フィールド日記
2011.04.20
竹筒とオオフタオビドロバチ
平成23年4月20日 水曜日
下の写真は、12月2日に撮影したオオフタオビドロバチの幼虫の写真です。夏にしかけた竹筒トラップに
産み付けられた卵が成長して写真のような姿になりま した。泥で仕切られた産室の中でここまで成長できたのは、親バチがあらかじめ部屋の中に蛾の幼虫を餌として入れておいてくれたからです。
不二聖心の敷地内でしかけた竹筒の営巣率は極めて高く、オオフタオビドロバチも不二聖心の自然の豊かさの
シンボルの一つと言えます。
竹筒は回収してペットボトルに入れておいたのですが、その竹筒から4月17日に成虫が羽化しました。
それが下の写真です。鮮やかな黄色い2本の帯がオオフタオビドロバチの名前の由来となっています。
そして今朝、さらに2匹が新しく羽化しているのを確認しました。秋に産みつけられた卵がほぼ時期を同じくして、それぞれの部屋から出てきたことに自然の不思議を感じています。
2011.04.19
不二聖心の道とサワガニ
平成23年4月19日 火曜日
中学3年生は、今日の国語の授業で、4月17日の朝日新聞の「ひととき」の欄に掲載された文章を読みました。
次のような文章です。
育児休暇中の現在、ほぼ毎日、家事が終わってからの午前中は9カ月の息子との30分~40分の散歩タイム。
息子は家の中より外の方が機嫌がいい。5カ月になるころからの日課だ。
鳥のさえずりを聞きながら、草花や木々の葉や花を眺め、のんびりと散歩する時間はとても幸せだ。
この地に住んで11年だが、初めて発見することも多い。(中略)
気持ちよさに息子が寝入ってしまうことも多い。その時は、いろんなことに思いをはせる私の時間。
最近は、震災で被災された方々のことを思い続けていた。
こんなすてきな自然や景色、愛する土地、愛する方を失われた方々の悲しみは計り知れない。
今の自分の生活に感謝の気持ちを忘れずに、東北の皆さんのことを思うしかできない。
同じ空の下でつながっている自分にできることを考えながら、願いながら今日も散歩に出かけた。
一日も早く東北の皆さんに笑顔と元気が戻りますように。 (小学校教諭39歳)
身近な風景の「当たり前」の奥にあるものを探すことがとても大切なことのように思います。
不二聖心にも、いろいろなことに思いをめぐらせながら歩くのにふさわしい道がたくさんあります。
そしてそこには数多くの生き物との出会いがあります。
下の写真は林道で出会ったサワガニの夫婦の写真です。オスはハサミの大きさが左右で違いますから
一目でわかります。メスを守ろうと巣の入り口で身構えるオスの姿です。
ここにもかけがえのない生命の営みがあります。
2011.04.18
高校3年生の短歌と鹿
平成23年4月18日 月曜日
先週は高校3年生の素敵な短歌と出会うことができました。何首か紹介しましょう。
帰り道六年ぶりに会った友声をかけるか迷って終わる
上級生いなくなって初めて気づく いてくれたときの安心感に
低カロリーその文字だけで好印象ついつい手が出る食べなきゃいいのに
寄り添えど眠れぬ夜の被災地に春まだ浅くなごり雪かな
ひらひらと落ちる花弁を捕まえて無邪気に遊ぶ小さな子ども
下の写真は桜の花弁舞う今の不二聖心の風景です。
先週はもう一つうれしい出会いがありました。土曜日の昼ごろ、正門をくぐってすぐに鹿の群が現れたのです。
先週だけで3回、鹿の群に出会いました。愛らしい鹿の姿を目にするのはうれしいのですが、
貴重な植物を食い荒らしていないか少し気がかりです。
2011.04.15
創立者聖マグダレナ・ソフィアとスミレ
今週の宗教朝礼で私たちは、「あなた方の心が謙虚になった時、主はあなた方の心の中に新しいことを
行いになります」という言葉を残した創立者聖マグ ダレナ・ソフィアが、スミレの花を特に好んだことと
スミレの花言葉が「謙遜」であることを学びました。校内に無数のスミレの花が咲く今の季節は、
創立者を 思うのにとりわけふさわしい季節だと言えるでしょう。
下の写真は本館前のスミレの写真です。校内には圧倒的にタチツボスミレの花が多いのですが、
ここだけは毎年スミレが咲きます。花の手前に写っている 穴はアリの巣です。
スミレは種にエライオソームという、アリの好む物質を付け、種をアリに巣まで運ばせます。
アリはエライオソームだけを食べますので、種 は残って発芽し分布を拡大することができるわけです。
このスミレも、かつて種であった時にアリに運ばれてここまでやってきたのかもしれません。
2011.04.14
中学1年生の授業でワラビ採り体験
中学1年生の理科の授業で春の自然観察を行いました。授業の目玉は、ワラビ採り体験です。
中学1年生は自然観察の授業を心から楽しんでいました。実際に実物にふれて生命に対する思いを深める
教育活動を大切にしたいものです。
下の写真は、雑木林の林床に生えるワラビの今朝の姿です。今の時期にワラビをある程度摘んでおくことで
雑木林は健全に保たれます。
2011.04.13
シダレザクラ・イロハモミジ
昭和49年に20回生の方々によって植えられたシダレザクラの花が今年も美しい花を咲かせています。
やがて夏が来ればこの枝に今年もモリアオガエルが卵を産みに来ることでしょう。
今朝の雑木林では、ヤマガラがチチピー、チチピー、チチピーと絶え間なく鳴き、キツツキのドラミングの音が
響きわたっていました。下の写真は松の切 り株の上に芽生えたイロハモミジの稚樹の様子を写したものです。
偶然にも切り株の上に種が落ちたことで、そこから栄養を得て新しい命が育っています。
2011.04.12
2011年4月12日
今日は今年度初めての中学校朝礼があり、宮城県出身の山本校長先生から震災についてのお話がありました。
福島の避難所でコーヒーとコロッケを自主的に配布した一人の不二聖心の卒業生の姿が心に残りました。
ソメイヨシノもようやく満開となり、不二の自然も春の盛りを迎えています。
雑木林では今年もまた可憐なフデリンドウの花が咲き始めました。
フデリンドウは人の手が十分に入っている雑木林でのみ生息できます。
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