フィールド日記
2011.12.23
霜の花 ソシンロウバイ
2011.12.23 Friday
ニュースではクリスマス寒波という言葉が盛んに使われています。今日も寒い朝でした。
すすき野原には霜の花が咲いていました。
マリアガーデンのソシンロヴイの蕾がだいぶ膨らんできました。ソシンロウバイはロウバイ科ロウバイ属の
落葉低木です。ソシンロウバイはロウバイのように花の中心部が暗紫色にならず、花全体が黄色いのが特徴です。
ロウバイの香りが漂う新春の訪れが待ち遠しいです。
今日のことば
わたしはわたし。そのままを受け止めてくれるか、さもなければ放っといて。
I am what I am. Take it or leave me alone.
ロザリオ・モラレス
2011.12.22
絵かき虫
2011.12.22 Thursday
フユイチゴは不二聖心の林内で最も数の多い植物の一つです。そのフユイチゴの葉に時々白い模様がはいっている場合があります。「絵かき虫」と呼ば れる潜孔性昆虫の仕業です。「絵かき虫」には実にさまざまな種類があり、これだけでも生物の多様性を実感することができます。
それにしても、この薄い葉の 中に潜れる虫がいるというのは自然の驚異です。
今日のことば
挫折することのない人は信用できない。人は宿命として挫折によって「人間」を獲得する。
心をこめた仕事であれば苦しみがなくて完成しようか。愛することを知るものが悩みなくてありえようか。
よい事づくめの人は、心をこめていないか、より以上のものを求めていないか、
人を押しのけていることを自覚していないか、つめたく他を見下げているか、である。
大きな挫折をもった人ではじめて他の挫折を共感することができる。人間の最も深い感情がそこから発している。流されぬ日蓮はなく、十字架にかからぬキリストはありえないのだ。
永瀬清子
2011.12.22
センリョウ
2011.12.21 Wednesday
今日は、クリスマス・キャロルの日でした。生徒たちの努力が実った素晴らしいキャロルとなりました。
チャプレンの神父様から「これほどとは……。言葉になりません。」と言っていただいたことがとてもうれしかったです。
今年も残り僅かとなりました。クリスマスの本当の意味を考えながら残りの日々を過ごして新しい年を迎えたいものです。
下の写真は正門近くの森に生えるセンリョウの写真です。お正月の飾りとして使われるセンリョウをまもなく
あららこちらで見かけることになるでしょう。
今日のことば
寒星や神の算盤ただひそか 中村草田男
2011.12.20
牧草地の朝日 イチゴツツヒメハマキ
2011.12.20 Tuesday
今日も美しい朝日を見ることができました。
2枚目の写真は葉巻状になったフユイチゴの葉の写真です。中にはイチゴツツヒメハマキという蛾の幼虫が
いました。一度葉を伸ばしてもしばらくすると幼虫は同じように葉巻状の住処をつくってしまいます。
今日のことば
地上の子の一番の幸せはなにか、すべてを失おうと自分が自分であるところのものを失わぬことだ。
ズライカ
2011.12.19
ブナの冬芽
2011.12.19 Monday
朝日が昇る姿を牧草地で写真に撮りました。光は万物を照らし、光を受けた生き物はいっそう輝きを増します。
もう一枚の写真に写っているのは太陽の光を受けて輝くブナの冬芽です。
今日のことば
終わりはいつもはじまりである
人生にあるのは
いつも今である
今だ
杉山平一
2011.12.18
ヒメフンバエ Dung Fly
2011.12.18 Sunday
ヤツデの花に来る双翅目の昆虫の中にヒメフンバエを見つけました。ヒメフンバエの幼虫は獣糞を食べて育ちます。このハエは不二聖心に生息するシカの糞を食べて育ったのかもしれません。
I found a dung fly which is on the flower of the Japanese Aralia. The larva of a dung fly eats mammalian feces. The larva of this fly might have eaten feces of the deer in Fuji Sacred Heart.
今日のことば
ちがった視点でこの世界を見てみましょう。まず、こう問うのです。満ち足りた、豊かな、
そして健全な人生を送るために、ほんとうに必要なものは何なのか、と。
私たちは、自然から切り離された別個の存在ではありません。生物圏の一部であり、
その大いなる恵みによって生かされている存在なのです。
デヴィッド・スズキ
Let's look at the world through different eyes. What do we really require to live full, rich, healthy lives? Rather than being separate or apart from the rest of nature, we are deeply embedded in and utterly dependent on the generosity of the biosphere.
David Suzuki
2011.12.17
カナヘビ
2011.12.17 Saturday
土の中で越冬している生き物の調査をしていたらカナヘビが出てきました。カナヘビがこのような姿で越冬していることを初めて知りました。このあとカナヘビをそっと土の中に返しておきました。
今眠りについている生き物たちの気配を感じることは不思議と心を豊かにします。
今日のことば
ほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。
『銀河鉄道の夜』より
2011.12.17
クヌギエダイガフシ
2011.12.16 Friday
クヌギエダイガフシという虫こぶの写真です。クヌギエダイガタマバチが注入する化学物質のはたらきによって細胞が変化し、このような虫こぶができます。ハチが巣立ったあとの空き部屋にいつのまにかアリやクモが住みつくという面白い現象も不二聖心ではよく見られます。
今日のことば
あなた方の心が謙虚になった時、主はあなた方の心の中に新しいことを行われます。
聖マグダレナ・ソフィア
2011.12.15
ジャノヒゲ
2011.12.15 Thursday
自然界には、人の眼にはふれにくい美しい花や実がたくさんあります。その一つにジャノヒゲの実を挙げることができます。ため息がでるほどに美しい実ですが、「蛇(ジャ)」の「髭(ヒゲ)」にたとえられる葉をよせないと実を見ることがなかなかできません。瑠璃色の輝きが人の目にふれずに失われていくのは何とも惜しい気がします。
今日のことば
私たちが吸う息のなかには、はるか大昔に生きた人びとが、
嘲笑や怒声や悲鳴や歓声や祈りとともに吐きだした息が入っている。
ハーロウ・シャプレー
2011.12.14
シマハナアブ
2011.12.14 Wednesday
今日は貴重なものをいくつか目にすることができました。
一つは、飛行蜘蛛です。クモの子どもが自分で糸を出し、その糸に風を受けて飛んでいく飛行蜘蛛を生まれて
初めて目にすることができました。次はコゲラの つがいです。キツツキの仲間も不二聖心には何種か生息しています。ツマグロヒョウモンが飛んでいたのにも驚きました。
もともと静岡にはいなかったツマグロヒョウモンは温暖化の進行とともに生息域を北に広げたと言われています。
温暖化指標のチョウが12月の半ばに姿を見せていることに驚きました。
ヤツデの花の周辺は今日もたいへん賑やかでした。写真のアブはシマハナアブのオスとメスです。
模様が全く違いますが、同じ種です。
今日のことば
ハードルは高い方が意欲はそそられますね。それをなんとか飛び越えて家に帰った時の方が達成感はあるし、
心地いい疲労感が流れるから。だから意識して自分でハードルを上げたりもしますよ。
宮沢りえ