フィールド日記

2012.04.30

新緑のお茶畑  絶滅危惧種キンラン  ハグロケバエ

  2012.04.30 Monday

今日の天気は曇りでしたが、曇天の下に美しい新緑のお茶畑が広がっていました。


ついに今年もキンランが咲きました。写真の上に写っているのが、クヌギの木です。菌根菌という菌がクヌギからキンランへと養分を送っています。(菌根菌については『もやしもん』の第4巻を読むとよく理解できます。)全国で絶滅危惧種に指定されているキンランですが、この環境でしか生きられない花だと思うといっそうその貴重さがわかります。


 
今日はお茶畑でハグロケバエの大量発生が見られました。大型の双翅目が群舞する光景は壮観です。攻撃性はいっさいなく、そのことを知っていれば毎年の季節の便りとして落ち着いて受けとめることができます。下の写真の左がメスで右がオスです。


 

                今日のことば

 「3.11」の後には私も落ち込みました。高齢者がたくさん亡くなり、高齢者を助けようとした若い命も奪われました。テレビ画面に映る、高齢女性、どうやら家族を失って一人避難所にいる方を見て、気軽に「人生百年」なんて言っていた自分に疑問を覚えたのです。
そんなある日、天皇、皇后両陛下の被災者お見舞いがテレビニュースで流れ、皇后さまのおことばがこう聞き取れました。
「よく助かってくださいましたね」
心を揺さぶられました。年齢、性別を問わず、今ここにある命への全き受容と感謝。命への敬意と祈り。それは、私たちがこれからも歩みつづける基本だと思い、また、勇気が出てきたのです。                                

                                 樋口恵子



お知らせ

 2012年8月7日に不二聖心女子学院では「夏休み子供自然体験教室」を開催することになりました。
不二聖心女子学院には約20万坪の敷地があり、そこには雑木林、すすき野原、竹林、針葉樹林、茶畑、栗畑、草原などさまざまな環境があります。夏休みの一日を豊かな自然の中で過ごし、広い敷地をウォーキングしながら生き物について学び、たくさんの命を感じてみたいという方はどうぞお申し込みください。
牧草地での虫取りゲームや日本でここにしかない幻の紅茶「ただにしき」を飲みながらのティータイムも企画しています。
  詳細をお知りになりたい方は、不二聖心女子学院のホームページのトップページの「夏休み子供自然体験教室小学生対象募集中!」のバナーをクリックしてください。

2012.04.29

アケビの花  オクマワラビ

  2012.04.29 Sunday

校舎の裏の道で今、アケビとミツバアケビの両方の花を見ることができます。下の写真はアケビの花です。アケビの花は、同じ花序に雄花と雌花がまじっているのが特徴です。奥の方に移っている小さい花が雄花で、手前の大きい花が雌花です。写真を撮っている間にもハチが飛んできていました。受粉が上手く成功して秋に実がなるのが楽しみです。

 新緑が美しいのは樹木だけではありません。シダの新緑にも思わずはっとするほどの美しさがあります。4月18日のフィールド日記で紹介したズアカシダカスミカメがついていたシダはオクマワラビであることがわかりました。この時期に鮮やかな黄緑色の葉が一際目立つシダです。オクマワラビは、ズアカシダカスミカメがこの時期に最も好むシダではないかと思っています。

 

               今日のことば

科学者になるには自然を恋人としなければならない。自然はやはりその恋人にのみ真心を打ち明けるものである。

                                寺田寅彦


お知らせ

 今年の夏に不二聖心女子学院では「夏休み子供自然体験教室」を開催することになりました。
不二聖心女子学院には約20万坪の敷地があり、そこには雑木林、すすき野原、竹林、針葉樹林、茶畑、栗畑、草原などさまざまな環境があります。夏休みの一日を豊かな自然の中で過ごし、広い敷地をウォーキングしながら生き物について学び、たくさんの命を感じてみたいという方はどうぞお申し込みください。
牧草地での虫取りゲームや日本でここにしかない幻の紅茶「ただにしき」を飲みながらのティータイムも企画しています。
  詳細をお知りになりたい方は、不二聖心女子学院のホームページのトップページの「夏休み子供自然体験教室小学生対象募集中!」のバナーをクリックしてください。

2012.04.28

クビキリギス  アミガサタケ

  2012.04.28 Saturday

 昨日から職員室の横の庭でモリアオガエルが鳴き始めました。今朝はキャンプ場の池でも鳴いていましたので、モリアオガエルも本格的に活動を始めた様子がうかがわれます。
昨晩は、帰宅する時にクビキリギスの声を聞きました。真っ暗ななかを、声を頼りに姿を探しましたが、すぐ近くと思われた鳴き声の主は結局50メートルほど離れたところで鳴いていました。写真は暗い中でフラッシュをたいて撮ったものですが、暗くても声がとても力強くてすぐに居場所はわかりました。今年の寒い冬を成虫で乗りきった個体です。その生命力に驚いてしまいます。


 
キャンプ場でアミガサタケを見つけました。中学校校舎の中庭のアミガサタケよりだいぶ遅れて発生したようです。不二聖心の環境は高度もさまざまなので、同じ種でも発生の時期が異なる場合がよくあります。


 

          

             今日のことば

ことばで祈れなくとも、頭で祈れなくとも、
生きることによって祈れる。
愛したいとねがって生きることそれ自体が
立派な祈りなのだ。

                        ルネ・ヴォアイヨーム

 

 お知らせ

 今年の夏に不二聖心女子学院では「夏休み子供自然体験教室」を開催することになりました。
不二聖心女子学院には約20万坪の敷地があり、そこには雑木林、すすき野原、竹林、針葉樹林、茶畑、栗畑、草原などさまざまな環境があります。夏休みの一日を豊かな自然の中で過ごし、広い敷地をウォーキングしながら生き物について学び、たくさんの命を感じてみたいという方はどうぞお申し込みください。
牧草地での虫取りゲームや日本でここにしかない幻の紅茶「ただにしき」を飲みながらのティータイムも企画しています。
  詳細をお知りになりたい方は、不二聖心女子学院のホームページのトップページの「夏休み子供自然体験教室小学生対象募集中!」のバナーをクリックしてください。

2012.04.27

絶滅危惧種カヤラン  「夏休み子供自然体験教室」のお知らせ

  2012.04.27 Friday

 全国各地で絶滅危惧種に指定されているカヤランが今年も咲きました。カヤランは樹上に着生するランで、樹木から栄養を得ています。黄色い花の美しさはまるで樹木の精霊のようです。

 

 マリアガーデンのツツジが見ごろになってきました。近づくとハチの羽音があちこちから聞こえてきます。そのほとんどはマルハナバチで花の中にもぐって上手に蜜を吸っています。
ハチの中にはもぐることが非常に得意な種類がいくつかありますが、マルハナバチはその代表で、マルハナバチに受粉を助けてもらっている花もたくさんあります。


 
 
 

 

                今日のことば

 人間は、「私」の身体は周囲の自然から独立したものだ、と思っている。「私」の皮膚から外の世界は他者だ、と思っている。しかし、これは人間の個体意識が作りだした大きな錯覚だった。
人間の身体は、もともとすべての自然、すべての生命とつながったものだ。「私」はもともと「我々」だったのだ。

                                  龍村仁

 
お知らせ

 今年の夏に不二聖心女子学院では「夏休み子供自然体験教室」を開催することになりました。
不二聖心女子学院には約20万坪の敷地があり、そこには雑木林、すすき野原、竹林、針葉樹林、茶畑、栗畑、草原などさまざまな環境があります。夏休みの一日を豊かな自然の中で過ごし、広い敷地をウォーキングしながら生き物について学び、たくさんの命を感じてみたいという方はどうぞお申し込みください。
牧草地での虫取りゲームや日本でここにしかない幻の紅茶「ただにしき」を飲みながらのティータイムも企画しています。

開催日  平成24年8月7日(火) 時間 10時00分~15時00分
開催場所 不二聖心女子学院(静岡県裾野市桃園198)
駐車場はあります。
内容   不二聖心女子学院内の動植物の観察と採集
(雨天の場合は講演や自然に関するゲームなどを行います。)
講師   平井剛夫  農学博士・昆虫研究家
蒔苗博道  不二聖心女子学院教諭
平本政隆  不二聖心女子学院教諭
対象   小学校4年生から6年生の児童とその保護者。(男女を問わず歓迎します。)
定員   20組(保護者同伴でお願いします。申し込み多数の場合は抽選をします。)


お問い合わせ・申し込み方法
不二聖心女子学院のホームページ(https://www.fujiseishin-jh.ed.jp)の申し込みフォー
ムに、「氏名、住所、電話番号、メールアドレス」等の必要事項を入力して送信してくださ
い。
    (不明な点は電話【055-992-0213】でお問い合わせください。)


申し込み締め切り 2012年7月1日(日)
(申し込み多数の場合には抽選をし、参加決定者には7月10日までに郵便で連絡します。)


参加料  1人500円(昼食代と保険料を含みます。当日、お支払いください。)
◎自然体験教室終了後、希望者を対象としてキャンパス・ツアーを実施します。

2012.04.26

カメノコテントウ

  2012.04.26 Friday

 事務室から講堂へ向かう階段でカメノコテントウが見つかりました。かなり大型のテントウムシで、クルミハムシやドロノキハムシの幼虫を食べると言われています。不二聖心ではまだクルミハムシやドロノキハムシは見つかっていませんが、カメノコテントウが見つかったことで、それらの種の生息の可能性が高まりました。生き物のつながりを手掛かりに生物調査を進めていくのも自然観察の面白さの一つです。

 

今日のことば

 一人の子どもを育てるのにかかるエネルギーの消費というのが、日本で一人増えると途上国で二四人子どもが生まれたと同じことになるというようなことも、いまの日本の人たちは一般には知らないでしょう。

                              長谷川眞理子

2012.04.25

環境指標生物ユミモンヒラタカゲロウの幼虫

  2012.04.25 Wednesday

 今日の高校1年生の総合学習(環境学習)の時間に裏道の沢に沢蟹がたくさんいる理由について話しました。考えられる理由の一つとして、この沢が森とつながっていることを挙げました。森から流れ込む豊かな養分が沢蟹の栄養となっています。さらに加えて、森の土壌の浄化能力によって、きれいな水が流れこんでいることも、重要な要因です。先日、この沢でユミモンヒラタカゲロウの幼虫の生息を確認しました。この幼虫はきれいな水にしか棲めない虫です。そこにいる生き物を調べることによって、私たちは環境の質をはかることができます。

 


下の写真は石の裏にはりついているユミモンヒラタカゲロウの写真で、さらにその下の写真はビニールの袋に移した幼虫の写真です。
 

 


今日のことば

「子どもの個性を伸ばす」というスローガンはもっともらしく聞こえる。しかし、教師自身が何か高みを目指して飛ぶ矢のような勢いを持っていなければ、学ぶ側に「あこがれ」は生まれない。教えるという行為にばかり気をとられて、教師自身が学ぶことを忘れている場合が少なくない。学ぶ側はそれなりに進歩をしているにもかかわらず、教師の側が十年一日の如くであるとするならば、年々若々しさが失われる分、教師の魅力は減っていく。
学び続けていると、人は若くいられる。私はそう考えている。学んでいるときには細胞が活性化し、新陳代謝がうまくいっている気がする。学ぶことを面白いと心底感じ、その学ぶ喜びを生徒たちに伝えようとする教師の心は若々しい。

                                  

                                  齋藤孝

2012.04.24

絶滅危惧種ヤマアカガエルの卵

  2012.04.24

 昼休みに高校1年生の生徒が職員室に来て、寄宿の中庭にカエルの卵が落ちていることを教えてくれました。駆けつけてみると、そこには鳥に運ばれたと思われるヤマアカガエルの卵が落ちていました。ヤマアカガエルは県によっては絶滅危惧種に指定されている希少種です。


  
 

 築山の池に卵をはなしにいったら、そこには既にたくさんのオタマジャクシが泳いでいました。これもすべてヤマアカガエルだと思われます。

 

             今日のことば

主は人の一歩一歩を定め
御旨にかなう道を備えて下さる。
人は倒れても、打ち捨てられるのではない。
主がその手をとらえていてくださる。

                          詩編第37編

2012.04.23

松の葉のようなオナガグモ

  2012.04.23 Monday

  校舎の裏の車庫の横でオナガグモを見つけました。空中に松の葉が浮いているように見えるクモです。一般的にクモの糸には粘性があって、その粘り気によって獲物をとらえることが多いのですが、オナガグモの糸には粘り気がありません。何も知らずに糸を伝ってのぼってきたクモを食べてしまうのです。写真には犠牲になった他種のクモもはっきりと写っています。
少し刺激を与えるとすぐに動き出しますので、まぎれもなくクモであることが確認できます

 

              今日のことば

 この大宇宙自身、何もない混沌から意味あるものとして造られたものだ。つまり宇宙は本質的に「たてられた」存在なのだといえる。ぼくらが人間関係をたてたり小宇宙をたてたりするのは、その大宇宙が今もたてられ続けていることと共振しているからではないだろうか。ぼくらが何か値うちあるものをたてているときにこそ大きな喜びを感ずるのが、その何よりのしるしだろう。

                               晴佐久昌英

2012.04.22

不二聖心で見られる絶滅危惧種 フデリンドウ ウラシマソウ

  2012.04.22  Sunday

  不二聖心では今の季節から初夏にかけてたくさんの貴重な植物が花を咲かせます。その中には日本の各地で絶滅危惧種に指定されている植物もありますが、そういう植物を見つけると美しさに感動するよりも今年も出会えた喜びにまず安堵の思いを抱きます。この春もそういう経験を何度かしました。先ず紹介したいのはフデリンドウです。不二農園の方々が雑木林の下草をしっかり刈ってくださるおかげで、この美しく可憐な花をこの春も愛でることができました。

 

 今見ることができる貴重な植物としてもう1種挙げるとしたらウラシマソウです。駐車場の近くで毎年お目にかかっているのですが、今年は裏道の全く違う場所で新たな自生地を見つけました。花穂から出る糸状の付属体を釣り糸に見立て、花全体を、釣りをする浦島太郎にたとえて、ウラシマソウと名付けられました。実際に付属体をたどって花の中へとおびき寄せられてしまう昆虫もいるようです。

 

 
今日のことば

 ノスタルジーの語源は「故郷へ帰ることができない心の痛み」。ロシアの音楽を聴くとなぜか、それを強く感じるんです。ロシアには人間の感情すべてを包み込む無条件の肯定、「魂の全体性」への強い希求があります。

                                亀山郁夫

2012.04.21

サルの親子   解明された昨日の謎 クロバネキノコバエ

  2012.04.21 Saturday

 久しぶりにサルの親子と出会いました。東名高速道沿いの斜面でおいしそうに若葉を食む姿を目撃しました。

 昨日の謎の昆虫は、クロバネキノコバエであることがわかりました。この種類のハエは、幼虫が群れを作って移動することで知られています。ARMY WORM と呼ばれることもあるそうです。なぜ集団で移動するのかについての定説はないそうですが、過密になった集団を分散させることによって、集団の密度を下げるためという説があります。移動することで身を危険にさらすこともあるようですが、もともといた集団を救うために敢えてそうすることを厭わないそうです。昨日の写真のハエたちも自己犠牲の精神に富むハエたちかもしれません。


 

               

                今日のことば

 「今ある」ということが無限に「喜ばしく」なければならない。自分がむなしくなり、完全に放棄されて、ゼロになって、そこから「今、ある」を仰ぎ見るようにして考える。そのとき、世界は「すばらしいこと」にみちてくる。世界は「在る」というそのことに恵まれている。                      

                                 辻邦生

2012.04.20

栗畑の新緑  クリメコブズイフシ  虫たちの謎の行動

  2012.04.20 Friday

 栗畑の栗の木の葉がだんだん開いてきました。そこに早くもクリタマバチが卵を産みつけ、鮮やかな赤の虫こぶ(クリメコブズイフシ)がつくられつつあります。 

  

 栗の木の下で昆虫が不思議な集まり方をしていました。種名がわかるかどうか調べてみたいと思っています。



 


今日のことば

 木を植えることは、私たちのこころの中にも木を植えることである。そして人類と地球上のすべての生き物の未来を保障することである。                                    

                                宮脇昭

2012.04.19

イロハモミジの新緑  アミガサタケ

  2012.04.19  Thursday

 中学校校舎の中庭のイロハモミジの新緑が美しい季節となりました。不二聖心にはかつて岩下清周氏が京都から取り寄せたと言われるイロハモミジの木がたくさんあります。

 

イロハモミジの木の下にはアミガサタケが顔を出していました。春の使者と呼ばれるアミガサタケですが、毎年同じ場所に発生して不二聖心の春を告げてくれています。これで5年連続の確認となります。


 

 
今日のことば

所有できるものはいつか失われる。なくてはならないものは、けっして所有することのできないものだけなのだと。日々の悦びをつくるのは、所有ではない。草。木。水。土。雨。日の光。猫。石。蛙。ユリ。空の青さ。道の遠く。何一つ、わたしのものはない。

                                                                                   長田弘

2012.04.18

クサボケ  ズアカシダカスミカメ

  2012.04.18 Wednesday

  クサボケの花が次々に開き始めました。写真の背後に白く見えるのは今朝の富士山です。

 

 オクマワラビかと思われるシダに小さい粒のような虫がついていました。顕微鏡で確認したところ、体調わずか3ミリのカメムシであることがわかりました。ズアカシダカスミカメというカメムシです。特定のシダにつくことはないようなのですが、なぜか不二聖心では写真のシダにだけついているように思われます。胞子が食べごろなのでしょうか。

 
今日のことば

新聞のにおいに朝を感じ
冷たい水のうまさに夏を感じ
風鈴の音の涼しさに夕ぐれを感じ
かえるの声はっきりして夜を感じ
今日一日も終りぬ
一つの事一つの事に神さまの恵みと愛を感じて

                      水野源三

2012.04.17

モミジイチゴとアワフキムシ  コマルハナバチ

  2012.04.17 Tuesday

校舎の裏の坂道でモミジイチゴの花が咲き始めました。葉がモミジに似ているところからモミジイチゴと名づけられたキイチゴの仲間です。モミジイチゴの枝にはアワフキムシがついていました。小さな命の営みは休むことなく続いています。

  

コマルハナバチが校舎内に入ってきました。受粉昆虫としても非常に重要な役割を果たす
ハチですが、セイヨウマルハナバチの侵入により徐々に数を減らしているとも言われます。

 


今日のことば

落ちて来たら
今度は
もっと高く
もっともっと高く
何度でも
打ち上げよう

美しい
願いごとのように
             黒田三郎

2012.04.16

桜の花びらとオビモンハナゾウムシ

  2012.04.16 Monday

 桜の木の下でゾウムシを見つけました。日本には約1000種のゾウムシがいると言われ、手頃な図鑑では調べられない種も少なくありません。このゾウムシも専門家の方に見ていただいてようやくオビモンハナゾウムシであることがわかりました。桜の木の下にいたことから、もしかしたら桜と特別な関係のあるゾウムシかもしれないと思っていましたが、専門家の方の回答には「ヤマザクラ、オウトウなどの実を加害する」とありました。植物と昆虫のつながりに着目することで自然はさらに奥深い姿を見せてくれます。

 

 

               今日のことば

 虹が出たとき、知らない人にも言いたくなります。自分だけで一人じめできない、そういうものが空に出ていると伝えたい、どうしたって欲得なしに伝えたいのです。虹をわけ合いたいのです。              

                                石垣りん

2012.04.15

ナツトウダイ

  2012.04.15 Sunday

お茶畑の近くの雑木林の林床は、この時期、ナツトウダイに覆われていきます。ナツトウダイは鹿児島県で絶滅危惧Ⅱ類、鳥取県と佐賀県で準絶滅危惧種に指定されていますが、不二聖心ではその希少性を忘れさせるほど、勢いよく育っていきます。茎を切るとすぐに白い液体が溢れ出すのも生命力の証でしょうか。花の時期にはたくさんの虫が蜜を求めてやってきて、あたりはちょっとした賑わいを見せます。


  
 

               今日のことば

We are spiritual beings, and we need spirit more than ever. We need to understand
that nature gave us birth and is our home and source of well-being, and that when
we die, we will return to it.
                                                                            David Suzuki

2012.04.14

シラユキゲシ

  2012.04.14 Saturday

 墓地の近くにシラユキゲシがたくさん咲いている場所を見つけました。雪の化身のような美しい花びらです。

  

 今日のことば

 私は「飢餓の国、エチオピアの子どもたちに井戸を」というキャンペーンのレポーターとして、二回エチオピアに行ったことがあるんですよ。その旅自体は私の人生において貴重な体験だったんですが、ジープみたいな取材車で各地を回っていたとき、私たちの車が壊れて運転手さんが必死に修理していたら、遠くから少女が裸足で水瓶を担いできて、ニコニコしながら私たちに貴重な水を分けてくれようとしたんですよ。
その子は裸足だったんですけど、「裸足で重い水瓶を運ぶこの子を不幸と思うべきなんだろうか」と思ったんです。この子に靴を履かせることが果たして幸せに繋がるのかどうか。
その子の高貴な笑顔を見たら、文明を与えることがイコール幸せではないんじゃないかって。どっちが立派な人間なんだ? ってね。 

                                阿川佐和子

2012.04.14

ビロウドツリアブ

  2012.04.13 Friday

  昨年亡くなった作家、北杜夫の『どくとるマンボウ昆虫記』(新潮文庫)には、小学校4年の時に腎臓を病んで食事が満足に採れなくなり、可愛そうに思った家族から『昆虫図譜』を買ってもらった話が出てきます。少し引用してみましょう。


何月か『昆虫図譜』と寝ていたおかげで、私は虫の名を覚えた。なにかを覚えるということはそれほど大したことではない。それでも、ようやく起きられるようになって縁側まで出てみたとき、私はその効果を知った。もう春であった。その春の陽光の中に、一匹の虻が宙からつりさげられたようにじっと浮んでいた。綿毛のかたまりのような可愛らしい虻である。一目見て私にはその名称がわかった。ビロウドツリアブ。彼女とはじめて出会った筈だのに、私はずっと以前からの旧知のような気がした。むこうではそんなふうに思わなかった
らしく、アッというまにどこかへ消えてしまった。しかし私にとっては、自分の住んでいる世界がいささかなりとも広くなったように感じられたのである。


ここに出でくるビロウドツリアブを今朝、キャンプ場で見かけました。綿毛のかたまりのような可愛らしいアブでした。

 

           今日のことば

人生のどこかで、ふと心を自分の内側に向けてみることだ。
そこに見つけたものから、少しずつ始めればいい。

                             加島洋造

2012.04.12

ジロボウエンゴサク

  2012.04.12 Thursday

  今日は授業中に窓を開けずにいられないほど暑い時間帯がありました。数日前までの寒さはどこへ行ってしまったのかといった感じです。クラブ活動も始まり、元気に活動する生徒の姿があちらこちらで見られました。
この数日で急に季節が進んだ感じがします。
職員室の近くの中庭にはジロボウエンゴサクが群生する場所があります。徐々に生息数を減らし、長野県では既に絶滅したとも言われるジロボウエンゴサクを毎年見られる喜びを今日も感じました。

 
 

               今日のことば

愚かさもまた、神からの恵みである。しかし、決してそれを誤用してはならない。

                          ヨハネ・パウロ二世

2012.04.12

スズキカバエ

  2012.04.11 Wednesday

  昨日、掲載した写真をもう一度掲載します。どうも見慣れないハエだと気になりましたので、専門家の方に見ていただいたところ、ちょっとした発見であったことがわかりました。
これはおそらく静岡県で(もしかしたら近隣の県も含めて)初めての確認のようです。カバエ科のスズキカバエという熱帯性の強い種で、もともと南方に生息する昆虫です。静岡県で見つかったということは、温暖化によって生息域を北に広げている可能性があると考えられます。この体長7ミリの小さなハエは私たちに何かを警告しているのかもしれません。

ハエを敬遠する人も多いかもしれませんが、カバエは衛生害虫でもなく吸血するわけでもなく、「森の住人」という意味の素敵な学名を持っています。

  
 

                今日のことば

高きを望め、あなた方の目はいつももっとも高きものを見ているように。あなたがたの一生は、高きものへの絶えざる努力であるように。
                            ヘルマナ・マイヤー

2012.04.10

イロハモミジの若葉と芽鱗と花

  2012.04.10 Tuesday

イロハモミジに新緑が美しい季節となりました。下の写真は今朝、キャンプ場で写したものです。2枚目の写真に写っている赤い芽のようなものは芽鱗で、葉の緑とのコントラストがとても美しいです。花も咲き始め、小さな虫が蜜を吸いに来ていました。

 

 


今日のことば

神の優しさの、
生きている表現でありなさい。
あなたのまなざしに神の優しさが、
あなたのほほえみに神の優しさが、
あなたの暖かいあいさつに神の優しさが表れますように。

                        マザー・テレサ

2012.04.09

今日の富士山  ゼンマイ

  2012.04.09 Monday

今日も桜と富士山の美しい朝でした。今日の高校朝礼で山本校長より、「さくら」の「さ」は山の神を表すと考える説があるというお話がありましたが、まさに神々しいほどに美しい桜の姿です。

 ゼンマイが雑木林のあちこちに生えています。少し伸びかけたゼンマイを見て「釣りキチ三平」の漫画の一場面を思い出しました。

 
 

 
今日のことば

私が進化論を地球上の生命の発達を説明するためにだされたもっとも倫理的な説として受け入れているのは事実です。しかし、私としては、進化の信仰と創造主としての神の信仰との間にまったく矛盾はありません。私が進化を信じているのは、それは神が地球上の生命を創り、また今も創りつづけている方法の一つであると思うからです。そしてその方法にはすばらしい配慮がなされているため、細部を学ぶほどに、創造主とその方法の両方への尊敬と畏敬の念が増しこそすれ、けっして減ずることはありません。

                           レイチェル・カーソン

2012.04.08

富士山と桜  ソメイヨシノとシャガ

  2012.04.08 Sunday

 今日はよく晴れてお花見日和の一日でした。校舎へと続く坂道では桜の向こうに富士山も見ることができました。聖心橋から写した写真をよく見ると、遠くまで桜並木が続いていることがわかります。写っている桜のほとんどはソメイヨシノです。

 

 正門のところにシャガの花がもう咲き始めていました。ソメイヨシノとシャガには重要な共通点があります。それは、ともに3倍体であるために正常な減数分裂ができず、結実しないということです。すべて同じ遺伝子をもったクローンということになります。ソメイヨシノもシャガも一斉に花開くのは同じ遺伝子を持っているせいではないかと考える人もいます。

 


今日のことば


突然の手紙には驚いたけど嬉しかった
何より君が僕を怨んでいなかったということが
これから此処で過ごす僕の毎日の大切な
よりどころになります ありがとう ありがとう

ナイロビで迎える三度目の四月が来て今更
千鳥ケ淵で昔君と見た夜桜が恋しくて
故郷ではなく東京の桜が恋しいということが
自分でもおかしい位です おかしい位です

三年の間あちらこちらを廻り
その感動を君と分けたいと思ったことが沢山ありました

ビクトリア湖の朝焼け 100万羽のフラミンゴが
一斉に翔び発つ時 暗くなる空や
キリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット
何より僕の患者たちの 瞳の美しさ

この偉大な自然の中で病いと向かい合えば
神様について ヒトについて 考えるものですね
やはり僕たちの国は残念だけれど何か
大切な処で道を間違えたようですね

去年のクリスマスは国境近くの村で過ごしました
こんな処にもサンタクロースはやって来ます
去年は僕でした
闇の中ではじける彼らの祈りと激しいリズム
南十字星 満点の星 そして天の川

診療所に集まる人々は病気だけれど 少なくとも心は僕より健康なのですよ
僕はやはり来てよかったと思っています
辛くないと言えば嘘になるけど しあわせです

あなたや日本を捨てた訳ではなく
僕は「現在(いま)」を生きることに思い上がりたくないのです

空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命(いのち)を生きたい
キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい

くれぐれも皆さんによろしく伝えて下さい
最后になりましたが あなたの幸福(しあわせ)を
心から遠くから いつも祈っています  おめでとう さようなら

                    「風に立つライオン」(さだまさし)より

2012.04.07

バイモ(貝母)

  2012.04.07 Saturday

 不二聖心の春を彩る花の一つにバイモがあります。寄宿舎の裏の出口の近くと裏道の東名高速の近くに咲いています。中国からの帰化植物であることは間違いないのですが、渡来時期に奈良時代と江戸時代の2説があります。江戸時代に貝原益軒によって編纂された「大和本草」に「薬類」として「貝母(はるゆり)」の名が見られますので、江戸時代に渡来していたことは間違いないわけです。
別名は編笠百合で、学名は  Fritillaria verticillata  var. thunbergii  です。学名の Fritillaria(フリティラリア)は、ラテン語の 「fritillus(サイコロを入れる筒)」が語源ですので、別名も学名も花の形に着目していることがわかります。 

 

               今日のことば

わたしどもの生活に高い意義と価値を見いだすためには、どうしても永遠無限なるものとの関係において生きなければならない。人間の生活はだいだいだれも同様で、三度食べて、働き、夜ねて、朝起きるだけである。しかし真に信仰に生きる人は、赤ちゃんのおむつのお洗濯をしていても、台所でお芋の皮をむいていても、心の眼は浮世の地平線のかなたはるかに神に向かっている。このような人間の姿こそ実に貴いものである。                           

                                岩下壮一

2012.04.06

辛夷の花

  2012.04.06 Friday

 今日は中学1年生のオリエンテーションが特別第8教室で行われました。特別第8教室からは、少しずつ花が開き始めた辛夷の木をたくさん見ることができます。辛夷の花は白木蓮の花と似ていますが、若葉も一緒に見られるのが辛夷の花の特徴です。

 


                                             今日のことば

みみをすます
じゅうねんまえの
こじかのなきごえに
ひゃくねんまえの
しだのそよぎに
せんねんまえの
なだれに
いちおくねんまえの
ほしのささやきに
いっちょうねんまえの
うちゅうのとどろきに
みみをすます   
                                                         谷川俊太郎

2012.04.05

チビマルヒゲナガハナノミ

  2012.04.05 Thursday

 チビマルヒゲナガハナノミの幼虫が不二聖心の沢から見つかりました。名前から見当がつくかもしれませんが、これは甲虫の幼虫です。大きさは5mmで沢の石の下にはりつくようにして生活しています。カブトムシの仲間の幼虫がこんな姿をしているということに大きな驚きを感じます。

  


今日のことば

     生も死も越えたるごとき優しさに白木蓮の花ほぐれゆくなり

                               柳澤桂子

2012.04.04

不二聖心の沢  トビケラの幼虫と巣  葉脈の顕微鏡写真

  2012.04.04 Wednesday

 不二聖心の中には森にそって流れる沢があります。そこにはたくさんの沢蟹が棲み、いろいろな種類の水生昆虫を見ることができます。2枚目の写真は、沢の石をめくって見つけたトビケラの幼虫とその巣です。3枚目の写真は、水生昆虫によって食べられ葉脈だけが残った葉の表面の顕微鏡写真です。

  

                今日のことば

このたくさんの涙は
何かの種かもしれない
わたしの庭にこっそり
埋めておこう

春、夏、秋、冬
そしてまた春
忘れたころ
芽を出して
びっくりするくらい
元気な花を
咲かせるかもしれない

                      みつはしちかこ

2012.04.04

嵐の前の桜と山吹

  2012.04.03 Tuesday

朝のNHKのラジオのニュースで、昨日会津若松市で初めてウグイスが鳴いたという話を紹介していました。不二聖心ではしばらく前から毎日のようにウグイスがいい声で鳴き続けています。今朝は東名高速のすぐ近くで姿まで見ることができました。
ウグイスの声を聞きながら、桜と山吹の写真を撮りました。朝はこのように穏やかな天気でしたが、夕方からは台風並みの低気圧のために記録的な暴風雨となりました。いずれの花も今はもう散ってしまっていることでしょう。
 

 

 

               今日のことば

舗道のそばに、一本、大きな切り株だけがのこる木がある。椅子くらいの高さの切り株のまわりを、切り株の木がずっと生きてきた時間が囲んでいる。日々の魂を浄めるような時間が、そこにはのこっている。
                                 長田弘

2012.04.02

『こどもお茶小辞典』に不二聖心の記事が掲載  イワボタン

  2012.04.02 Monday

 静岡県が発行した『めざせ!お茶博士 こどもお茶小辞典』に不二聖心のお茶が紹介されました。「幻の紅茶ただにしき」についても詳しい説明がついていて非常に興味深い内容となっています。


 

 

 山地の谷川沿いに生える多年草であるイワボタンが裏道の川で今年も咲いています。イワボタンは別名ミヤマネコノメソウと言います。トンボのミヤマアカネもそうですが、動植物の名前の中には、必ずしも「深山」に生息していなくても「ミヤマ」と名付けられているものがあります。
イワボタンは佐賀県と長崎県で準絶滅危惧種に指定されています。

  
 
今日のことば

うつくしい自然よ
どうしたら どうしたら
あなたのうつくしさに
つり合えるだろう
くつを脱いで わたしははだしになってみた

                            新川和江

2012.04.01

ヒトクチタケ  オオコクヌスト

  2012.04.01 Sunday

 裏の駐車場のマツの木にヒトクチタケがついているのを見つけました。
枯れ始めたマツの木につくというヒトクチタケの中にはカブトゴミムシダマシ、ヒラタキノコゴミムシダマシ、オオヒラタケシキスイなど、何種類もの甲虫が棲みつくことで知られています。2枚目の写真は、2010年5月13日に、ある生徒が持ってきてくれたヒトクチタケの写真で、中にはオオコクヌストという甲虫が入っていました。

  

          今日のことば


ぼくたちは いきているだけで
きっと えらいのだとおもう

かなしみを こらえて いきているのだから
おいおいなきながら いきているのだから

それだけで じゅうぶんに

                                  内田麟太郎

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