノコを専門家に同定していただいたところ、
オオヒメノカサというキノコであることがわかりました。芝生に生えることが多い仲間だそうです。
カサの真ん中に裂け目ができて穴が開いたようになるのもオオヒメノカサの特徴です。

今日のことば

生きること「辛し辛し」という君に甘栗をむきそっと差し出す

                        柳澤桂子

2011.10.14

オオセンチコガネとムネアカセンチコガネ --不二聖心の糞虫たち--

平成23年10月14日 金曜日

 高校3年生が、わざわざ職員室まで、つかまえたオオセンチコガネを持ってきてくれました。
姿の美しさにひかれたようでしたが、糞虫であると伝える と少々がっかりしたようすでした。確かに、
草食獣の糞を食べて生きる虫がなぜこんなにも美しい姿になるのか、不思議でなりません。
静岡高校出身の作家の三 木卓は「糞のような素材を用いてそこに燦然たる美が生み出されるというのは、
生が高度な秩序の創造というすばらしい営為であることをはっきりと示してい る。」といささか大げさな表現で、この不思議を表現しています。

 オオセンチコガネがたくさん見られるということは、
それだけ多くの草食獣が不二聖心に生息していることを示しています。

 今週は、高校1年生の教室のベランダでムネアカセンチコガネの死骸も見つけました。
こちらは県によっては絶滅危惧種に指定している希少種です。
昨年も理科室から本館への渡り廊下で採集しており、2年続けての発見となりました。

今日のことば

飢えた子の前で、文学は可能か。

             サルトル

2011.10.12

アオダイショウ・ニホントカゲ

平成23年10月11日 火曜日

不二聖心では今日から後期が始まりました。

 今日は校舎内に幼体のアオダイショウが迷いこんできました。成体のアオダイショウは写真のような
模様がありません。不二聖心で最もよく見られるヘビはシマヘビとアオダイショウですが、
シマヘビと比較するとアオダイショウは性格的にはずっと大人しいヘビです。

 昨日は裏門の近くでニホントカゲを見かけました。
不二聖心ではたくさんの種類の爬虫類を目にすることができます。

今日のことば

祈りを唱える人でなく、祈りの人になりなさい。

マザー・テレサ

2011.10.11

サネカズラ・キンケハラナガツチバチ

平成23年10月10日 月曜日

 今日も裏門の外に立つケンポナシの木のあたりからアブラゼミの鳴き声が聞こえてきました。
今週も気温は比較的高いということですから、明日も鳴くかもしれません。

 希少種のサネカズラが東名高速の近くで咲いていました。もう既に実もなっていました。

 最近、急にキンケハラナガツチバチのメスの数が増えてきたように思います。
今日は腹部の大きく膨らんだメスを何匹か見かけました。産卵の季節を迎えているのかもしれません。

 10月7日にフィールド日記で紹介したアカガエルはヤマアカガエルで間違いないだろうという
メールが専門家の方から今日届きました。そのメールには、同定結果に添えて
「校内でヤマアカガエルが生息しているのはすばらしいですね」と書かれていまし た。
ヤマアカガエルが見られるのは普通のことではないことを忘れないでいたいものです。

  今日のことば

いのちが 一番大切だと
思っていたころ
生きるのが 苦しかった

いのちより大切なものが
あると知った日
生きているのが嬉しかった

         星野富弘

2011.10.11

アブラゼミ・アオドウガネ・ツマグロヒョウモン

平成23年10月9日 日曜日

 今日の静岡新聞の1面に「CO2 20年間で45%増 インド、中国が急伸」という見出しの記事が載りました。
記事の冒頭の1文は次のようになっています。

 2010年の世界全体の二酸化炭素排出量は、1990年に比べて45%増え、過去最高の約330億トンに
達したとの報告書を、欧州連合の研究機関などが8日までにまとめた。

 45%という数字に背筋の寒くなる思いがします。地球温暖化についての議論をさらに活発にしていかないと
非常に深刻な事態を招きかねないでしょう。

 不二聖心では興味もセミが鳴いていました。ツクツクボウシに加えてアブラゼミまでもが裏門のところで
鳴いていました。午後にはヒグラシも鳴きました。

 

 アブラゼミが鳴いていた木の近くにはアオドウガネが2匹いました。アオドウガネは暖地系の昆虫です。
もともと西日本でしか見られなかった甲虫が10月の静岡でまだ活動を続けています。

 お茶畑ではツマグロヒョウモンの繁殖行動を観察しました。
ツマグロヒョウモンは最も有名な温暖化指標の昆虫です。今も温暖化によって北上を続けていると言われます。
これらの小さな生き物たちが私たちに伝えようとしていることはなんなのでしょうか。それに対して
私たちはどう行動すべきなのでしょうか。それぞれが真剣に考える必要のある問いかけだと思います。

             今日のことば

今はあなたは問いを生きてください。
そうすればおそらくあなたは次第に、それと気づくことなく、ある遥かな日に、
答えの中へ生きて行かれることになりましょう。

                           リルケ

2011.10.08

ホタルガ・イヌタデ・ツマグロコシボソハナアブ

平成23年10月8日 土曜日

 今日は不二聖心でツクツクボウシに加えてミンミンゼミの声まで聞くことができました。
どうやらセミはまだしばらく鳴き続けるつもりのようです。
ヒヨドリバナの上にホタルガがいたのにも驚きました。通常は5月~6月と9月に見られるマダラガ科の蛾です。
よれよれの状態で生き残っているという感じ ではなく、活発にヒヨドリバナの花の蜜を吸っていました。
どうも季節がずれてしまっているように感じられて仕方がありません。

 

 イヌタデ(赤まんま)が温情舎の跡地のあちらこちらに咲いています。
この花を見ると中野重治の「歌」という詩を思い出します。次のような詩です。

   歌   中野重治

おまえは歌うな
おまえは赤まんまの花やとんぼの羽根を歌うな
風のささやきや女の髪の毛の匂いを歌うな
すべてのひよわなもの
すべてのうそうそとしたもの
すべての物憂げなものをはじき去れ
すべての風情を擯斥せよ
もっぱら正直のところを
腹の足しになるところを
胸元を突き上げて来るぎりぎりのところを歌え
たたかれることによって弾ねかえる歌を
恥辱の底から勇気をくみ来る歌を
それらの歌々を
咽喉をふくらまして厳しい韻律に歌い上げよ
それらの歌々を
行く行く人々の胸郭にたたきこめ

 中野重治がどれほどイヌタデ(赤まんま)を愛していたかを逆説的に伝える詩です。
イヌタデを見ると「歌」の詩を思い出し、自分にとっての「ぎりぎ りのところ」とは何かと繰り返し
自分自身に問いかけた高校時代が懐かしく甦ってきます。中野重治は「赤まんまの花を歌うな」と
詩に詠みましたが、ツマグロ コシボソハナアブがとまる赤まんまの美しい姿に思わず歌わずにはいられない
心境に今日はなりました。

今日のことば

ひとりの子どもの涙は人類すべての悲しみより重い。

                    ドストエフスキー

2011.10.07

ツクツクボウシ・アカガエル・ミイラの火口、ツリガネタケ

平成23年10月7日

 物事の始まりは注目されますが、終わりはそれほどでもないということがよくあります。
富士山の初冠雪は大々的にニュースになっても、富士山にいつ 最後の雪が降ったかはあまり話題にならない
というようなことです。しかし、物事の終わりにももちろん大きな意味があります。
今日、不二聖心ではツクツクボウシの声が聞かれました。この時期に聞かれるのは極めて珍しいことです。
学研のワイド原色図鑑のツクツクボウシの説明にも「7月中旬より9月末まで見られ、とくに8月中旬、
下旬に多い」とあります。もしかしたら今日の声が今年最後のツクツクボウシの声かもしれず、
この声が気候の重大な変化の予兆を示して いるのもしれません。

 昨日、ヤマアカガエルのことを書きましたが、今日も森の中でたくさんのアカガエルと出会いました。
その中で、この20年間で最も大型の個体を見つけました。不二聖心の自然の豊かさを語るのに多くの言葉は
いらず、この1枚の画像を示すだけで十分なのかもしれません。

 キャンプ場のツリガネタケがいつの間にか2つになっていました。ヨーロッパの氷河で発見された
約5000年前のミイラの「アイスマン」がこのツリガネタケを火口として携帯していたというのは有名な話です。

 

                      今日のことば

数年間、毎年こうやってクモの網づくりを調べることは、正直言ってわたしには、たいしてめんどうなこと
ではありません。でも、こんなことをしていて金持ちになるはずはないのです。それでもわたしはかまいません。
お金持ちになるよりも、もっともっと たくさんな精神の満足を、こうした生活はわたしにあたえてくれる
のですから。
                                   アンリ・ファーブル

2011.10.07

イヌショウマ・ヤマアカガエル

平成23年10月6日 木曜日

 絶滅危惧種のイヌショウマの花が今年も咲き始めました。先日の台風の影響か、数が激減してしまった
のが気がかりです。撮った写真を眺めてみて初めて、花の近くにアリがいたことに気づきました。
見ているようで実は見ていないことの何と多いことかと思います。

 絶滅危惧種のヤマアカガエルに出会いました。土の色にすぐに同化してしまうため見つけにくいカエルです。
かつての普通種が次々に絶滅危惧種となっている時代です。気がついたら絶滅していたということにならない
ようにしていかなくてはならないと思います。

         今日のことば

私たちの目を、見えるものから
あなたの見ておられる見えないものへ導いてください。
目に見えない存在、目に見えない生命、
目に見えない行い、目に見えない愛へ
大切でないものにまどわされやすい私たちが
真に価値あるものを理解し
それを望むことができますように。

    聖心会 第9代総長 マザー ドレスキューの祈りより

2011.10.05

ヤマトシジミ・ヨモギクキワタフシ

平成23年10月5日 水曜日

今日の日中の気温は11月下旬並みだったということです。寒い一日でした。

 ヨモギの花にヤマトシジミがとまっていました。茎のところにはヨモギクキワタフシという虫こぶが
ついているのが見えます。ヨモギワタタマバエがあ る種の化学物質を植物の組織内に注入することによって、
このような虫こぶができあがりました。虫こぶの形成過程のメカニズムにはまだ明らかになっていない
ことがたくさんあります。

                        今日のことば

 渚に満ちあふれる生命をじっと見つめていると、私たちの視野の背後にある普遍的な真理をつかむことが
並大抵の業ではないことをひしひしと感じさせ られる。夜の海で大量のケイ藻が発するかすかな光は、
何を伝えようとしているのだろうか? 無数のフジツボがついている岩は真っ白になっているが、
小さな生命が波に洗われながら、そこに存在する必然性はどこにあるのだろうか? 
そして、透明な原形質の切れはしであるアミメコケムシのような微少な生物が無数 に存在する意味は、
いったい何なのだろうか? かれらは、岸辺の岩や海藻の間に一兆という数ですんでいるが、
その理由はとうていうかがい知ることはできな い。これらの意味は、いつまでも私たちにつきまとい、
しかも私たちは決してそれをつかまえることはできないのだ。しかしながら、それを追究していく過程で、
私たちは生命そのものの究極的な神秘に近づいていくだろう。

                                       レイチェル・カーソン

Contemplating the teeming life of the shore, we have an uneasy sense of the communication of some universal truth that lies just beyond our grasp. What is the message signaled by the hordes of diatoms, flashing their microscopic lights in the night sea? What truth is expressed by the legions of the barnacles, whitening the rocks with their habitations, each small creature within finding the necessities of its existence in the sweep of the surf? And what is the meaning of so tiny a being as the transparent wisp of protoplasm that is a sea lace, existing for some reason inscrutable to us ---- a reason that demands its presence by the trillion amid the rocks and weeds of the shore?
The meaning haunts and ever eludes us, and in its very pursuit we approach the ultimate mystery  of Life itself.

2011.10.04

雪化粧の富士山・ウラナミシジミ・カゲロウ

平成23年10月4日 火曜日

上空の寒気の影響で今年一番の冷え込みとなりました。富士山も雪で真っ白でした。

 温情舎の跡地に生えているセイタカアワダチソウにウラナミシジミがとまっていました。よく見ると
翅の先に尾状突起と呼ばれる糸のようなものが付いているのがわかります。これを触覚に似せ、
翅の模様を目玉に見せて敵を欺いているのです。

 その近くのススキにはカゲロウがとまっていました。カゲロウがいるということは近くに
水質の良い川があることを示しています。

 

今日のことば

If a child lives with acceptance and friendship, he learns to find love in the world.

受け入れられて育った子は、世界に愛を見つけます。

                         ドロシー・ロー・ノルト

2011.10.03

スズメウリ・ススキの花穂とキンケハラナガツチバチ

平成23年10月3日 月曜日

 スズメウリが杉の木からぶらさがっているのに気付きました。
小さくて色も杉の緑に同化し実に目立たない実です。
熟しても赤や黄色に色づくこともなく白くなって枯れていきます。なんともはかなげな風情があります。

 キンケハラナガツチバチがススキの花穂にとまっていました。花穂の上に乗ったまま全く動こうとしません。
どうやらキンケハラナガツチバチにはこのような姿で休息をとる習性があるようです。

         今日のことば

もしも 走れないのならば 歩けるよろこび歌おう
もしも 歩けないのならば 立ち上がるよろこび歌おう
もしも 立ち上がれないなら 起き上がるよろこび歌おう
もしも 起き上がれないなら 目覚めるよろこび歌おう

                      樋口了一

2011.10.02

マツムシ・ショウリョウバッタモドキ

平成23年10月2日 日曜日

 ススキ野原で、マツムシの接写に成功しました。文部省唱歌の「蟲のこゑ」でおなじみの
「チンチロチンチロチンチロリン」という鳴き声を毎日、耳に していましたが日中は姿を見せることが少なく
警戒心も強いため、撮影はなかなか困難でした。それが今日は雌雄合わせて3匹の撮影に成功したのです。
マツム シのレッドデータリストは以下の通りです。

絶滅危惧Ⅰ類 群馬県
絶滅危惧Ⅱ類 東京都 千葉県
準絶滅危惧種 埼玉県 茨城県

 下の写真は、1枚目がメスで2枚目がオスです。

 実は昨日の夕方に、もう1種、直翅目の希少種の撮影に成功しています。ショウリョウバッタモドキです。
同じようにレッドデータリストを示します。

絶滅危惧Ⅰ類 群馬県
準絶滅危惧種 山形県 茨城県 千葉県 埼玉県 東京都 奈良県 高知県

 以前から、矢島稔先生が1983年にお書きになった『昆虫ノート』(新潮文庫)という本を愛読していますが、
その本にはショウリョウバッタモドキについて以下のように書かれています。

 とにかく四十年近く東京のまわりを虫を探して歩きまわっているから、いつどこで何に会えるかという
「昆虫ごよみ」が私の中にはできている。ところが近頃さっぱり会えなくなった種類がいくつかある。
直翅目ではキリギリス科のカヤキリとクツワムシ。バッタ科のショウリョウバッタモドキである。
特に後者は十年も会っていない。どれほど少なくなったかといわれても定量的に測定していないから、
いわば狩人のカンとしかいいようがないのだが……。
最後に出会ったのは四十八年夏で、しばしば訪れる相模湖に近い丘陵だったと記憶している。
その場所もすっかり変ってしまって、去年も遂にその姿を見出せなかった。私が特に鮮明におぼえている
のは触角から頭、胸、翅の背中側がピンク色で、イネ科の細長い葉の中にいると、
実に巧みなカムフラージュ効果があって、一瞬その姿が消えてしまうからだ。
ショウリョウバッタも、オンブバッタもたしかに保護色だが、決してそれに劣らない。
予想以上に細長い体、頭の尖っている角度など形も姿をかくすのに役立っている。
近年、保護色をテーマに調べているので、もう一度是非会いたいのだが願いがかなうだろうか。
べつにこのバッタがいなくなっても話題にならない。人間とは何の関わりも無いから。
でもこうした生物が他にもいるだろう。という事は自然界のバランスが くずれている証拠である。
人はまだ気づかない。次々に音もなく消える生物が天然記念物だと大問題になるが、その時はもうおそい。

 この文章が28年前に書かれていることに注目したいと思います。1983年に既に著しく数を減らしていた
ショウリョウバッタモドキを、2011年 の不二聖心で普通に見ることができるのです。
しかし、その姿はいかにも弱々しく人が近づくと瞬時に葉裏に姿を隠してしまいます。
もし不二聖心のススキ野原 が適正に管理されなくなったらあっという間に絶滅してしまいそうです。
ショウリョウバッタとショウリョウバッタモドキの違いに気付ける目を持ち、希少種の数の増減を意識する
ことは実に大切なことだと思います。聖心の教育 は、世の中の弱い立場にあるものに目を向ける心を育てる
ことを目的の一つにしていますが、マツムシやショウリョウバッタモドキのような急激に数を減らし
つつある生き物を慈しむ心を持つことが、弱者への温かいまなざしを育てることにもつながるのでは
ないかと思っています。

  

          今日のことば

夢をまことにと思うならば、焦らずに築きなさい。
その静かな歩みが遠い道を行く。
心を込めれば全ては清い。
この世に自由を求めるならば、焦らずに進みなさい。
小さいことにも全てを尽くし、飾らない喜びに気高さが住む。
日毎に石を積み続け、焦らずに築きなさい。日毎にそれであなたが育つ。
やがて天国の光があなたを包む。

                      アシジの聖フランシスコ

2011.10.01

ススキの花とハナバチ・アサギマダラ

平成23年10月1日 土曜日

 金木犀の香がただようなか、カネタタキの鳴く声を聞きながら一日仕事をしました。
ススキがたくさんの花をつけ、そこには花粉を求めてアリやハチが集まってきています。
今日は朝早くから熱心に動き回るハナバチの姿も撮影できました。

 9時50頃、校舎の中にアサギマダラが飛んできました。1000キロを超える渡りをすることもあると言われる
蝶です。写真を撮ってすぐに外に逃がしました。このあと沖縄あたりまで飛んでいくのかもしれません。

           今日のことば

人が死んでのちに残るのは、集めたものではなくて散らしたものである。

                     ジェラール・シャンドリー

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