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フィールド日記

2012年05月

2012.05.10

ナラエダムレタマバチ  ナラエダムレタマフシ  ナラハグキコブフシ

  2012.05.10 Thursday


第2牧草地の上の雑木林でナラエダムレタマバチの虫こぶ(子供部屋)の写真を撮りました。ナラエダムレタマバチは、産卵する時に植物の組織内に特殊な化学物質を注入することで細胞に変化を起こさせ虫こぶを形成させます。この虫こぶには名前がつけられているのですが、1枚目と2枚目の写真は、ナラエダムレタマフシといい、3枚目の写真はナラハグキコブフシといいます。すべてナラエダムレタマバチの虫こぶなのですが、様子は全く違います。実はナラエダムレタマフシは未受精卵を産み付けた時にできる虫こぶで、ナラハグキコ
ブフシは受精卵を産み付けた時にできる虫こぶなのです。前者を単性世代虫えい、後者を両性世代虫えいと呼びます。世の中にこんな不思議な生態の生き物がいることがあまり知られていないことをとても惜しいことだと思っています。


 
 

               今日のことば


人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だがそれだけでは十分ではない。
根本的な資質が必要である。真摯さである。

                                ドラッカー

2012.05.09

コアシナガバチの女王バチとその卵

  2012.05.09 Wednesday

 今朝、第2牧草地で巣作りをしているコアシナガバチの写真を撮りました。巣の中には既に卵が産み付けられていますが、この卵は女王蜂の体内で越冬した卵です。2枚目の写真は5月6日に写したものです。そこには命の結晶のような卵がはっきりと写っています。わずか3日の間に巣が大きくなっているのもわかります。アシナガバチが巣を完成させる確率はわずか3割です。女王蜂の厳しい戦いはまだまだ続きます。

 
 

 


今日のことば

言葉が変われば、心が変わる。
心が変われば、態度が変わる。
態度が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。 
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる。

                      大畑友香

2012.05.08

飛ぶ宝石 ホソミイトトンボ

  2012.05.08 Tuesday

最近、雑木林でホソミイトトンボをよく見かけます。その体色の青さは思わず息をのむ美しさです。この時期に見られる個体は越冬した個体で、秋に淡い青だった体色が冬を乗り切ることで鮮やかな青に変わるそうです。

 

   

            今日のことば

一日一日が祭礼だ
雲も風もたまらなくいい
この世は素晴しいものを満載した
豪華船なのだ
                  辻邦生

2012.05.07

第2東名高速道路  ハイイロゲンゴロウ

  2012.05.07 Monday

 下の写真は第2牧草地から写した第2東名高速道路の写真です。不二聖心は、2本の東名高速道路が通る日本で唯一の学校ではないでしょうか。

 
第2牧草地の池の縁にハイイロゲンゴロウが上がってきていました。ハイイロゲンゴロウは東京都では既に絶滅したとされています。
水生昆虫であるハイイロゲンゴロウがなぜ水から外に出てきたのか、その理由はよくわかりません。

  

 


今日のことば

     夢は不満足から生まれる。満ち足りた人間は夢を見ない。

                         アンリ・ド・モンテルラン

2012.05.06

ブナの芽鱗で身を包んだミノムシ

  2012.05.06 Sunday

  第1牧草地のブナの木には冬芽を包んでいた芽鱗がまだたくさんついています。それを巧みに利用している虫を見つけました。ミノガの幼虫、ミノムシです。茶色い芽鱗を身にまとった姿はなかなかおしゃれで、見慣れたミノムシの姿とは明らかに違います。1年の中で今しか見ることのできない光景と言えるでしょう。よく見ると幼虫の頭が蓑の中心から出ているのがわかります。

 

今日のことば

戦いにおいては
一人が千人に打ち勝つことがある。
しかし、
自分に打ち勝つものこそ、
最も偉大な勝利者である。   
                   ブッダ

      お知らせ

 2012年8月7日に不二聖心女子学院では「夏休み子供自然体験教室」を開催することになりました。
  詳細をお知りになりたい方は、不二聖心女子学院のホームページのトップページの「夏休み子供自然体験教室小学生対象募集中!」のバナーをクリックしてください。

2012.05.05

2匹のシマヘビ


 

 2012.05.05 Saturday

  今年初めてシマヘビと出会いました。今まで不二聖心では何度もシマヘビを見てきましたが、今回は何と2匹が一緒にいるところを見つけました。双頭のヘビの伝説は、このような自然界の姿からヒントを得ているのかもしれません。

 

今日のことば

子どもといっしょに自然を探検するということは、まわりにあるすべてのものに対するあなた自身の感受性にみがきをかけるということです。それは、しばらくつかっていなかった感覚の回路をひらくこと、つまり、あなたの目、耳、鼻、指先のつかいかたをもう一度学び直すことなのです。

レイチェル・カーソン

 

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2012.05.04

モリアオガエルの卵

 

 2012.05.04 Friday

 本館前の築山のシダレザクラの枝にモリアオガエルの卵がついていました。すでに枝の下の池にはヤマアカガエルのオタマジャクシがたくさん泳いでいますので、やがてそこにモリアオガエルのオタマジャクシが仲間入りすることになります。
モリアオガエルは、産卵時期以外は森で生活するカエルとして知られています。写真の卵は不二聖心の豊かな森の象徴とも言えるものであり、全国でモリアオガエルが絶滅危惧種とされている理由の一つとして、池の周辺に豊かな森が広がるような環境の減少を挙げることができます。

 

今日のことば


ことしも生きて
さくらを見ています
さくらふぶきの下を ふらふらと歩けば
一瞬
名僧のごとくにわかるのです
死こそ常態
生はいとしき蜃気楼と


茨木のり子

 

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2012.05.03

ヒメカンショコガネと地球温暖化

 

 2012.05.03 Thursday

 今日は、椙山女学園大学研究論集第41号(2010)に収められた「名古屋東山周辺の昆虫相」(内藤通孝)という論文を読みました。1990年の「愛知県の昆虫」という調査報告以来のまとまった報告ということでしたが、驚いたのは、1990年の報告にアオドウガネの報告例が全くなかったということです。温暖化により北上し今や不二聖心では全く珍しくなくなっているアオドウガネが、1990年頃にはまだ名古屋にいなかったという事実に衝撃を受けました。
もう一つ注目したのは、論文の「まとめ」の一節です。「まとめ」の5に次のようにありました。

 5 ヒメカンショコガネは温暖系の種であり、今後増加する可能性がある。

 このヒメカンショコガネを4月30日に不二聖心の雑木林で採集しました。上の写真はその時に撮影したもので、一緒に写っているのはゼンマイの胞子葉です。今後、ヒメカンショコガネが増加していくかどうか、注意深く見守っていく必要がありそうです。

 

                今日のことば


知らんということがいちばんの罪。それで、知らん人たちのためにも、自分のためにも祈ります。

                           水俣病患者の言葉


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2012.05.02

特定外来生物ガビチョウ

  2012.05.02 Wednesday

 特定外来生物であり日本の侵略的外来種ワースト100選定種でもあるガビチョウが職員室の横の庭にいました。今日は雨のためにそれほど大きな声では鳴いていませんでしたが、時にはあまりの鳴き声のやかましさに閉口してしまうこともあります。ハワイでは中華街の火事で飼われていたガビチョウが逃げ出して野生化しているそうです。英名はChinese Hwameiと言います。英語版のウィキペディアにはThe species is a popular cagebird because of its attractive song.と書いてありますが、attractive song とはなかなか感じ
られません。
雨でも元気よく鳴いていたのはモリアオガエルです。外来指定生物と絶滅危惧種がすぐ近くに生息しているのも不二聖心の自然のユニークさかもしれません。

 

今日のことば

蜂はお花のなかに
お花はお庭のなかに
お庭は土塀のなかに
土塀は町のなかに
町は日本のなかに
日本は世界のなかに
世界は神さまのなかに
さうして、さうして、神さまは小ちゃな蜂のなかに

                          金子みすず

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2012.05.02

トゲヒゲトラカミキリ

  2012.05.01 Tuesday

今日から5月になりました。ここ数日の暖かさで雑木林は急に賑やかさを増しました。写真のカミキリムシはトゲヒゲトラカミキリで、雑木林のゼンマイの葉の上にいました。トラカミキリは日本に約70種いるそうです。これだけを見ても、生物の世界の多様さの一端がわかります。

 

 

 
今日のことば

これからは知識集約型の時代です。学識と知識を持つことによってしか新しい地平は開かない。19世紀は軍事力の時代、軍艦を差し向けて相手をいう通りにさせるやり方でした。20世紀は経済力だったでしょう。では21世紀は何によって働くのかといえば、知識です。知識に共感する人たちが各方面で行動を起こして政策変更を可能にしていく。一つの国の中でも、国際社会でも、知識に基づいて認識形成がなされ評価や判断が決まっていくようになります。                      

                                猪口邦子


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不二聖心女子学院には約20万坪の敷地があり、そこには雑木林、すすき野原、竹林、針葉樹林、茶畑、栗畑、草原などさまざまな環境があります。夏休みの一日を豊かな自然の中で過ごし、広い敷地をウォーキングしながら生き物について学び、たくさんの命を感じてみたいという方はどうぞお申し込みください。
牧草地での虫取りゲームや日本でここにしかない幻の紅茶「ただにしき」を飲みながらのティータイムも企画しています。
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